転職中途採用組が日系大企業で出世できない構造的理由

転職中途採用組は日系大企業で出世できない
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伝統的な雇用安定の日系大企業に転職した。

転職して中途入社した社員の将来の出世はどうなるのか?

中途が活躍できる土壌のある会社もありますが、例外的だと思います。

私は、日系大企業に転職で中途入社しました。

そこは新卒プロパーが大量に働くいかにも日系大企業という感じの会社です。

しばらく勤務してみて、「この会社で転職中途入社組が偉くなるのはほぼないのだろうな」と思うようになりました。

2019年秋頃、トヨタが中途採用を拡充するということでニュースになってました。

なぜニュースになるかといえば、日系大企業で中途をたくさん取る、というのが「異例」だからでしょう。

こうした企業では、中途入社はある種「異常」な存在なのです。

異常ではない通常の存在は、新卒入社でずっとその会社にいる人です。

  • 通常=新卒プロパー
  • 異常=転職中途入社

この図式が固まっている会社があります。 

中途入社組は社内ネットワークを築く時間が新卒プロパーより短いです。

「当然新卒プロパーが出世するでしょ」という社内常識を打ち破るのはかなり困難です。 

大企業で大きなビジネスに関われるとか、安定性やブランドなどいいところはたくさんあり、中途で入ると最初は満足できるかもしれません。 

しかし、やがて不合理な真実に直面することになります。 

目次

1 新卒入社時からプロパーの長い出世レースは始まっている

出世レース

ある会社では、新卒入社組にとって入社時に最初に配属された部署はその会社在籍中のホームグラウンドや故郷のようになるとされます。 

そうすると、中途入社組はホームレスになるんでしょうか。

(1) 典型的日系大企業の新卒入社組の辿るコース

コンサルで有名な堀さんが最近の書籍『できる人の読書術』で大企業の内部をわかりやすく説明していたので紹介します。

サラリーマン社会は、身分を重視する江戸時代の武士の評価システムとよく似ていた。学歴や入社年次、新卒か中途採用かでサラリー(武士なら石高)が決まり、それは生涯に渡って宿痾(しゅくあ)のようについて回る。同じようなプロフィールを持つ人は、本人の能力に関わりなく、同じようなサラリーマン人生を歩む。

たとえば、東京大学から新卒で入ったら、数年後には係長になり、やがて課長になり、トントン拍子に出世して最低でも同期でもっとも早く部長になれる。

私立大学出身で中途採用だとしたら、たとえ仕事ができても親会社では課長以上になれず、せいぜい子会社の総務部長止まりで終わる……といった具合である。

(堀紘一『できる人の読書術』)
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サラリーマン社会は江戸時代の武士の評価システムと似ている。

私は、法律事務所から日系大企業に転職しました。日系大企業に入って、堀さんの指摘はそのとおりだと思いました。

たとえば、役員には学閥があるんじゃないかと言われていました。

ダイキンの社長が日経産業のインタビューで「ダイキンには派閥がない」と言っていたのですが、本当でしょうか。

でもそれが本当だとするとダイキンは中途入社にはいい会社かもしれません。

ダイキンはビジネスが強く、M&Aもうまい。

(2) 企業で入社年次は超重要

年次は会社内にいると一生ついて回ります。

入社年次について言及されなくなる日はありません。

生涯に渡って宿痾(しゅくあ)のようについて回る」のです。

中途で入ると、たとえば、2010円大学卒業で、別の会社に入り、それから転職して当該大会社に2018年に中途入社したとすると、「18年入社、10入社相当」と扱われます。

