聞き上手が転職面接を通過する | 傾聴力を身につけよ

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転職で採用面接が全然通らない?

自分がしゃべることばかり考えていないで、面接官に話をさせないといけません。

傾聴力があれば面接の突破力は必ず上がる!

私は外国人の英語面接でも「この面接官の英語わからない。。」「うまく説明できない」と大問題を抱えながらも、なんとか面接を通過したことが複数回あります。

心がけていたことは、面接官に気持ち良く話してもらうべく聞き上手になることです。

これは効果絶大。

目次

1 採用面接で聞く力がものを言う理由

採用面接はアピールする場ではないのか。だとしたら売り込む側の応募者は積極的に話さないといけないのでは。

アピールの場であるのはその通りです。しかしこの観点は、面接の決め手が抜け落ちています。

面接の合否を決めるのは面接官です。

面接に通るには、面接官のことを考えねばなりません。

自分が何をしゃべるかではなく、面接官がどう思うかを考えよということです。

(1) 面接官の立場から考えた合理的逆算

採用面接では聞き上手が勝ち組です。

なぜか?

面接官の気分が良くなって高く評価されるからです。

面接官の気分が良くなるとなぜ高く評価されるのか?

気分がよければ相手が良く見えるからです。

面接官が面接で応募者の能力や人柄を見抜くのはほぼ不可能です。

転職時の採用面接に意味はない | 面談で人は見抜けない | 転職キャリアルール (career-rule.com)

しかし、当の面接官はそうは思っていません。

自分なら相手を評価できるとうぬぼれています。

そんな自惚れ面接官の心を満たしてあげればいい。

自分が満たされれば目の前にいる応募者がいい人に見えてくる。

そうすれば、その応募者の能力も高く見えてくる。

なんでそうなるかと言えば、ハロー効果が働くからです。

ハロー効果とは、ある人が望ましい特徴を一つもっていることによって、その人に対する他者の見方が大きく影響を受けることです(ロバート・B・チャルディーニ『影響力の武器[第3版]―なぜ、人は動かされるのか』(誠信書房、2014年7月)276ページ)。

ハロー効果によって以下のようなことが起こります。

ハンサムで魅力的な人がいると、たぶん頭も良くて信頼のおける人だろうと思いがちです。

ハイディ・グラント・ハルヴァーソン『だれもわかってくれない: 傷つかないための心理学』(早川書房、2020年2月)61ページ

もしあなたが大統領の政治手法を好ましく思っているとしたら、大統領の容姿や声も好きである可能性が高い。このように、ある人のすべてを、自分の目で確かめてもいないことまで含めて好ましく思う(または全部を嫌いになる)傾向は、ハロー効果(Hallo effect)として知られる。後光効果とも言う。

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー 上』(早川書房、2012年11月)122ページ

東大出身の応募者なら、ハロー効果が働くか、逆ハロー効果が働くかで以下のような差が出ます。

(面接官に好印象をもってもらったら)いやあ、さすが東大出身。いかにも優秀って感じだったなあ。

(面接官に悪い印象を持たれたら)なんか頭でっかちで仕事できなさそう。

印象が評価を分けます。

面接官は自分が話をして気が良くなれば、相手も良く見える。

つまり、聞き上手は、転職面接に受かるアピール方法 | ハーバード流面接突破術で説明したアピール以下2つを何もせずにアピールできます。

(i) 人間的な温かみを示す

(ii) 有能であることを示す

このスキルを活用しない手はありません。

(2) 「しゃべらせる」(それを聴く)だけでいい

重要なことは、相手にしゃべらせ、自分はそれを聴くだけです。

それをきちんとやればいい。

必ず効果があります。

他人に情報を与える機会は、内的な報酬をもたらすようだ。ハーバード大学が行った研究では、人は自分の意見が他人に広まるならば、進んで金銭的利益を見送る傾向にあることがわかっている。

(ターリ・シャーロット『事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学』(白揚社、2019年8月)13ページ)

面接官は、自分がしゃべって応募者に情報を与えれば、それだけでご褒美をもらったような気になるのです。

つまり、情報の受け手である聞き手は、聴くだけで相手にご褒美をあげたことになります。

目の前の人が熱心に話を聴いてくれたら、満足し、自分の存在が認められて安心し、自尊心を満たすことができます。
ですから、目の前の人の話を聴くことは“与える行為”にもなり得るのです。相手の話をしっかり聴いてあげれば、あなたは相手に安心や満足を与えて、相手の自尊心を満たしてあげるという“贈りもの”をすることができるのです。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)59ページ)

