採用活動で応募者のSNSをチェックすべきか

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採用担当者になったら、応募者の名前をググって調べたくなる。

ではその応募者のSNSは見るべきなのか?

LinkedinはビジネスSNSなので、採用者に見られることを前提に書かれているからまだいい。

しかし、私生活に関するFacebookや、わかるならTwitterはどうなのか?

職務経歴書や面接でわからない面が見れて有用な情報になるのではないか。

結論から言うと、見ないほうがいい。

SNS上の情報は、その人の仕事上の能力を評価するものではなく、仕事の有能さを評価する上で評価者の判断を大きくゆがめてしまう可能性がある危険な毒性のある情報です。

目次

1 SNSを調べてもその人のことはわからない

書類や面接で出てこない面を見れば、その求職者の能力判断に役に立つのではないか?

それは勝手な個人の思い込みで、実際には役に立たないようです。

オンライン活動を調べることで得るものは少ない

採用選考でソーシャルメディアを調べるのはやめよう | 『ハーバード・ビジネス・レビュー』/編 | [“2021年12”]月号(1/1)|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー (dhbr.net)

調査によるとSNSを調べても大して有益な情報は得られないということです。

ソーシャルメディアに直接関係する仕事でない限り、ソーシャルメディアの情報が特に仕事のパフォーマンスを予測することを示す質の高い研究はありません。非常に大規模なデータを使っ力を示した研究もありますが、実際にはほとんど役に立ちません。

(“We have not seen any high-quality research showing that social media information is particularly predictive of job performance, unless the job is directly related to social media. Some studies show a small predictive power when running regressions over a very large set of data, but in practice that’s rarely helpful. “)

Atta Tarki, CEO of the recruiting firm ECA Partners (Stop Screening Job Candidates’ Social Media (hbr.org))、(採用選考でソーシャルメディアを調べるのはやめよう | 『ハーバード・ビジネス・レビュー』/編 | [“2021年12”]月号(1/1)|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー (dhbr.net)

転職時の採用面接に意味はない | 面談で人は見抜けないでは、面接外の情報、その人がどのような行動を取ったかを重視すべきと書きました。

ツイッターやインスタグラムに表れるのは、その人の仕事中の環境における言動ではないためあまり参考にならないのです。

2 SNS情報を過大視し、重要情報を過小評価してしまうー希釈効果

SNS上で応募者の情報を手に入れた。

情報量は増える。

応募書類+面接

これだけが手がかりの情報だと思っていたら、SNS情報が手に入った。

応募書類+面接+SNS

これはプラスなのか。

プラスにはならず、評価においてはよくない情報になりえます。

どうでもいい情報が増えることで、重要な情報の比重が落ちるのです。

情報量は、パーセントで表せば、マックスは100%です。

応募書類40%+面接60% 合計100%

上のような感じの情報割合で評価しようとしていた。

そんなさなか、SNS情報をつい見てしまった。

そうすると、その応募者についての情報割合はこうなる。↓

応募書類32%+面接48%+SNS20% 合計100%

SNS20%という余計な情報が入ってきたことで、応募書類と面接の比率が下がってしまった。

価値の低いSNSに20%も判断資源を割り当ててしまったことが原因です。

上級職を一人、あるいは十数人採用する場合、ソーシャルメディアを 評価に持ち込むと、利よりも害となるおそれがあります。 その一因は学術的に 「希釈効果」と呼ばれるもので、利用できても原因分析に役立たない情報は、質の高い情報の影響力を弱める傾向があるのです。

(if you are hiring for one senior role or even a dozen, bringing social media into your assessment is likely to do more harm than good. That’s in part because of what academics call the dilution effect: the tendency of available but nondiagnostic information to weaken the impact of quality information.)

Atta Tarki, CEO of the recruiting firm ECA Partners (Stop Screening Job Candidates’ Social Media (hbr.org)) (採用選考でソーシャルメディアを調べるのはやめよう | 『ハーバード・ビジネス・レビュー』/編 | [“2021年12”]月号(1/1)|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー (dhbr.net)