たとえば、1995年入社を「きゅーごー(95)入社」といったり、2008年入社を「ぜろはち(08)入社」と言ったりします。

なので、社内では、他の人のことを話すときに、たとえば「安倍さんって”ぜろご(05)”入社だっけ」といった言い方をするのです。

「新卒で入ったのはいつか」

という新卒一括採用を基準として人を見ているのです。

当然人事制度もそうなります。

どこの大企業も「能力で評価する人事制度を導入」とうたっているはずです。

しかし、特に、大きな企業、業績がそんな悪くない企業、伝統的な企業では年功序列からあまり変わってないと思います。

能力評価ベースの人事制度なんてやったことがないからできっこないのです。

なんとなく形式は整えるけれども、結局は従来どおりの年功制で、「年次が上がれば力も上がる」という思い込みで従前どおり進んでいるのです。

そう思うと年功序列はかえって合理的です。評価という主観が入る程度が減らせるからです。

新卒を大量にとって終身雇用を前提とした年功序列制度ががっちりしてる会社は能力主義よりも年功序列の方が向いているように思います。

(3) 日系大企業で中途入社は本当に不利

中途入社の人が日系大企業で順当に出世をするのは難しいです。

中途入社の人が出世をすると、それは「異例」ということになります。

「異例」は大企業で嫌われます。好きなのは「前例」です。

私が嫌いなものは変化だ。

漫画『鬼滅の刃』で、鬼舞辻無惨がこう言っていました。

日系大企業は鬼軍団と同じなのか。

大企業人は、右へ倣えをし続けて目立つことをしません。いい悪いではなく、前例通りか、他の人もやっているかを常に注意しています。それしか注意することがないのが大企業の典型サラリーマンです。

新卒入社組=プロパー社員

新卒入社社員は「プロパー社員」「プロパー」と呼ばれています。もちろん俗称であり、正式な呼び方ではありませんが、みんなこの言葉を使っています。なんのためにあるか、「新卒か・中途か」を区別するためです。

新卒入社と中途入社のどっちがいいか?

ー当然「新卒・プロパー」です。

なぜ新卒がよいのか?

ー出世しやすいからです。

なぜプロパーが出世しやすいのか?

ーこれまで出世してきている人はみんなプロパーだからです。

これまでプロパーが出世していてもこれからは関係ないのではないか?

ー関係あります。大企業は前例通りが大好きなのです。前例通り間違いなく進めることが重要だとされ、評価されるのです。

2 出世レースに途中参加する中途入社組は大きなハンデを負っている

中途入社 ハンデ

日系大企業への中途入社組は、通常は上記のような新卒入社時から始まる年功序列体系の中の出世レースに交じって戦わなければハイポジションに就けません。

新卒時からぬるま湯で育ってきたプロパーを大切に育てる会社であれば、ハングリー精神を持って仕事に取り組む中途入社社員は貴重な戦力です。重宝されるかもしれません。

しかし、それだけでは偉くなるには足りないのです。

(1) 実力って何ですか?出世するなら社内ネットワーク

最先端の科学的手法を駆使して解き明かされた「成功の普遍的法則」(by『ザ・フォーミュラ』)の1つからすると、中途入社組が「実力」で新卒プロパー天国会社の中の出世競争を勝ち上がっていこうとすることは、困難というほかありません。 

原則1

 「パフォーマンスが成功を促す。パフォーマンスが測定できない時には、ネットワークが成功を促す」

仕事で「実力」(パフォーマンス)は大事です。

実力(パフォーマンス)は、会社員としての成功(出世)に関わります。

しかし、「実力」がよくわからないときは、人と人とのつながりが成功(出世)への要因になります。

「トップを狙うなら、底辺から一段ずつのぼって行くことだ」という思い込みは棄てたほうがいい。

同上

出世したいなら、地道に仕事ができるようになればいい、という考えは実態に合っていません。

各ポジションを異動で転々としつつ、各仕事をマスターするでもなく、なんとなくのまま業務をこなし、出世している人はたくさんいるのです。

仕事の習熟度が出世に影響するかというとそれには疑問符が付きます。

あらゆる分野のパフォーマンスがテニスのように明白ならば、それもいだろう。だが、自分がナンバーワンだと証明できないのなら、その出世の階段をのぼって行くのは難しい。となると、企業の重役室や一流ギャラリーのや憧れの職の面接結果を、自分のほうにぐいと引き寄せなければならない。

会社内の出世競争で「実力」なるものが可視化されるなら「実力」を高めるのが出世には重要です。

しかし、実力なる幻の概念が目に見えることはありません。

実力なんていう霞を吸ってても出世にはあまり影響しないです。

一応会社内では優秀とされる人の方が評価され、出世します。

どんな人が優秀かと言うと、言われたことだけ忠実にやる人です。

上司は、自分の権力を振りかざしたい。

自分の権力を一番感じさせてくれるのが部下です。

部下が自分の思い通りになれば気分がいい。気分が良ければその部下の評価もあがる。

「素直」な部下は評価される。

こうして村社会の企業内で「優秀」な会社員が誕生し、村内で知られるようになります。

上司はやがて異動し、コネが広がっていきます。

このコネが重要なのです。

出世の階段を”人づき合いの橋”に変えるのだ。孤立して働いている人はいない。たとえ自分がそう思い込んでいる時でさえ、あなたはひとりではない。……もし、遠い目標を自分の目の前に引き寄せたいのなら、夢の実現に拍車をかけるハブを見つけ出して、そのハブに働きかける必要がある。

