出世する人・しない人の特徴的な違い

出世する しない人 特徴
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会社員でどのような人が出世するのか?

実力がある人、実績がある人か?

答えは恐らくノー。

多くの場合は、上司等の評価者に気に入られた人が出世する。

したがって、出世する人の特徴は「上司に好かれる」というところにあります。

他方で、出世しない人は上司から好かれていません。

目次

出世と実力主義に関する誤解

出世 実力主義

日本企業における年功序列は崩れ、実力主義になる。

こんな論調はもう何十年も言われています。

パフォーマンスが高い社員が出世する、というようなこともよく聞きます。

そして、実力ある社員を出世させることは組織にとって良いことなのである。そう思われているのです。

実力主義は重要である。才能や努力、成果に報いる企業は、縁故主義や組織的な偏見、有害な政治、そして無能さが蔓延している企業よりも、優れた業績を残すだろう。いまは実現できていなくても、遅かれ早かれそうなるはずだ。

なぜ従業員のパフォーマンスは公平な評価が難しいのか データ主導の組織を構築する重要性 | チームマネジメント|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

確かに「優秀な社員」が出世し、「仕事ができない社員」が出世しないのは道理のように思います。

しかし、現実はそれほど単純ではありません。

会社員なら「なんであんな人が出世してるんだろう」と思うことは数えきれないくらいあるはずです。

つまり、「あの人は仕事のパフォーマンスがイマイチなのに、あのような実力に合わないポジションに昇進することができたのであろうか」という懸念・疑問・不満を持つのです。

「私は結果を出しているのに、なぜ私の実力が評価されないのか」という不満もよくあるでしょう。

このような配置上の不満は実力主義を採用していると言っている会社内でもよくあるはずです。

本人の不満が間違っているだけかもしれないですが、「誰から見ても『え~、あの人がねえ』人事」というのは多く見られます。

このとおり、「実力主義」が現実に機能していいない具体例はたくさんあります。

多くの職場では、実力主義は空想的な概念です。

サンタクロースと同じです。

実力は測定困難

”実力”という概念が曲者です。

みんな何かわかったような気がして簡単に口にしますが、実力が何かはよくわかりません。

あなたの職場における実力とは何でしょうか?

会社員にとっての実力というのはその中身がよくわからないのです。

そして、その実力をどのように測ればよいのかも社会で共通見解はありません。

みんながみんな勝手な実力論を持ち、てんでバラバラに実力評価をしているというとんでもない世界が「実力主義」を導入している職場の実態です。

(1) パフォーマンスが測定できる仕事

パフォーマンスがある程度客観的に測れる仕事もあります。

たとえば、プロゴルフ選手。

大会に出れば順位が確実に明らかになります。

そして、賞金ランクもある。

プロテニスも同じようなものです。

どうやったら上に行けるかは誰にとっても明白です。

試合でいい成績を取ればいい。重要な試合だとなおさら良い。

そしてどの試合が重要かはポイントや賞金で公開されています。

部下無し営業職で単純に「売上」だけでパフォーマンスを評価すれば、それはかなり客観的な数値であり、そうした実力評価ができる仕事も中にはあるはずです。

(2) 多くの仕事の実力評価は難しい

単純そうに見える仕事でも実力評価が簡単とはかぎりません。

江戸時代の農民が畑仕事をする。

短時間でたくさんの面積を耕せる農民は、他の人よりも耕すのが優秀といえるでしょうか?

スピードはあるけれども、鍬の土への入れ方が不均一で土を効果的に耕せないような人であればハイパフォーマーとは言えないかもしれません。

耕すのは上手ではないけれども、数多くの作物栽培の知識を持っている農民はどう評価すればよいのでしょうか。

織田信長は、桶狭間の戦いで勝利した後の論功行賞で、一番の手柄とされた武将は、今川義元を討ち取った毛利新介ではなく、今川軍の動向情報をいち早く報告した簗田正綱とされています。

何が評価されるべき実力かはいつの時代もよくわかりません。

当然現代でもその問題は解決されていません。

従業員の職務遂行能力を公平に管理するためのカギとなる、信頼性が高く、正確でバイアスのない測定法は、テクノロジーが進化しても依然として定義が難しい。ハイテクツールはいたるところにある。データを見栄えよくするツールやビジュアライゼーションツール、ダッシュボードなど、さまざまだ。それにもかかわらず、従業員の価値創造を信頼できる形で定量化することは、40年前から変わらず、いまなおマネジメントの現実とはかけ離れている。

なぜ従業員のパフォーマンスは公平な評価が難しいのか データ主導の組織を構築する重要性 | チームマネジメント|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

出世は上司の評価で決まる

そんな困難な実力測定・評価を企業ではどうやってやっているのか?

