食べる物に気を付ける。
これが誰でも簡単にできるがあまりされていない面接突破確率アップの秘訣です。
面接の合否に食べ物が影響する。
そんなことがあるのか?
あります。野菜はプラス。避けるべきものはアルコールです。
本記事ではこれら食べ物がどうして面接の合否に関わるのか解説します。
食べ物は面接の合格への寄与度が小さいかもしれません。
しかし、本当に小さいかどうかはわかりません。測定できないだけで効果があるかもしれません。
また、寄与度が小さいとしても他の面接突破心理テクニックと合わせることで効果は増幅します。
本ブログで紹介する面接突破テクニックを駆使する求職者は少ないと思いますので、本ブログを読んで実践すればライバルの求職者よりも優位に立てます。
1 食べ物が面接の合否に影響する理由
食べ物が面接の合否に影響する理由を説明します。
(1) 面接官の心理から逆算する
ビタミンとか食べ物っぽい話から始めるのではなく、面接のゴールから逆算します。
面接にはどうしたら合格できるのか?
面接官に「よし、採用!」と決定してもらえれば合格です。
ほとんどの面接官は、主観で決めています。
綿密に客観的な分析をしているわけではありません。
面接という短い場で会うだけで人の仕事の将来のパフォーマンスを予想してその人を評価するなんておよそできるはずもない難仕事です。
しかし、採用担当者は自分はそれができると過信しています。
このような自信過剰の面接官に採用を決定してもらうというのが「採用面接」です。
合格確率が高い面接への臨み方の姿勢は、「自分の良いところを売り込む」ではありません。そんな自己中心的な発想では確率は低い。
相手のこと、すなわち面接官から考えるべきなのです。
(2) 見た目が面接官に大きく影響する【ハロー効果】
面接官攻略において、求職者の見た目、顔は極めて重要です。
このことは過去数記事で力説してきました。
見た目がよいだけで合格するわけではありません。
求職者の見た目がよいと面接官に思ってもらうと、それがテコになって、面接官にはその求職者の言動が好ましいものに感じられ、結果としてその求職者は面接官に高く評価されます。
これはハロー効果(Halo Effect)が作用しているからです。
ハロー効果というのは、ある人が望ましい特徴を一つもっていることによって、その人に対する他者の見方が大きく影響を受けることを言います。
ロバート・B・チャルディーニ『影響力の武器[第3版]―なぜ、人は動かされるのか』(誠信書房、2014年7月)276ページ
求職者が外見という望ましい特徴を持っていることによって、その求職者に対する面接官の見方が大きく影響を受けるのです。
「かわいいから許す」
「ただしイケメンに限る」
上記のような古くからある外見に基づく判断には心理的理由があります。
身体的魅力がしばしばそのような効果をもたらすことは、今や多くの証拠から明らかになっています。これまでの研究によると、私たちには、外見のいい人は才能、親切心、誠実さ、知性といった望ましい特徴をもっていると自動的に考えてしまう傾向があります。
同上
ハロー効果が働いて、見た目がいい人を高く評価してしまうのは、「自動的」に発動します。
面接官は気づいていなくても、知らぬ間に自動的に見た目の影響を受けた判断をするのです。
面接官だって人間だもの。
これは当然採用面接で炸裂する面接官の心理です。
同様の効果は、人事採用の場面でも認められています。模擬面接場面を用いて行われた研究では、必要な資格よりも応募者の身だしなみのよさの方が、決定に大きな影響を及ぼしていましたが、面接官自身は、外見はほとんど決定に影響しなかったと考えていました。
同上・277ページ
ほとんどの面接官は、強烈なハロー効果の影響を受けるとも知らずに無防備に面接に臨み、自分の勝手な思い込みに従っていいかげんな判断をしています。
Twitter上で採用担当者の自分勝手な思い込みはしばしば炎上しますが、炎上していない自分勝手な採用基準は日々量産されています。上記のツイートもその1つです。
「採用責任者」と名乗る人自らが自分が好きな容姿の人を高く評価すると認めています。
また、「身だしなみがしっかりしている人は仕事もできます」と言っていることから、上述した「●●●効果」にとらわれて判断しており、そのことを全く認識していないことも明らかです。
「●●●効果」とは何かわかりましたか?
