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転職活動のやる気が出ない時に効く心理学的処方箋

転職活動のやる気を出す

転職するにはやるべきことがあるが、やる気が出ない時にどうしたらいいのか

今の職場はもう嫌だ。転職する。

そう心に決めたのに、転職活動が億劫でしょうがない。

  • 転職するにはそもそも何から始めたらいいのか。
  • 履歴書?職務経歴書?何か書けばいいの?そんな自慢できることやってない。
  • 自己研究や企業研究もやった方がよさそうだが。。
  • 面接行くのか。かったるいな。

転職活動はけっこう大変です。 

www.career-rule.com

 

それゆえ「やる気が出ない…」という事態に陥りがちです。

しかも、まだ何もやってない状態ですでに「面倒くさそうだなあ」と後ろ向きにも思えてきたりします。

 

転職活動のやる気が出ない、という自分を動かしてよい転職活動をするにはどうしたらいいのか。

 

本記事では、「やる気が出ない」を以下3パターンに分けて対応策を説明します。

 

  1. 転職活動をしてもどうせうまくいかないから、と失敗を恐れて先延ばしにしている「やる気なし」の場合
  2. 転職活動のために動く気分にならないから、と気が向かないという理由での「やる気なし」の場合
  3. 転職活動は辛くて擦り減りそうだから、とダメージを受けるのを恐れるせいで「やる気なし」の場合

 

本記事は、ハイディ・グラントのハーバード・ビジネス・レビュー寄稿記事「どうしてもやる気が出ないとき、自分を動かす3つの方法」をベースに、転職活動では具体的にやる気のなさにどう対応すべきかを書きました。

www.dhbr.net

 

当該記事は、仕事や勉強のやる気が出ない時にも使えると思いますので、おすすめです。

 

 

1 転職失敗を恐れてやる気が出ない時のやる気の出し方

「転職活動したってどうせいい会社から内定をもらえないよ」という暗い未来を想像して全くやる気が出ない時はどうしたらいいのか。

 

処方箋①:転職活動をしなかった場合の悲惨な将来を思い浮かべる

 

このタイプのやる気が出ない場合は、「転職したら明るい未来は待っているぞ」とポジティブに自分を奮い立たせるのはあまり効果的ではありません。

逆です。ネガティブな将来を思い浮かべて自分に警告を発するのです。

失敗への不安を乗り越えるためには、何もしなかった場合の悲惨な結末について真剣に考える以外によい方法はない

ーハイディ・グラント「どうしてもやる気が出ないとき、自分を動かす3つの方法

 

(1) 動かない場合の悲惨な結末を考えるのが効果的な理由

なぜ悲惨な結末を考えることがやる気を出すことにつながるのでしょうか。

損失を防ぐことに焦点を合わせると、危険を避けるにはただちに行動するしかないことが明らかになる。不安が大きいほど、危険から一刻も早く逃れようとする(同上)。

損失は、人にとってはなんとしても避けたいものです。

損失をどうしても回避したいという人の思いは、危機回避のための行動を促進するのです。

非常に効果がある。

何十年にもわたる研究の結果、うまくいかないことへの不安は実際に予防の動機を高めることが示されている(同上)。

 

(2) ポジティブなご褒美を自分に与えてやる気を出す作戦はこのタイプには効かない理由

「転職活動やる気出ない。。」

こう思って二の足を踏んでいる場合、「転職すればいいことがある!」と自分で考えようとしたり、知人がこう励ましてくれたりするかもしれません。

しかし、「失敗したらどうしよう」と思ってやる気をなくしている場合に、このポジティブ面を重視した働きかけは効果が薄い。

 

なぜか。

「失敗したらどうしよう」と思っているときに、将来のより良い状態を指し示してもそれがうまく受け入れられないからです。

 

「転職活動してもいい職場の内定なんか出っこない」と不安になっている状態で、「大丈夫!きっといい転職先が見つかる!」と励ましても、あまり効果がないということです。

不安や疑念があると促進焦点(*成功や達成によって何かを獲得することに焦点を合わせること)がうまく働かなくなり、結局は何の行動も起こせない場合が多いのだ。

 

この失敗懸念型やる気出ない状態にある人には、「いいことがあるぞ!」とエサをちらつかせてもダメです。

  • 「そのままだともっとひどいことになるぞ」
  • 「今は何が不満か?将来はその不満は収まるのか、ひどくなるのか?ひどくなったらどんな目に遭うのか」

このように脅しを効かせる方が効果的。

 