新卒プロパー偏重の会社において、成功(出世)のためのハブとなる人的コネクションを持つ人は、プロパー社員である可能性が高いです。なぜなら、 プロパー社員だけがみんな偉くなる文化なので、偉い人はプロパー社員である確率が高いからです。

新卒入社時期から社内ネットワークを築く時間が長いのもプロパーには有利です。

(2) 係長→課長→部長のルートは約束されていない

大企業への転職が決まった人は、「安定大企業に入れば、係長、課長、部長と順調に出世していけるだろ。」と安易に考えるべきではありません。

どれほど実力があっても、新卒プロパーの方が評価されうる可能性をよくよく考慮しなければなりません。

出世なんかいいよ。安定した企業で楽にそこそこの給料もらえれば。そういう発想であれば大企業は最高です。

あなたが有名大学・有名会社出身の非常に優秀で人格もすばらしいビジネスパーソンであったとしても、日系大企業に転職した場合、将来そこで出世するのは、あなたよりも学歴は低く、仕事もいまいちである人かもしれません。

なぜならその人はプロパーだから。

(3) 仕事って何すればいい?何もしないのに偉くなる人は何なの?

日本企業に就職する上で重要なのは、あくまでその「企業の一員になること」であり、「何をやるか」ではないのです

(ピョートル・フェリークス・グジバチ『Google流 疲れない働き方』(SBクリエイティブ、2018年3月)161ページ) 

そのとおり。

こういう「私は何をしたらいいの?」という組織は、「疲れる組織」であると上記書籍の著者は主張します。

疲れる組織:役割も期待されていることも曖昧

疲れない組織:役割と期待が明確

大企業は、人も多く、不要な内部調整作業が死ぬほどあります。

「これ意味ないんじゃない?」と考えて不穏な空気を生み出すより、無駄な作業であってもそれに異を唱えず「企業の一員であること」が大事なのです。

転職して業務を特定されて中途入社した人にはこうした大企業は「疲れる組織」でしょう。

なお、日系大企業はこのような「疲れる組織」の典型例が結構あると思いますが、外資系企業でも社内調整が面倒なところは少なくないはずです。人が増えて組織が大きくなると調整作業はどうしても増えます。

(4) 凝り固まった社内文化は変わらない

外から見ておかしい組織内文化は、中の人にはその異常さがわかりません。社内カルチャーには本当に気をつけなければなりません。

伝統的・安定・有名・日系大企業になると、部署によってはゆるま湯文化が定着し、ゆでだこになった傲慢社員が無数に現れます。 

大企業の無能社員はなぜ偉そうなのか | 大企業病に罹って傲慢になる

(5) 典型新卒プロパーの頭の中 | 「私は(中途入社の)あなたとは違うんです」

「あなたとは違うんです」

これはかつてとある首相が辞任会見で記者に向かって言った言葉です。

新卒プロパー天国の日系大企業では、新卒プロパーと中途入社とでは違うのだと明確に意識されています。

江戸幕府の譜代大名と外様大名といった感じです。

とある日系大企業内で開催された中途入社社員向けの社内研修でのこと。

人事部による中途入社社員のキャリアについての研修でした。

その研修はいくつかのプログラムから成り立っていました。

そのうちの一つで、中途入社社員の人事評価と社内昇進の話がありました。

その際に画面に大きく映し出された説明がこれです。↓

人事制度が中途入社社員にとって不利な面があるのは否めない。しかし、頑張り次第でその差は埋められる。

私はこれを見て憤慨しました。

講師役の人事部社員(新卒プロパー)は、淡々とあたかも自分が正直に真実を伝える優秀な社員なんだぞという感じで説明しています。

これを見てやる気が出る中途入社社員がいるのか?いるかもしれませんが、少数でしょう。

人事部が「中途は不利だ」と平気で公言している。

そして、その差は「埋められる」だけであり、越えられるとは言っていない。

つまり、越えられない壁があると言っているのです。

講師の話しぶりからして「越えられない壁があるんです。大出世は諦めてほどほどで我慢しなさい」という意図はなかったのかもしれません。

それが意図ではなかったとしても、新卒プロパーの人事部(当会社ではもっとも偉そうにしている人種です)の深層心理では「中途入社は新卒プロパーを越えられないハンデを負った生き物だ」という思いがあるのでしょう。