何をすればいいかと言えば、聞くだけでいいのです。

何より大事なのは、相手の言うことをよく注意して聞くこと。人は誰でも話を聞いてもらいたいと思っています。相手の望むとおりにしてあげられなくても、助けになれなくても、話をよく聞いてあげることが大事なのです。

(ハイディ・グラント・ハルヴァーソン『だれもわかってくれない: 傷つかないための心理学 (ハヤカワ文庫NF)』(早川書房、2020年2月)109ページ)

特別な何かを与える必要はありません。

聞くだけでいい。

2 しゃべるのが苦手な人でも使える黄金の採用面接傾聴テクニック6選

「自分から話すのが苦手で、面接も得意ではありません…」

そんなあなたは、採用面接通過の達人になる才能があります。

余計なことをしゃべりまくるよりも傾聴力を鍛えた方がいい。

もちろんよくしゃべる人も以下の6つのテクニックを身につけて面接必勝を目指しましょう。

  1. 質問をして話すきっかけを与える
  2. 自己会話でアクティブリスナーになりきる |「今は聴く側だ」と自分に言い聞かせる
  3. うなずき・相づち + 話の内容に合わせた表情
  4. 視線を適切にセット。相手の目の周り・左右は肩幅の範囲内・高さは胸より上のゾーン
  5. 相づち・うなずきをさらに効果的にする「反射」テクニック
  6. 話し手の仕草や様子に注目して言葉以外の情報を読み取る

(1) 質問をして話すきっかけを与える

人は誰でも話したがりです。

程度の差こそあれ、話を聞くよりは自分が話した方がいい。

面接官もそう思っています。

そんな面接官への最高の贈り物はなにか?

それは、話すきっかけを与えるということです。

「話したい!」と思う人に、話すべき大義名分を与えるのはとてもよろこんでもらえるプレゼントです。

そんなプレゼントをしてくれる人は快く思わないわけがありません。

面接官に最高の贈り物をしましょう。

話すきっかけをあげましょう。

どうすればいいか?

簡単です。質問をすればいいのです。

聴き手としての仕事の第一歩は、「話そうか、やめようか」と迷っている相手に、話のきっかけを作ってあげることです。そのためには、相手に質問を投げかけてあげるのが一番です。質問をすれば、相手は話をするきっかけをつかめます。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)60ページ)

では、面接ではどんな質問をしたらいいのか?

すべき質問のポイントは以下の通りです。

(1) 「閉じた質問」は避ける
(2) 適度に「開いた質問」で相手にある程度自由にしゃべらせる
(3) 相手が話した内容に関連した突込み質問”follow-up question”が最高の質問
(4) 「なぜですか?」と聞くのは詰問になって相手にプレッシャーを与えてしまう

上記について詳しく知りたい方は以下記事質問がダメだと採用面接は失敗する | 転職活動でなぜ質問が重要なのかをご参照ください。

(2) 自己会話でアクティブリスナーになりきる |「今は聴く側だ」と自分に言い聞かせる

よい聴き手になるには「聞くだけでいいんだろ」という発想では足りません。

「相手が話し始めたら、何よりも「相手の話が一区切りつくまでは口を挟まない」ということを心がける必要があります。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)63ページ)

徹底したリスニング専門家になるべきなのです。

なぜそんなことを言うのか?

人は、他人の話を聞いていると、相手の話していること以外のことをあれこれ考え始めるからです。

相手の話に耳を傾けているうちに、聴き手には、さまざまな欲求が湧いてくるからです。

(同上)

たとえば以下のような「私にも一言言わせて」という欲求です。

  • 相手の話が愚痴や自慢話等、全然面白くない。もう聞いていたくない、と思う。
  • 相手の話が興味深く「それは自分も!」と共通点が思い浮かぶ。自分のことを話したい、と思う。
  • 相手の話を聞いて「それ違いますよね」と思う。意見を訂正したくなる。
  • 相手のつらい体験を聞いて共感する。慰めてあげたくなる。