あなたに必要なのは、不安がマイナスに作用しない考え方――むしろ不安によって効果が高まるような考え方だ。向上や成功ではなく「予防」に焦点を合わせる時、人は活動の目的を「すでに手に入れたものを失わない」こと――つまり損失を防ぐことと見なす。

さあ、そのひどい光景を想像して縮み上がろう。怖いけれど、効き目はある(同上)。

 

ブラック企業ややたらきつい職場にいる人は、この自分への脅しが麻痺している危険性があるので、転職をもっと真面目に考えた方がいい。 

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2 転職活動の気が乗らずやる気が出ない時のやる気の出し方

転職活動やってみた方が良さそうなのは頭で理解してるんだけど、どうも気が乗らない。

そんな時にはどうやる気を出すべきか。

 

処方箋②:自分の気分は無視する

 

要は、「自分の重要な行動を決める際に、気分に発言権を与えるな!」ということです。

転職活動をするかどうかを決める際に、自分の頭の中での最高意思決定会議に、「気分」を出席させてはならないということです。

 

(1) 優れた行動にはモチベーションや気分の高揚が必要というのは幻想だ

  • 気分が乗らなければ優れた結果は出せない。
  • 行動にはモチベーションが必要だ。

 

このような「いかにもそれらしい思い込み」について、ハイディ・グラントは「100%間違い」と指摘しています。

ちょっと考えてみてほしい。私たちはいつの間にか、無意識のうちに、こんな考えを抱いてしまっている――「モチベーションを高めて優れたパフォーマンスを上げるには、その行動をしたいという気分になる必要がある」。情熱的に取り組むべし、というわけだ。なぜ私たちがそう考えるようになったのか、まるで見当がつかない。それは100%間違いだからだ。

 

人は、自分を甘やかしてくれるいかにもそれらしいアイデアが大好きです。

「直感が大事」とか。 

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優れたパフォーマンスには、十分なモチベーションが必要だ。気分が乗らないとよい結果は生まれない。

これも根拠のない思い込み、というわけです。

 

たしかに、転職活動にあまり気分が必要な行動はありません。

インスピレーションが天から降ってくるのを待つような作業は求められないのが転職活動といえるでしょう。

たしかに、ある程度は決意を持って臨む必要はある。「プロジェクトの完成を見届けたい」「もっと健康になりたい」「1日を早くに始めたい」などの気持ちだ。しかし何も、「気分が乗る」必要はないのだ。

 

(2) インスピレーションが必要なのはアマチュア。プロはただやるのみ

「インスピレーションが必要なのはアマチュアです。私たちプロは、ただ仕事場に行って仕事をするだけです」
ーチャック・クローズ

 

著名芸術家であるチャック・クローズはこのように語っているそうです。

芸術家は、インスピレーションが必要そうですが、そうではないそうです。

数多くの作品群や実績を残しているアーティストや作家、イノベーターは、仕事をルーチン化している。どんなに気分が乗らなくても(たとえ二日酔いでも)、毎日何時間かを必ず作業に当てるよう自分に課しているのだ(同上)。

 

クリエイティブな仕事をしているプロフェッショナルですら、気分やモチベーションよりも習慣化を自分に課しているというのは興味深い指摘です。

 

転職活動のプロはいないはずですが、転職活動でよりよい成果をあげたいのであれば、「プロ」の思考を備えるべきです。

 

気分が乗らないという理由で、座ったまま何かを先延ばしにしているなら、こう思ってほしい。気分など必要ない、あなたを止めるものは何もないのだ(同上)。

 

転職活動をする気分が乗らないと思ったら。

転職活動に気分は必要ない、と自分に言い聞かせましょう。

 

3 転職活動が辛そうでやる気が出ない時のやる気の出し方

「転職活動したらすごい大変で疲れるんだろうな。。しかも全然面白くなさそう。そう思うとやる気出ないなあ」と思った場合には、どうやる気を出したらいいのか。

 

処方箋③:「何を」「いつ」「どこで」するか具体的に計画を立てる 

 

転職活動でいいのは、転職エージェントに登録して、担当者との面談を「いつ」「どこで」するかを決定することです。

それまでに、履歴書・職務経歴書を用意することになります。

出来が悪くても大丈夫。後で修正する時間はあります。まずは実行することです。

 

つまらなさそうとか疲れそうとか考えて「いつかやろう」と思ってると実行するやる気が出てきません。

 