「ハロー効果」のことです。
(3) 食べ物が見た目に影響する
見た目がよければ、第一印象が良くなる。
第一印象が良いと、その人の言動は高く評価されるようになる。
では、食べ物はどう見た目に影響するのでしょうか。
見た目のうち、「目」の重要性は過去記事で重点的に説明しています。
目以外でよく見られる部分、それは「肌」です。
食べ物が肌に影響し、その肌が見られることで印象に影響します。
本当に食事が肌に影響するのでしょうか。
食生活は確実に皮膚に表れる
モンティ・ライマン『皮膚、人間のすべてを語る 万能の臓器と巡る10章』(みすず書房、2022年5月)67ページ
「米英で大好評を得た2019年《英国王立協会科学図書賞》最終候補作」という上記書籍にこのとおり書かれています。著者はオックスフォード大学医学部の皮膚科医で、皮膚に対する幅広く深い知識のみならず熱い思いも書かれていて大変面白い本です。
食べ物は肌に影響する。それも「確実」に。
では、食べ物の影響が肌に出るとして、それは本当に面接官に認識されるのか?
良い食べ物を食べて肌がほんの少し良くなっても面接官に気づかれなければ印象に影響はしないのではないか。
人間の認識力を甘く見てはいけません。
私たちは、たとえ言葉では表せないようなものであっても、他人の皮膚に現れたきわめて微妙な変化を驚くほどうまく読み取ることができる
モンティ・ライマン『皮膚、人間のすべてを語る 万能の臓器と巡る10章』(みすず書房、2022年5月)64ページ
人間は、他人の肌の状況をよく読み取ります。
なんでそんなよく読み取れるのかは、進化心理学が教えてくれます。
進化心理学は、性淘汰の考えをベースにしており、人は異性を「子孫を残せる能力を持つものか」を選別する目を持っていると考えています。
女性に男性の顔を見せて評価をしてもらう実験では、もとの肌色に関係なく、カロテノイドを含む食べ物によるオレンジがかった色つやは青白い肌や日焼けした肌よりも魅力的だとみなされた。いきいきとしたつやには、男らしい顔立ちを上回る魅力を生む効果さえあった。性的パートナーを見つけるときの理屈を考えれば、これはそれほど驚くようなことではないかもしれない。オレンジがかった肌は健康状態がよさそうで、免疫システムも強いと考えられるため、私たちはそういう外見に惹かれやすく、ともすると交尾に至るというわけだ。ひどい貧血で血の気がなかったり、酸素が十分に行き渡らず手足の先が青みを帯びたり、皮膚を見るだけで体調の変化がすぐにわかることもたまにはある。
同上
皮膚は、健康状態が外界に発現される全身を覆う人間最大の臓器なのです。人はつい他人の肌を見て、無意識のうちにその人の状況を把握しています。
肌の調子がよく、健康良好にあると認識されれば、それは高評価につながります。
無意識のうちに肌は見られています。
私たちは判断を下すとき、身体的魅力が果たしている役割を意識していません。「器量がよい=優秀」という無意識の過程が引き起こす結果のなかには、驚くべきものがいくつもあります。
ロバート・B・チャルディーニ『影響力の武器[第3版]―なぜ、人は動かされるのか』(誠信書房、2014年7月)276ページ
判断者である面接官は、自覚していませんが、相手の肌を認識して、知らぬ間にその身体的魅力を評価し、それがハロー効果によって増幅されているのです。
これが外見の威力、肌の重要性。
外見、容貌の威力は、権威ある経済学の教科書にも書かれています。
美しいことの経済的な便益は、どの程度一般的なのだろうか。労働経済学者ダニエル・ハマメシュとジェフ・ビドルは、 1994年12月に「アメリカン・エコノミック・レビュー』に掲載された論文でこの問いに答えようとした。 ハマメシュとビドルは、アメリカとカナダで行われた個人に関する(面接)調査のデータを分析した。この調査では、面接調査を行った人たちが回答者の容貌のよし悪しについても評価することを求められた。そこで、ハマメシュとビドルは、回答者の賃金が教育年数や経験年数などの標準的な決定要因によってどのくらい影響を受けるかだけでなく、容貌のよし悪しによってどのくらい影響を受けるかという分析も行った。
N・グレゴリー・マンキュー『マンキュー経済学I ミクロ編』(東洋経済新報社、第4版、2019年9月)595ページ
その結果、ハマメシュとビドルは、美しいことに対して報酬が支払われていることを発見した。具体的には、平均よりも魅力的とみなされた人々は、平均的な容貌の人よりも5%多く稼いでいた。さらに、平均的な容貌の人々は、平均以下の容貌の人よりも5%から10%多く稼いでいた。
2 面接突破率を高める食べ物
肌は面接突破のために大切。
そんな肌の状態を良くする食べ物は何か。
