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大企業の無能社員はなぜ偉そうなのか | 大企業病に罹って傲慢になる

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大企業無能サラリーマンの傲慢 | なぜ気づかないのか

 

大企業には、その企業の肩書だけにすがり、何もスキルがないのにそれを認識せずに自分を有能と信じる傲慢社員がたくさんいます。

 

私は法務部に所属していましたが、私の見たところ、人事部や知財部、経理部等の管理部門はどこも同じような停滞感ある人物の掃きだめ的な場所になっていました。

 

また、事業部門だからといって例外ではありません。

 

(2020年10月18日改訂)

 

 

1 大企業では何もしなくても給料がもらえる

企業(特に大企業)の長所は、安定性、つまり「何もしなくても給料がもらえる」点です。

多くの社員は、事務作業だけしていれば問題ありません。

何も生み出さない仕事が奨励されているといっても過言ではありません。

そんなわけで不要社員が溢れているわけです。

 

それでも大企業の肩書を使って威張れるので、ものは使いようです。 

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2 大企業社員と専門性 

法律事務所で働いている時は、大企業の法務部は最先端のその企業に特化したビジネス法務を扱う専門家集団なんだろう、と尊敬の念を持っていました。

 

しかし、大企業の法務部に転職して、その尊敬の念はなくなりました。

 

そこの企業法務部員は専門知識が極めて乏しいのです。民法もほぼわかっていません(※民法の知識は法律でとても大事です)。

 

大学の法学部にいただけで、新卒で法務部に入ってそれから勉強もしていないので当然の結果です。

 

10年選手となっている30代以上の社員はどうか。

 

勉強していないので専門知識の乏しさは変わりません。
 

わからないことがあれば調べるのではなく、会社の金で外部弁護士に聞くだけです。

 

専門知識がないのですが、所属部門は「法務部」といういかにも法務に特化した感じの部署です。

 

他部署からはスペシャリストと目され、自分達もそう信じています。「この分野だけしかやっていないからスペシャリストだろう」と。

 

しかし、やっている仕事は、社内・部内の調整、不要な資料の作成、なんとなくたくさんの人で出るたくさんある長時間の会議等々要するに生産性のない作業です。

 

「法務部」所属という肩書きがあり、その分野だけを担当しているから、実際にやっている作業の中身がどうなのかは気にせず自分が専門家だと信じているわけです。

専門化は単に、違う人が違うことをしている―そして、二人の人が同じ時間に同じ場所で同じことを行なうのは物理的に不可能であるため二人の人はつねに違うことをしている―ことを意味するにすぎない。

(ハーバート・A・サイモン『新版 経営行動―経営組織における意思決定過程の研究』(ダイヤモンド社、2009年7月)45ページ)

サイモンが指摘したことがまさに当てはまっています。

ハーバート・サイモンは、同書の紹介によれば、「哲学、心理学、社会学、行政学、経済学、経営学、コンピュータ科学、認知科学などさまざまな分野で輝かしい業績を残した国際的社会科学者であり、世界最高の権威」であり、『経営行動』は、「ノーベル経済学賞に輝く経営組織研究の金字塔」です。

そのサイモンの指摘を受けると、大企業の中身のない「専門」の実態は、違う部署が違うことをやっているだけです。

 

それで専門家だと勘違いをして作業をしているだけで給料をもらえるのが驚きです。 

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さらに驚きなのが、「自分達は優秀で、いい仕事をしている」という気位の高さです。自分の客観的な仕事と主観的評価の差が大きく、非常に傲慢です。

 

3 無能な人ほど自分を高く評価する勘違い(ダニング・クルーガー効果)

前記で、無能で何もやっていない人達が、自分たちは優秀だと思い込んでいると説明しました。

これは、人の心理の錯覚です。 

パフォーマンスが低い人ほど、自らのスキルを過大評価する

(スティーブ・スローマン=フィリップ・ファーンバック『知ってるつもり――無知の科学』(早川書房、2018年4月)278ページ)

 

ダニングさんとクルーガーさんという学者が、被験者に作業をさせ、それから自分はどれだけうまくやれたかを評価させるという実験を実施した。

その結果、パフォーマンスが低い人ほど、自らの成果を過大評価していたが、他方でパフォーマンスが高い人は、自分の成果を過小評価するケースが多かったという結果が得られているということです。

これが「ダニング・クルーガー効果」という認知バイアスです。

 

これは実験室の中だけでなく、学校、職場、病院など現実世界でもさまざまな場面で確認されているそうです。

 

私がいた大企業はまさにダニング・クルーガー効果の生きた事例をたくさん見ることができる職場でした。

 