自分が応募者を判断するための、応募者の情報がおかずとしてはいっている「応募者弁当」に、SNS情報を混入させるのはよくありません。

ジャンクフード好きが、ハンバーガー、ポテト、コーラの3点セットでうれしいメニューのなかに野菜スティックなんか入れられてもうれしくありません。

また、人は「見たものがすべて」で判断しますので、その中に重要度の低いSNS情報を含めるのは得策ではありません。

(人は)「見たものがすべて」なので、自分の知らないことはないものとし、簡単に自信過剰になってしまう

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー 下』(早川書房、2012年11月)16ページ

3 SNS情報に触れると自動的にバイアスがかかって評価の目が曇る

採用面接で見るべきは、仕事環境において応募者がどのような行動を取ったかです。

SNSでは、仕事環境ではなく私生活での環境での行動が語られることが多く、評価の参考になりません。

「でもSNSを見れば、その人がどんな人かわかるのでは」という疑問があるかもしれません。

SNSでその人の人柄がわかって役に立つ、というのは典型的な誤りです。

人の行動は、その人がどんな人かどうかではなく、その行動を取った際の外的要因が大きな理由になります。

SNSという限られた情報からその人が「こんな人なんだ!」と判断し、その人柄から行動を予測してしまうのは、「根本的帰属の誤り」と言われるバイアスによるものです。

文脈や状況の重要性を認識できないことと、その結果、個人の気質の役割を過大評価することは、私たちが犯す誤りのなかで最もよく起こる、必然的な推測の誤りであると私は考える。社会心理学者のリー・ロスは、これを根本的な帰属の誤りと名づけた。

リチャード・E・ニスベット『世界で最も美しい問題解決法 賢く生きるための行動経済学、正しく判断するための統計学』(青土社、2018年1月)52ページ

SNS情報を見れば、ついその応募者の人柄や性格といった気質について勝手な推測をしてしまいます。

これは不可避です。

自然とその人の評価をしてしまいます。

バイアスを避けるには善意だけでは不十分です。人は自分に似た人に惹かれる傾向があります。採用マネジャーにソーシャルメディアのプロフィールを調べさせれば、必ずバイアスが生じます。たとえば、菜食主義者の採用マネジャーが候補者のプロフィールに狩猟の写真を見つけたら、当然、その候補者に対する感情的なつながりに影響するのです。

(Good intentions are not enough to avoid bias. People tend to be attracted to those who are like them. If you let hiring managers screen social media profiles, it will absolutely result in bias. For example, if a hiring manager who’s a vegan finds photos of hunting on a candidate’s profile, of course that will influence his emotional connection to the candidate.)

Atta Tarki, CEO of the recruiting firm ECA Partners (Stop Screening Job Candidates’ Social Media (hbr.org)) (採用選考でソーシャルメディアを調べるのはやめよう | 『ハーバード・ビジネス・レビュー』/編 | [“2021年12”]月号(1/1)|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー (dhbr.net)

バイアスが恐ろしいのは、自分が歪んだ認知をしていることに気づかないことです。

色眼鏡をかけていても、自分では色のついた世界を見ていることに気づかない。

青い眼鏡をかけていて、それに気づかずに周りを見ていたら、「今日はいつもより空が青いなあ。あまりに青くて雲も心なしか青みがかってるぞ」と見えてくるのです。

そしてさらに恐ろしいのは、バイアスがかかっているのを自覚しても、そのバイアスには抗えないのです。

SEを採用しようとしている。

応募者は「小太りで、体育大学出身」と聞いた。

太っているか痩せているか、体育大学出身かどうかはSEの仕事には関係ない事情ですが、先入観をどうしても持ってしまいます。

4 求職者は自分のSNSをクリーンにして転職活動をすべき

転職活動をする人は、自分のSNSが見られるものだと思って備えておく必要があります。

SNSを見ようとする採用担当者は必ずいます。

「これは良い情報だ」と思う人もいます。

求職者は、自分にとってマイナスとなる情報を与えるのは避けたい。

マイナスを避けるだけでなく、SNSを有利に活用できないか?

採用担当者がバイアスを持つ利用して自分の印象を良くすることはできます。

たとえば、自分が採用担当者と共通点があることをSNS上で装えばいいのです。

もし採用担当者が香川県出身だったとわかったとしたら、「自分も香川県出身」というとか「こないだ香川県に旅行に行ってきた」などとSNS上でそれとなく、採用担当者と共通する点をさりげなく書いておくべき。

共通点があるのは超プラス。

SNSが見られるものと想定される場合、どんなことをSNS上に書いておくべきか?

転職面接に受かるアピール方法 | ハーバード流面接突破術で書いたようなアピールポイントに沿った事実を書いておくべきです。

同記事でポイントとした【転職面接で応募者が面接官に伝えるべきこと・要約】は以下の通りです。

(i) 人間的な温かみを示す

  • 相手に関心を払う
  • 共感を示す
  • 自分が先に相手を信用する

(ii) 有能であることを示す

  • 意志の力があることを示す
  • 自信過剰に陥らずに謙虚さを示す
  • 潜在的な可能性を強調する

(iii) 温かみと有能さは相反する。道徳性を伝える

採用担当者がSNSを見るという若干グレーな方法を取ってくる以上、応募者もそれに対抗するしかない。

SNS上で採用担当者に気に入られるよう武装するのです。

SNSを見られるか、見られた場合の採否への影響はどうかを真面目に考えて備える求職者は少ないはずです。

少ないからこそしっかり備えれば差がつきます。

以下記事をよく読んでよいSNS上アピールになるSNSに仕上げておきましょう。

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