これらは、いずれも相手の話を遮って自分がしゃべりたいという欲求です。

この欲求を制御できないと、聴き手失格です。

これらの欲求に負けて相手の話の途中で口を挟めば、相手の話を中断させたり、話題を変えさせたり、話し手という立場を奪ったりします。相手を慰めたくて口を挟んだとしても、たとえば「悲しい」と言っている相手に、「悲しまなくてもいい」などと言って慰めたつもりになったのでは、結果として相手の「悲しい」という感情を否定してしまうことになります。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)64ページ)

傾聴力の低さは話し手にバレてしまいます。

これらの欲求に負けずに、相手の話が一区切りつくまでは口を挟まず、耳を傾け続ける。これが聴き手として大原則です。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)65ページ)

ではどうしたらいいか?どうしゃべりたい欲求を抑えることができるのか?面接で何を思って面接官の話を聞けばいいのか?

それは、自己会話をすることです。

「今は聴き手だ。私はアクティブリスナーなのだ!」と自分の頭の中で呪文のように唱えるのです。

相手の話の途中で、どうしても自分が話したくなったら、頭の中で「今は聴き手、今は聴き手」と呪文のように繰り返すと、自分が話したいという欲求を抑えることができます。
このように、その場での欲求や感情に負けないように、自分が実行すべきことを頭のこかわ中で、自分に言って聞かせることを自己会話と言います。
自己会話で言うべき「今は聴き手、今は聴き手」などのセリフは、自分にとって効果的だと思う言葉を自分で決めます。ポイントは、いざ、という時にすぐに使えるように、あらかじめ決めておくことです。

(同上)

面接官では、面接官が話している最中は「今は聴き手、今は聴き手」といった呪文を唱えてアクティブリスナーになりきりましょう。

その態度が面接官にはわかります。

面接官にとっては感じがいい。

これが重要なのです。

(3) うなずき・相づち + 話の内容に合わせた表情

しっかり聞くには、耳から情報を得るだけでは不十分です。

身体を使って、「私はしっかり聞いてますよ!」とアピールすべきです。

ボディランゲージは、舞台上や野生の世界と同様、現実の文明化された社会においても、説得力のあるパフォーマンスの鍵を握っている。人間言葉より非言語メッセージを信頼する傾向がある。言葉よりも、言葉によらない力の誇示のほうが効果的な場合があるのはそのためである。

デボラ・グルーンフェルド『スタンフォードの権力のレッスン』(ダイヤモンド社、2021年7月)71ページ

面接ではボディランゲージを駆使すればいいのでしょうか。

全身を使う、といってダンスをしろというわけではありません。

気をつけるべきは、うなずきと相づちです。

面接では、相手の話を不動で聞いていてはいけません。

よくうなずいて、相手の話に相づちを入れること。

ちょっとしたことですが、これを怠ってはいけません。

面接では相手が話している時に忘れずに相づちを打つこと!

うなずきや相づちは、話し手を励まし、話を引き出す効果があります。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)68ページ)

自分が話して、相手がうなづいてくれれば、「自分は話していいんだ」と話し手は励まされる。

励まされるのと励まされないのでは、どちらの方が面接官にとって心地よいかは明らかです。

面接官の話にはうなずく!

また、うなずいたり相づちを打つ際には、相手の話に合わせた表情をしましょう。

面接官が笑顔で楽しそうな話をしているなら、聴き手の応募者は笑顔でうなずく。仏頂面で「ふーん」なんて顔で聞いてはいけない。

悲しい話なら悲しげな顔をし、真剣な話は真剣な顔で聞くべし。

聴き手の表情は、話し手にとっては鏡に映った自分の表情のような作用をして、話し手が話を続けることを励まします。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)69ページ)

以下ではうなずきと相づちの効果に関する心理学の実験を3つ紹介します(いずれも相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)69ページより)。

①就職面接の場面で、話を促進する効果があった

就職面接の場面の実験で、面接者が意図的にうなずきを増やすと、それに呼応するように志願者の発言時間が50~70%増加。

②聴き手に対する好感度アップ

うなずきと相づちを同時に行うと、聴き手に対する評価が、「親切」「好感が持てる」「親しみやすい」などの点で向上した。

③他の動作よりも好感度アップ
若い女性の顔のコンピュータ・グラフィックスを作成して以下3パターンを示した。

  • うなずき
  • 首を横に振る
  • 静止している

この3パターンの中で、「うなずき」は、他のパターンよりも「好ましさ」で約30%、「近づきやすさ」で約40%評価が高まった。

ほんのちょっとの動き(うなずき・相づち)で応募者の評価は高まります。

(4) 視線を適切にセット。相手の目の周り・左右は肩幅の範囲内・高さは胸より上のゾーン

よい聴き手になるには、視線が重要です。

そっぽを向きながら「私はアクティブリスナーです」なんて名乗れるわけがありません。

聴き手の視線は、「私はあなたの話を興味深く聴いている」というメッセージを伝えるのに重要な働きをします。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)69ページ)