それがプレゼンで出てしまったのです。出てしまっても「しまった・・!」とも思わない。

ここの人事部は人を右から左に移して偉そうにするのが仕事です。

当該中途入社社員向け研修は、中途入社社員にもっと働いてもらうための場であるはずなのに、何を話しているのか。

人事制度が中途入社社員にとって不利な面があるのであれば、その差をなくすべきであって、「しょうがないでしょ。まあがんばって」という場ではないはずです。

人事制度を変えないと、という発想すら抱かない。

これが新卒プロパー天国の一丁目一番地にいる人事部様の頭の中です。

3 「住友商事、20代で管理職」| 新卒プロパー以外の中途入社組は眼中に無し

住友商事で人事制度を改めて20代でも管理職に就けるようにしたとの記事が出ていました。

「大改革」とも言えそうですが、見方を変えれば新卒プロパー礼賛主義がとてもわかりやすく出た例といえます。

住友商事が新卒プロパー天国だと推測されそうな制度です。

どこがそんな新卒プロパー礼賛主義なのか?

たとえばこんなところです。

20代で管理職級に――。そんな抜てき人事を可能にする制度を、住友商事が4月から導入した。従来は新卒で入社してから管理職になるまで8年は必要だったが、それを5年程度にした。

……制度的には、入社6年目で従来の管理職相当の役割を担える。関連会社や出資先のスタートアップの社長に就ける可能性もある。「スキルや専門性を重視して人材を配置していく。社歴などは関係ない」(人事担当者)

(日本経済新聞2021年4月27日朝刊「住商、20代で「管理職」選抜、商社が閉塞感打破に新制度、双日、新会社で副業解禁。」)

「従来は新卒で入社してから管理職になるまで8年は必要だったが、それを5年程度にした」

と書いてあります。

「新卒で入社してから」と書いてあります。

新卒入社のことしか触れていません。

また、「入社6年目で従来の管理職相当の役割を担える」とあります。30代過ぎてから中途入社した人にとって6年は長いですよね。40代になっちゃいます。

「スキルや専門性を重視して人材を配置していく。社歴などは関係ない」と言ってるから、社外の人にもチャンスがある?

あるかもしれないけど乏しいですよね。社歴が1年か10年かは関係ないとは言っていますが、「社歴の有無は関係ない」わけではなさそうです。

同社の重視する「スキルや専門性」って何だと思いますか?

商社人であることです。

そう住友商事の人事担当者が説明しています。

新制度では管理職を「アドバンスト・プロフェッショナル」と名付けた。「管理職を『プロの商社人』と位置づける考え方は従来の制度と同じ」(人事担当者)

「プロの商社人」こそが住友商事で出世するにふさわしい。

そう心から思ってるので新聞にも平気でこんな漠然としたことが言えるのだと思います。

プロの商社人って何なんですかね。

商社で働いたことない人はきっと商社人ではないでしょう。

住友商事の内部事情に詳しい社内特殊技能を持った人なのだと思います。

中途入社組のこと完全に度外視してますよね。

なんでこんな早期管理職出世コースを設けたのか?

新卒プロパーを大事にするためです。

総合商社が抜てき人事を可能にする制度を導入するのは、優秀な若手の離職を防止するのが狙い。

もうわかりやすすぎる。

新卒プロパーを保存するためなのだと。

中途入社なんてどうでもいい。

新卒入社組が減ると何がそんな嫌なのかよくわかりません。

以下若手社員が早期退職を選ぶ背景が書かれています。

総合商社は大学生の人気就職先ランキング上位の常連だ。ところが、「一人前」と見なされるまでの下積みの長さや年功序列的な社風に嫌気がさし、外資系企業やスタートアップへの転職、起業の道を選ぶ優秀な若手が目立つようになった。
総合商社の事業構造が変化したことも影響している。取引を仲介する口銭ビジネスが主力だったころは、若手の責任の範囲内で意思決定できる仕事が現場には多かった。だが、経営の軸足は事業投資に移っている。投資先の経営管理業務が増え、投資額も大きくなると、若手の裁量は減っていった。
その結果、自らの成長を実感しにくいとの声が上がり、組織には閉塞感が漂う。三井物産からスタートアップに転職した30代の元社員は「関係会社のファイナンスなど管理業務が仕事の大半で、現場に接する機会が少なかった」と漏らす。

