なぜ素直な人は仕事で高く評価されるのか

素直な人 仕事
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多くの職場では、素直な人は良いものであると称賛されます。

特に「目上」とされる上司や先輩は、自分より下の社内の地位にある人が素直だと偉いと言って手放しで褒めます。

それだけでなく、自分の知らない人であっても素直は美徳として褒めます。

素直だと何がそんなにいいのでしょうか。

目次

1 素直を手放しで褒める実例

ツイッターを見ていると、素直さを称賛するツイートがしょっちゅう流れてきます。

https://twitter.com/tr4b7OKx/status/1521254091439349760?s=20&t=fAd8FnfpDcwTfOUVVLAG7w
https://twitter.com/keyplayers/status/1546056643024080897?s=20&t=21YkmrpP2sSKT3x1XNgzSg

ちょっと検索しただけでわんさか出てくる。

なんでそんなに素直さを褒めるのか。

見たことも会ったこともない人が素直だとどうしていいのか。

2 素直だと成長する?

よくあるのが、素直と成長を結びつけるものです。

「素直な人は伸びる」と断言する人もいます。

しかし、この断言は、それっぽいことを言っているだけであって、合理的な根拠は何も示されていません。根拠は「私がそう思うから」しか示されていません。

「素直」とは何か。

「成長」とは何か。

そして、「素直」だと「成長」しやすいといえる因果関係はあるのか。

全くもって不明確です。

素直って何ですかね。

人の話をそのまま受け入れることでしょうか。

無批判で人の言うことを受け入れる人が、他の人よりも上達しやすいとは思えません。

自分でよく考えて実行に移す人の方が賢く、上達する感じもします。

また、「成長」の中身もよくわかりません。何かの分野で上達することを差していると思うんですが、ゴルフの腕前と違って仕事での成長度合いを測るのは難しい。

そして、素直であったとしても、その人が大きく成長したとしたら、その成長は本当に素直さが原因なのだろうか。単に努力したからとか、もともと能力が高いだけであったのではないか。