どこを見るかというと、基本的には相手の目を見ます。

しかし、ずっと目を見続けるのは日本人には苦しい。

見る方も見られる方も辛い。

どうしたらいいか。

目の周りをぼやっと見ましょう。

目の周りを中心に、左右の範囲は肩幅以内、高さは胸より上の範囲ならOK。

この視線に関して、現代のウェブ面接ではカメラ目線が極めて重要です。

ウェブ面接では適切なwebカメラを駆使して最高の視線を実現しましょう。

(5) 相づち・うなずきをさらに効果的にする「反射」テクニック

相づち・うなずきは重要なテクニックですが、それだけだと工夫のない単調な返しになってしまいます。

誰もがやっている反応である「反射」を意識的に使いましょう。

「反射」とは、話し手が言葉や表情や身ぶり手ぶりで伝えてくるメッセージの核心を、鏡が光を反射させるように、聴き手が話し手に返す行為をいいます。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)72ページ)

たとえば、以下のような聞き手の返しが反射です。

話し手:「私は以前外資系企業に勤めていました。」

聞き手:「そうですか。外資系企業に勤務されていたのですね。」

「外資系企業」や「勤めていた」というのを同じ単語を使ってそのまま返しています。

このように「相手の話を反射させると、話し手を励ます効果がさらに増します」(同上)。

上手な反射は、話し手が話し続けることを励まします。
話し手は、反射されると「話を真剣に聴いてもらっている」「理解されている」と感じることができます。自分の発言に関連した言葉が、聴き手の口から発せられ、しかも、それらの言葉は、自分の言っていることに反することや非難や批判の言葉ではありませんから、話の流れを妨げられることがありません。気持ち良く先へ先へと話を進められます。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)76ページ)

面接では、応募者は、面接官がしゃべった内容をうまく反射させて面接官の気分を良くしましょう。

ア 3種類の反射テクニック

反射には3つのテクニックがあります。

① 初級レベル:相手が言った言葉の一部をそのまま繰り返す(オウム返し)

② 中級レベル:相手の言った言葉を、別の語句に言い換える(置き換え)

③ 上級レベル:相手の言ったことや言いたいこと全体を要約して相手に返す (要約)

① 初級レベル:相手が言った言葉の一部をそのまま繰り返す

一番簡単な反射は、「相手が言った言葉の一部をそのまま繰り返す」です。

先ほど具体例とした会話を下に再度例として書きます。

話し手:「私は以前外資系企業に勤めていました。」

聞き手:「そうですか。外資系企業に勤務されていたのですね。」

これがオウム返し。

簡単です。


② 中級レベル:相手の言った言葉を、別の語句に言い換える

さすがにオウム返しばかりしてるのは会話として変です。

そこでさらにレベルの高い反射を混ぜましょう。

相手の言った言葉を、別の語句に言い換えて表現しましょう。

以下のような感じです。

話し手:私は3年連続で社内営業成績全国1位です。

聞き手:それはすごい。営業のエースなんですね。

上記では話し手は「エース」という言葉を使っていません。

聞き手は「3年連続で社内営業成績全国1位」という内容から「ライバル」という表現に置き換えています。

これは聞き手の語彙力、置き換え力にも依拠する技ですので、初級よりも難しいです。

③ 上級レベル:相手の言ったことや言いたいこと全体を要約して相手に返す

さらに上級レベル。

相手の言ったことや言いたいこと全体を要約してそれを返すのが上級レベルです。

話してがしゃべった内容全体を要約する必要がありますので、相手の言いたいことをとらえる必要があり、集中力、理解力が必要となる反射テクニックです。

これらの反射テクニックのうち、初級はすぐできるようになりますが、中級・上級はそうではありません。傾聴力の乏しい人には訓練が必要です。

転職面接に関係のない日頃から意識的に練習しましょう。

初級レベルの単純な反射は、反射などという言葉を知らなくても、あなたもすでに実行していたり、無意識に実行していたりします。中級レベルや上級レベルの反射は、意識的に練習を重ねないとうまくできません