要約すると、若手が早く辞める理由は以下の通り。

  • 出世に時間がかかる。
  • 投資先の経営管理業等が増え、若手の裁量が減った。

こんな理由で辞めるなら総合商事には向いていませんし、入社する前にわかることなのにあえて入社した人に問題があるのだから放っておけばいいはずです。

また、「投資先の経営管理業等が増え、若手の裁量が減った」というのであれば、それというのはそもそも若手に任せられない仕事が増えてきたということを意味します。

それなのに若手に管理職をさせようという制度は実態に合っていないように思います。

「裁量よこせ、自由にやらせろ」というわがまま若手社員が辞めるのは組織にとっては良い兆候のように見えます。

経営管理業務をチームで担える人材を採用すればいいはずです。

ただ、そうは思わないですよね。

新卒プロパー天国で長年過ごした人の新卒プロパー重視思想はそうは簡単に剝げ落ちません。

そのことがわかるよい記事でした。

4 大企業のメリット

さんざん悪口を言ってきましたが、反対によいところも見てみましょう。

  1. 大企業は中小企業より給料が高い
  2. 大企業は安定している
  3. 大企業は知名度が高い
  4. 大企業では大きなビジネスに関われる

一般的には、一流大学や一流企業の出身者がキャリア評価上有利になることは事実です

大きな企業・組織の中でしか経験できないことはたくさんあり、そこで優れた成果を挙げていれば鬼に金棒です

(和多田保『ブランディング転職術 (「自分」というオンリーワンの商品を高く売ろう!)』(スダンダーズ・プレス、2019年6月))

「お、あの会社に勤めてるんだ!」

一流と言われる企業の会社員ならこう言ってもらえます。

転職する際にも現職場が有名だと有利です。本当に有利です。

そして、大企業は安定しています。

「今時、大企業はいつ潰れるかわからない。個人のスキルを磨くのが安定だ」というそれっぽいことをいう人がいますが、個人1人のスキルと、何万人もの従業員を抱えて多数のビジネスを何十年にもわたって継続し、数千億円以上の売上を誇る大企業とでは安定性は比べるべくもありません。

大企業は安定してるんです。労働法の従業員保護も手厚いですよ。

こう見ると、大企業勤務にはメリットがたくさんあります。

中途入社すると、最初はこのメリットを感じやすいです。 

出世できない、というのはあくまで将来の話です。中途で入社したときに、この出世できない可能性というデメリットをどうとらえるかは人によります。

しかし、自分の年下で実力がイマイチな後輩が単にプロパーであるというだけで出世するのを見るだけ、という将来の自分を想像すると悲しくないですか?

5 「この会社にこのままい続けたらやばい」と思ったら転職を

中途入社した会社で、「このままだと中途入社の自分は出世は厳しい。それは嫌だ」と思ったらどうするか?

転職を検討しましょう。

ただ、出世が厳しいとしてもそれだけでは転職しない方がいいかもしれません。

その判断は慎重に。

(1) 転職エージェントから情報を入手する

それでも現在の職場に危機感を覚えるなら、複数の転職エージェントに登録して今の自分にはどのような転職先があるのか常に情報を仕入れることをおすすめします。

すでに転職したことがある人なら「転職するか死ぬべきか」なんて転職を重大にとらえすぎて悩まないと思います。

「転職活動とまでは言わないけど、どんな転職先あるか考えてみようかな」と思いつつ、面倒くさくて何もできないままの人も多いのではないでしょうか。

日系大企業のぬるま湯につかってしまうと動き出すのが難しくなりがちです。

そんな時は転職した過去の自分を思い出しましょう。

自分は転職のプロだ。プロは気分で自分の行動を決めたりしないのだ!という内容の記事が以下の記事です。

(2) 複数の転職エージェントから情報を得る

転職エージェントに社内カルチャーはなかなかわかりません。しかし、われわれよりは接点があります。

1人の転職エージェントに聞くだけではたりません。

複数のエージェントに聞きましょう。

転職エージェントは複数を掛け持ち利用しないと損をするのです。

私は、数人の信用できる転職エージェントにたまに相談しています。これは大変助かります。

転職のときは慎重に。応募先がよい企業と盲信してはいけません。 

本記事では、「中途入社が日系大企業で出世できると思うな」と題して日本の大企業へ転職を考えている人の参考になるようにしてみました。

大企業のメリットも要約して記載しましたので、ぜひ転職活動に活用してください。

ミドルクラス以上になって年収アップを狙うなら、大企業のヒラよりも規模をやや落とした会社のハイポジションや外資系を考慮に入れるべきです。

法務転職のおすすめエージェントは以下をご覧ください。

転職中途採用組は日系大企業で出世できない

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