将来何するかを具体的に決めるのです。 

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(1) 人の意志力は弱すぎる

この「やらなければならないが、やるのは不快だ」というタイプのやる気が出ない症候群に対処するための多くの人が使う策はこれです。

「がんばるぞ!」

 

私たちは往々にして問題を意志力だけで解決しようとする。「この次こそ、頑張ってもっと早めに始めよう」というように(同上)。

 

このような自分の意志に頼る作戦は、長年にわたって無数の人が採用してきましたが、膨大な失敗例が積みあがっているはずです。

思い起こせば、自分でも「やりたくないけどやらねば。がんばってやるぞ」と思いながらも結局行動に移さなかったことは数えきれないくらいある。

 

この意志に頼る作戦は、初めから失敗に終わっています。

もしその意志力を持っているのなら、そもそも先延ばしになどしていない。

頑張る意志力があるなら、最初に頑張って先延ばしにするのを防いでいるはずです。

 

では、なぜ人は自分の意志力だけでなんとかしようとするのでしょうか。

研究によれば、人間はしばしば自己コントロール力を過大評価し、災難を避けるために意志の力に頼りすぎる場合が多い。

 

人は、「自分は頑張ればできる」と過剰な自信を持つようです。

そして失敗する。

がんばろうと思っても転職活動ははかどりません。

 

自分をもっと寛大に受け止め、意志力には限界があるという事実を受け入れよう。難しいことや退屈なこと、不愉快なことを実行に移すという難題に、意志の力で立ち向かえるとは限らないことを理解するのだ。

 

そんな強固な意志力が自分にあると期待してはいけません。

「もっとがんばらないと!」と思っている時点で、すでに意志力のなさが表れています。

完全な意志力がある人なら、自分の疲れ等があっても常に最善の行動を取るはずで、「頑張ろう」と思うことなんかはいはずです。

そんなスーパーヒューマンはそうそう見かけることはないでしょう。

 

(2) 意志力の弱い人は「計画」でそれを補う

計画があれば、意志力を消耗させずにすみます。

条件付けによる計画は、意志力にかかる負担を大幅に減らしてくれる。決断の時がやってくるずっと前に、適切な判断がすでになされているからだ。

 

予め転職エージェントと面談すると決めておけば、面談当日にやる気がどうのこうのと考える必要がなくなるというわけです。

やるべきことを厳密に、いつ、どこでするのかを前もって決めておけば、その時になってあれこれ迷う必要がなくなる。「本当にこれをいましなくてはならないのか」「もう少し待ってもいいんじゃないか」「別のことをやったほうがいいかも」などと逡巡しないで済む。私たちが迷うのは、難しい判断をするために意志力が必要になった時である。

 

都度「決定」をするのは、人には大変なのです。

予め計画をしておいて、将来の自分がするべき決定を減らしましょう。

それによって意志力の消耗が減ります。

 

*****

 

本記事は、「転職活動のやる気が出ない時に効く心理学的処方箋」と題してコロンビア大学の社会心理学者ハイディ・グラントの論文を基にした転職活動時のやる気の出し方を紹介しました。

 

「とりあえずこうすればやる気なんて出る!」というざくっとしたものではなく、3つのタイプ別で理由付けのある内容で信頼性の高い内容だと思います。

  1. 何もしなかった場合の悲惨な結末を考える
  2. 気分や感情を無視する
  3. 厳密に計画する

 

これらの処方箋は、あまり楽しいアドバイスではありません。

しかし、現実的なアドバイスです。よくあるやる気の出し方よりも効果的と思えます。

なぜなら自分自身「やらなきゃ!」「頑張らないと!」と励ましても、どうしたってやる気が出なかったことは嫌というほどわかっているからです。

いずれも、「自分の情熱に従おう!」「いつもポジティブに!」といったアドバイスに比べると地味で、面白味に欠ける。しかし、どれも実際に有効であるという明白なメリットがある。

 

もちろんこれらの処方箋に従う必要はありません。

どのような態度で転職活動に臨むかは、その人のキャラクター次第です。

「明るい未来を思い浮かべ」「自分の感情を重視し」「気分がいい時に動く」というやり方でダメとは思えません。

納得のいく行動がよいでしょう。

 

それでもやる気が出ないときは、本記事のタイプ別対処法を試してみてください。

これらの作戦を活かせば、あなた自身も有能な人物になれるに違いない。

 

 

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