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)74ページ)

面接力は1日にしてならず。

普段から傾聴力を高めるべく、反射テクニックを実践しましょう。

現職場ですぐに実践あるのみ。現職で人の話を聞く時に反射テクニックを織り交ぜて聞けばいいのです。

イ 話し手が伝えたがっている感情をとらえて反射させるとさらに効果的

話し手が話すのには以下2つの目的があります。

①情報の伝達

②感情の伝達

上記の①情報の伝達は、客観的な情報を聞き手に伝える目的です。

「明日は雨が降るらしい」とかです。

上記②の感情の伝達は、話し手の主観を聞き手に伝える目的があります。

「感情の伝達」は、話し手が自分の感情体験を聴き手に聴いてほしい、分かってほしいという欲求に基づいて行われます。そのため、愚痴や他人の悪口を言ったり、同じことを何度も繰り返したり、非論理的な話になったりします

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)75ページ)

こんなような内容のことが話されるのは日常ではしょっちゅうでしょう。

「明日は雨が降るらしい」という言葉に続けて、「明日野球見に行くのに。マジ最悪」といった感じです。

反射テクニックを使う際に重要なのは、相手の感情の伝達となる部分をうまく反射させるということです。

話し手:「明日は雨が降るらしい。明日野球見に行くのに。マジ最悪」

上記の話し手への反射として、以下3つではどれがよさそうでしょうか。

  • 聞き手A:「明日雨なんだ」
  • 聞き手B:「明日野球見に行くんだ」
  • 聞き手C:「雨の中野球観戦はマジ最悪だね」

聞き手Cが一番いいはずです。

AとBは、話し手のいいたいことのポイントをとらえた返しになっていません。

「うれしい」「悔しい」「悲しい」「楽しい」などの喜怒哀楽を表す言葉は、多くの場合、話し手が言いたいことの核心となります。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)76ページ)

話し手が伝えたいことの核心部分に対して反射しないとピントのぼけた返しになってしまいます。

相手の言いたいことの核心が現れやすい感情の伝達をうまく反射させましょう。

「感情の伝達」をしたい相手の話を聴くときは、相手の感情を受け容れることが重要ポイントです。聴き手としては、話の内容が正確であるか事実であるかということよりも、話し手の感情に注目して、それをとらえて反射させるのです。

(同上75ページ)

感情表現部分をオウム返しするだけの初級の反射でも十分効果的です。

さらに効果的な感情の伝達に対する反射もあります。

話し手の言葉だけでなく、感情を伝える話し方(たとえば声の震え)や表情(たとえば笑顔)や身ぶり(たとえば両手を大きく拡げる)などに注目して、それを言葉にして「それは悔しいよね」「嬉しかったんだ」「それは驚いただろうね」などと反射させることもできます。これは、中級レベル以上の反射の仕方です。

(同上76ページ)

転職面接では、面接官が自分の感情を織り交ぜて話すことがあったら、そこをすかさず捉えましょう。

前述した具体例をもとに考えてみます。

話し手(面接官):私は3年連続で社内営業成績全国1位なんですよ。

こう面接官が笑顔や誇らしい顔で言ったらどう返すか。

  • 聞き手A:営業のエースなんですね。
  • 聞き手B:それはきっとすごく達成感を感じられますね。

上記Aでもよいのですが、場面によってはやや冷たい返しととられるかもしれません。話し手が冷めた感じでしゃべった内容ならAでもかまいません。

話し手がそれなりに力を込めて言った内容であれば、言葉に出ていなくても表情から感情の伝達をしようと読み取って聞き手Bのように返した方が効果があります。

感情の伝達の反射をするのもなかなか大変です。

普段から「私はアクティブリスナーだ!」と意識して練習するのが大切です。

その練習は、いざという時の重要な転職面接で活きます。

ウ 聞き手にとっての反射のメリット3つ

転職面接で応募者が面接官の言葉に対して反射することのメリットは3つあります。

① 「私はあなたの話を聴いている」というメッセージを、口で直接言わずに、相手に伝えることができます

反射するだけで「話を聞いてますよ」と伝えられます。

とっても便利。

反射しないと、「聞いてますよ」「理解してますよ」といちいち声に出して言わないといけません。

これは不便ですし、不自然でもあります。

②聞き手は、自分が理解したことを確認できます

応募者は、面接官の話したことを誤解したまま面接が進むのは避けたいです。

うまく反射を織り交ぜれば誤解を防ぎ、面接官と論点がズレることを防止できます。

論点がズレたら面接では致命傷になりかねません。

反射は、話の内容を返す行為ですから、聴き手が理解した内容が正しいかどうかを、話し手からチェックされることになります。反射のチェック機能のおかげで、早とちりや誤解が防げます。