カラフルな野菜・果物がおすすめです。肌の輝きが増します。
- 人参
- トマト
- パプリカ
ニンジンやトマト、パプリカなど、カロテノイドを多く含むカラフルな野菜や果物を食べると、もれなくおまけがついてくる。肌の色つやがよくなるのだ。「健康的な」日焼け感を目指すなら、カロテノイド色素が豊富な食べ物を意識して摂るようにすると、肌の輝きにわずかだがはっきりとした違いが出てくる
モンティ・ライマン『皮膚、人間のすべてを語る 万能の臓器と巡る10章』(みすず書房、2022年5月)63ページ
サプリメントではダメです。
バランスの良い食事をとらないといけない。
DNAの二重らせん構造の共同発見者であるジェームズ・ワトソン教授は、アンチオキシダントを豊富に含むといわれる食品を大量に摂取することについて、いみじくもこう述べた。「ブルーベリーはおいしいから食べるものであって、がんにかかるのを予防するために食べるべきものではない」この指摘は、バランスのとれた食生活が皮膚の健康に明らかな好影響をもたらすことを理解した上で受け入れるべきだろう。野菜や果物をたくさん食べるのはよいことに違いないが、ある「スーパーフード」ばかり食べ続けても意味はないわけだ。
モンティ・ライマン『皮膚、人間のすべてを語る 万能の臓器と巡る10章』(みすず書房、2022年5月)64ページ
3 酒飲みは面接に受かりにくい
転職活動中は、カラフルな野菜・果物を中心としたバランスのよい食事を心がける。
これでライバルより優位に立てます。
さらに気をつけるべきは、飲酒です。
アルコールは肌にダメージを与える。
肌がダメージを受ければ、第一印象はより悪くなり、ポジティブなハロー効果が減ってしまい、面接突破率が下がります。
酒はそんなに肌に有害なのか?
有害です。
アルコールは、「水みたいなもの」といわれたりもするが、それほど皮膚に優しくない。皮膚の見た目や状態に及ぼす影響となると、ほとんどいつでも有害だ。
モンティ・ライマン『皮膚、人間のすべてを語る 万能の臓器と巡る10章』(みすず書房、2022年5月)68ページ
「ほとんどいつでも有害」。
5年、10年と飲んでいれば肌に悪影響が出るのもわかりますが、数か月の転職活動期間中や、面接のある週に飲むくらい影響がないのでは?
甘い。
アルコールのダメージはすぐに顔に現れます。
短期的なことでは、アルコールは皮膚から水分を奪うため、血色が悪くむくんだようになる。また、ほとんどのカクテルにたっぷり入っている糖分はニキビの引き金になるし、しわができるのを早める可能性さえある。さらに、アルコールの代謝で生成されるアセトアルデヒドは皮膚に炎症を起こし、ヒスタミンが放出されて血管が拡張する結果、顔に特徴的な赤みが現れる。
モンティ・ライマン『皮膚、人間のすべてを語る 万能の臓器と巡る10章』(みすず書房、2022年5月)68ページ
アルコールの影響で、肌から水分が奪われ、血色が悪くなり、むくみ、ニキビになりやすく、しわができるのを早め、皮膚に炎症が起きる。
こう見ると、酒を飲むとは顔に傷をつけるようなものですなあ。。
面接において顔は自分の売り込みのパンフレットの表紙のようなものですが、酒を飲んで面接に臨むのは、その表紙を汚すようなものといえます。
4 食事を整えるのが難しい人は宅食を使え
良い食事は面接突破確率アップに役に立ちます。
これを聞いて信じる人の中でこう思う人が多いはずです。
「それなら何を食べればいいのか?」
多くの人は特定のものをたくさん食べるともっと若々しくなれるという話を信じる
モンティ・ライマン『皮膚、人間のすべてを語る 万能の臓器と巡る10章』(みすず書房、2022年5月)70ページ
しかしすでに述べたように「これを食べれば効果抜群」「最高におすすめのサプリメントはこれです!」というものはありません。
どうしたらよいかと言えば、再度言うと、野菜中心のバランスのよい食事をとるしかありません。
無理なくバランスのよい食生活は健康な身体と皮膚の維持に役立つ。
同上
とはいえ、バランスのよい食事を日々取り続けるのはそんなに簡単なことではありません。
1人暮らしの人、共働きの人、様々な状況がありえますが、転職活動中の人はそれほど暇ではないはずです。料理をする時間があるとも限りませんし、料理が得意でないかもしれません。
それでも、面接の突破率は上げたい。
それであれば、転職活動中、現代社会のサービスである宅食を使いましょう。
定期的にバランスのよい食事を届けてもらう。
確実にバランスのよい食事がとれます。しかも時短にもなります。
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