3 素直な人=自分に都合のよい人

前記1の引用ツイートで述べられているような「素直な人」とは、「自分にとって都合のよい人」のことを言っているのだと思います。

アドバイスする人A「毎日筋トレするといいよ」

アドバイスされる人B「ありがとうございます!今すぐ始めます!」

アドバイスされる人C「なんか意味あるんですか?他に時間使った方が良くないですか?」

アドバイスする人Aが「素直でいい奴だ。見込みがある」と褒めるのは、Cではなく、Bでしょう。

Bは、Aの信念「筋トレするとよい」をそのまま受けれ入れてくれているので、Aはうれしい。

Cは、自分の思ったことを言っただけです。でも、Aさんには素直とは受け止めてもらえない。

もし、以下のようなDさんがCさんの前に現れたらどうでしょうか。

アドバイスする人D「筋トレなんか時間の無駄だ。若者は飲みに行け」

アドバイスされる人C「そうですよね。そうします!」

この場合、Cさんは、Dさんにとっては素直であるということになりそうです。

Cさんは、AさんかDさんどちらか一方にしか素直と認定されない二律背反的状況に置かれます。

「素直」は相対的な概念と言えます。

つまり、Cさんの素直は、客観的に神の目から見て「Cは素直である」と絶対的に定まるものではありません。

Aさんからすれば「Cは素直ではない」となり、Dからすれば「Cは素直である」となりうる。

非常にあいまいな概念です。

それをツイッター上で「素直な人は成長する」と誰のことかも特定せずに礼賛するのは主張内容としてイマイチとしか言いようがありません。

4 素直な人を礼賛するのは自らの権力を感じられるから

素直という曖昧概念を他人の良い点として連呼する人は、言葉の中身もわからず自分の思い込みにそって動く人を「かわいい奴だ」と持ち上げているだけにすぎません。

誰だって自分の考えが肯定されればうれしい。

「ほれみろ。俺の言うとおりだろ」と満足に浸りたい。

「素直」な他人は、自分を満足感に浸らせてくれぬるま湯です。

素直な人を褒めるのは、褒めている人が、自分が権力を持っていると感じたいから。

権力とは、他者とその行動をコントロールする能力と定義することができる。

デボラ・グルーンフェルド『スタンフォードの権力のレッスン』(ダイヤモンド社、2021年7月)40ページ

コントロールの程度は大小さまざまです。会ったことがない人でも、自分の意にかなう行動をとっていれば、その人に影響を与えられたと知ってうれしくなる。

素直な人のことを褒めるのは、その人が自分の思い通りに動き、自分の権力を感じられるからでしょう。

「素直はいいぞ」と言ってまわる人は、多様性を受け入れる度量がありません。

自分の考えだけがいい。

そりゃ誰だって他人が自分の考えと同じならいい気分です。自分と違うと不愉快な気分になる。

それはしょうがない。しかし、他人が自分と違う意見を持つことを「素直ではない」といい、「素直」といういかにもそれらしいクリーンワードで自己正当化をする。

自分と同じ意見でそれにすぐ従う=素直

自分と違う意見でそれに従わない=素直ではない

「素直」という耳障りのきれいな言葉を違い、自分と違う考えを持つ人を排斥している可能性があります。

「戦争」という言葉も、「人を殺しに行く」だと誰だっていい顔しませんが、「国のために義務を果たすときが来た」といえば悪い感じはしません。

「素直」という言葉で他人を褒める際は、愚か者になりたくない人は気を付けねばなりません。

あまり素直を持ち上げすぎると、自分と違う優れた意見を無視していることになるかもしれません。

他人の素直さを褒めまくっていると、自分の「素直さ」が失われて、「成長」できなくなってしまいそうです。

5 デキるサラリーマンは素直な人を演じる

世の中の人で聖人君主はほとんどいない。

よって、ほとんどの人は「素直な人」が好きです。自分の意見に同調し、それに従って動いてくれる人がいい。ほとんどというより全員と言っても差し支えないかもしれない。

なので、気をつけるべきは対外的に「素直さは大切だ」と説教しないようにすることでしょう。

組織では、素直さが尊ばれるという常識を自分のために使う者に有利なようになっています。

簡単にいって、イエスマンの方が出世する。

上司の意にそぐわないことをやるよりも、上司から言われたことだけを忠実にやる方が組織内では高く評価される可能性は高い。

デキる人は、人の心理と組織をちょっとだけわかっているのです。

権力者の意見に賛成する人は、そうでない人よりもちょっと頭がいい

ハーバート・A・サイモン『学者人生のモデル』(岩波書店、1998年)215ページ

経済学や意思決定論の分野での大学者であるハーバート・サイモンは権力についてこう述べています。

どうしてイエスマンの方が頭がちょっといいのか?

イエスマンの方がクビになりにくいからといいます。

そうしてイエスマンの方が組織で力を持つようになる。

こうして権力は腐敗する。

同上

ある会社員が、全く多様性がなく異論をとにかく排斥しようとする文化を持った会社の中で自分が多数派・主流派・常識派に属していないとわかった場合、そしてその会社で出世したいと思うのであれば、その会社に居続けるのはおすすめできません。

私は、新卒プロパー天国の会社で、前例や固定観念を何より重視する会社に中途入社しましたが、合わないので転職して退職しました。

「素直さ」は一例ですが、組織内の主流の考えに自分の考えが合わないならば長いせずに早めに辞めて転職すべきです。

ロースキルのおじさんが「素直な奴は伸びるぞ」なんて偉そうにアドバイスしている職場でストレスを抱えているのはよくありません。

日本にある会社だけで数は無数にある。必ず今の職場よりも自分に合う職場はあるはずです。

素直な人 仕事

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