なぜこんな認知バイアスが働くのか。

なぜ大企業で大してやることがなく、スキルの乏しい社員が自分が有能だと勘違いするのか。

ダニングはこの認知バイアスの原因について、膨大なエビデンスを集めた。スキルのない人は自らにどんなスキルが足りないかという知識もない。だから自分はかなりスキルがあると思い込むのだ、と。一方、スキルがある人には、その分野の全体像が見えやすい。だから自分はこのスキルは伸ばす余地がある、というのがわかる。

(スティーブ・スローマン=フィリップ・ファーンバック『知ってるつもり――無知の科学』(早川書房、2018年4月)278ページ)

大企業でダニング・クルーガー効果が働くのは、井の中の蛙であり、知識が足りず、限られた知識・世界の中で自分を評価するため、自分がデキるビジネスパーソンだと信じ込むに至るのです。

スキルのない人は、自分が何を知らないかを知らない。この事実が重要なのは、たいていの人は生活にかかわるほとんどの領域で、十分なスキルを持っていないためだ、とダニングは指摘する。

(同上)

 

 ▼勘違い傲慢社員にならないようにするためには知識習得が必要

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4 仕事中に「自分の給料が安い」と愚痴り始めた大企業ボンクラ会社員の実例

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ある会社の社員が仕事中にこう言いました。

 

「自分の給料を見てドン引きしました」

 

それを聞いて私はこう思いました。

 

「ああそうか。何もやってない自分がこんなに高い給料もらっていいのか、ということか。自分の仕事の割にたくさんもらって申し訳ないという自覚はあるんだ」

 

意外に謙虚な奴じゃないか。

 

そこですかさず、他の同僚が聞きます。

 

「何でそんなドン引きしてるの?」

 

それに対しての答えがこちら。

 

「(自分の給料が)安すぎて引いた」

 

(そっちか・・・!)

 

さすがです。

 

この方の傲慢さ、「私はやっている」感の出し方は、見ている者を疲弊させてくれます。

 

給料の高い企業に転職するとか何とかおっしゃっておられるところを聞くと、「私は他社ならもっと高評価で高い給料を得られてしかるべきだ」との思想をお持ちのようです。

 

仕事はできないが、自分はもっと高い給料もらって当然と思っているわけです。

  

仕事中にまわりが静かに仕事しているさなかに大きな声で「私の給料が安い」としゃべる神経もかなりのものです。

 

会社員で自分の給料に不満を持っている人は多いと思います。

 

しかし、大企業の法務部等の管理部門の社員の場合、働きに応じた給料になっていない、もらいすぎな人が多い気がしています。

 

それだけぬるま湯ということです。ぬるま湯狙いの人は安定企業の法務部はいいですよ。

 

激務の職場から転職してきてのんびり仕事している人もけっこういます。

 

かくいう私も、傲慢同僚と同様の給与体系の給料をもらっているため、自分の業務内容に照らすと給料は高いような気がしていました。

 

この業務遂行にそんな価値あるのかな、という心配です。

 

そんなとき、こうしたスーパー傲慢社員を見て、反面教師にしよう、こうならないように謙虚にスキルを身につけるようにしようと自分を励ましています。会社の奴隷になった方がいいとは思わないのですが、低能な人がブーブー言っている姿は醜いです。

 

無視すればいいんですが、どうもイライラしてしまいます。 

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5 無能で傲慢なサラリーマンにならないようにするには

よほど運がよくない限り、大企業でなんとなく20年働いてきた人に「深い専門性」は身についていない。それでいてプライドは高く、小さな会社で働くことを内心では見下している

 (北野唯我『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(ダイヤモンド社、2018年)17ページ)

あなたが他社の採用担当者、社長であれば、こうした無能で傲慢な社員が転職面接にやってきたら採用したいと思いますか?

 

昔の人も無能傲慢で給料をもらう人の問題点を指摘しています。 

作家のアプトン・シンクレアは100年も前に、

本当はわかっていないのにそこから収入を得ている人に、自分はわかっていないということを理解させるのは困難だ

と述べている(バートン・マルキール=チャールズ・エリス『投資の大原則』(日本経済新聞出版社、2018年)61ページ)。

  

よい職場で価値を発揮して対価となる給料をもらって働くというのは大変なことであり、かつ幸せなことなのです。

 

その大変さや恵まれた環境を無視するのはけしからんことです。 

 

本記事で紹介したようなダメ社員にならないには、そのような職場にはあまり近づかないようにすることです。私は働いたことがあるのですが、そのぬるま湯に危険を感じて辞めて転職しました。

正しい判断でした。 

 

少しでも「この会社の人達おかしくない?」と違和感を感じたら、違和感を感じるうちに転職を検討すべきです。違和感がなくなるのはおそろしい。

直ちに辞めることが正解とは限りませんが、他にも会社員として生きる道はあると知るべきです。

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