(相川充『人づきあい、なぜ7つの秘訣?』(新世社、2019年6月)79ページ)
③話し手にとっての問題が何であるかが聞き手にとってはっきりします

反射によって自分の理解を確かめるだけでなく、話し手の問題意識を探ることができます。

話し手:「明日は雨が降るらしい。明日野球見に行くのに。マジ最悪」

聞き手:「雨の中野球みたら見えにくくて最悪だね。話し手さんは眼鏡かけてるし。」

話し手:「野球は見えなくてもいいんだけどさ、ビールが飲めないのが嫌なんだよ」

上記例では、聞き手は反射をすることで話し手が野球観戦をしながらビールを楽しめるかどうかが問題であると考えていることを浮き彫りにすることができています。

(6) 話し手の仕草や様子に注目して言葉以外の情報を読み取る

ハイレベルな傾聴力を得るには、相手の発現や表情以外から情報を取るようにしましょう。

誰でもやっていることですが、以下のような仕草から話し手の意図やメッセージを読み取ることが重要です。

  • 手の動きや指の動き、あるいは手にしている物の動き
  • 声の大きさや強さ、高さ
  • 話すスピード
  • 言い間違いや言葉のつっかえ、言い淀み
  • 間や沈黙
  • 話している最中の仕草の変化
  • 言葉と仕草の不一致(「今日も徹夜で仕事だ」と言いながらうれしそうな場合など)

3 面接で自分のことを話しすぎるのは下策

自分のことを話そうとすると、多弁になります。長くもなります。

これはぜひとも避けたいです。

話は短い方がわかりやすい

15秒を超えると頭に入らない

話は長くなればなるほど伝わらなくなる

みんな、長く話した方が細かいことまでよくわかってもらえると思っていますが、それは誤解です。人間の脳はいっぺんにいろいろなことを言われても、それをすべて覚えておくことはできないからです。

(PRESIDENT (プレジデント) 2018年12/17号(話がうまい人入門! ))

面接で自分ばかりしゃべる時間が長くなるようだったら気を付けた方がいいです。

その発言は、面接官に必要とされているのかが問題です。 

聞いてもいないことを話す人が多すぎる

ひとつ聞くと、どんどん勝手に展開して10も20も返してくる人がいます。そういう人は、今の会社でも「使いづらい人」と思われているんじゃないでしょうか。ひとつ聞いたら“ひとつ半”くらいで返して欲しいものです。

(「面接官のボヤキ」『自分に合った働き方を手に入れる! 転職面接の話し方・伝え方』)

自分のことをしゃべりすぎるのは有効ではありません。

自分の話はコンパクトにし、上手に質問をしましょう。

4 聞き上手になるには練習をしなさい

前記3で紹介した傾聴力アップのためのテクニックはどれもありふれたテクニックです。

しかし面接で効果的であるにもかかわらず意識されていないと思われます。

面接で「聞く力」が重要だと力説している記事はあまり見たことがありません。

面接官も人である以上傾聴力ある応募者が相手であれば自然といい気分になるのは間違いありません。

面接官が自覚しないうちに無意識的に好印象を与えることができるのが傾聴力のすごいところです。

この観点は、多くの転職者が気づいていない点です。したがって、聞く力を高めれば面接突破力を高めることができます。

そしてこの力は面接以外の仕事や日常でも活用できます。

重要なのは意識して練習することです。

聞き上手は多くありません。

つい相手の話を遮って話し始めてしまう人、多いですよね。

またなんとなくぼーっと聞いてしまうことも多々あると思います。

面接では自分が何をしゃべろうか考えてしまって聞くことがおろそかになってしまうかもしれません。

普段から本記事で紹介した傾聴力テクニックを意識的に実践し、聞き上手になりましょう。

転職面接の突破率は上がり、仕事と仕事外の対人関係にもよい影響があるはずです。

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