人間がやっています。

360度評価なんてのもありますが、一番多いのは、上司による部下の評価でしょう。

このやり方は適切なのでしょうか?

とても適切とはいえませんが、他の代替的手段はなく、上司がやることが支配的になっている。

実力評価は誰にとっても難しい

上述したとおり人の実力評価をすることは困難を極めます。

評価のプロを自任する人事部の人達やHRコンサルといった人達にもほぼ無理です。

人事系の人達が他の領域の仕事について詳しく知ることは困難ですし、他人の仕事を適切に評価できるメソッドがあれば世にそれが広まって誰もがハイパフォーマーの測定法を知っている世の中になっているはずですが、そうはなっていません。

上司には部下評価の素養がない

誰にとっても難しいものが、上司にできるでしょうか?

多くの管理職は、他人を評価するということの訓練も受けず、仕事としてやったこともなく、どうやってやるべきかをあまり深く考えたり調べたりもせず、部下の評価という業務に就くことになります。

結果として、会社から説明を受けた資料を見ながら、会社の用意したフレームワークにしたがって、「こんなもんだろ」と我流で部下を評価することになる。

ひどい話ですが、上司を非難することはできません。

世の管理職もどうやってやっていいのかよくわかっていないのです。

上司は段々と自分の評価能力に自信を持つようになる

管理職は、自分の仕事の1つとして部下の評価を定期的にします。

その評価作業をやっていると、段々慣れてきます。

会社のパソコン上の人事評価システムのフォーマットに慣れてどこにどう入力すればよいかわかるようになる。

去年はこういうコメントをしたから、今年はこうしよう。

あいつはこう評価したから、こいつはこう評価しよう等々。

こうした評価作業に慣れたからと人を見る目やパフォーマンス測定の能力が高まったことにはなりません。

しかし、こうした作業がすいすいできるようになれば、「私は評価するのが上手い有能なマネージャーである」と思い込むに至ります。

流暢性の錯覚

評価を入力する作業がスイスイできるようになり、その結果自分の管理職としての部下を評価する業務能力が高まったと錯覚してしまう。

これは流暢性の錯覚です。

学習心理学の分野で出てくる概念です。

「流暢性の錯覚」は、教材をすらすら読めることを習熟と勘ちがいすることから生じる。たとえば、むずかしい概念をとくにわかりやすく説明されると、概念自体がじつは単純で、自分も最初から知っていたと思いこむことがある。すでに紹介したとおり、教科書の再読で勉強する学生は、すらすら読めるようになったことを、主題に関する知識が身についたと勘ちがいし、テストでも高得点が取れるだろうと過大評価する。

ピーター・ブラウンほか『使える脳の鍛え方 成功する学習の科学』(NTT出版、2016年4月)123ページ

人事評価システムをすらすら入力できることを人事評価に習熟したと勘ちがいしてしまいます。

上司は部下にあれこれダメ出しをして自分のフィードバックはかなりイケていると思い込みますが、それは単に部下のやる気を削ぐダメ出しにすぎないかどうかも全く判断できないのです。

絵画や美術について全然詳しくない人が、プロの画家の絵を突然評価することになった場合、それを繰り返しやったからといって良い評価者にはそう簡単にはなれません。

上司の評価の目は偏見に満ちている

上司も1人の人間であり、パフォーマンス評価の際には発動させるのは適切ではないバイアス等を発動させてしまいます。

パフォーマンス評価から人となり評価に置き換える

部下のパフォーマンスは、部下の人柄や性格といった人となりではなく、行動から評価されるべきです。

「どんな人か」よりも「何をしたか」の方が重要です。

世界一のハイパフォーマーの才能をもっていてみんなから尊敬を集めているが今年は一切何も作業をしなかった社員と、全く使えないとの評判だったが今年になって新製品を売りまくっている営業社員とではどちらを高く評価をするか明らかです。

行動で何も示せなかった人は評価できません。

しかし、行動を適切に評価するのは難しい。部下がどのような行動を取ったのか全てを把握することはできませんし、行動の背景や行動の結果も知らなければいけません。

あまりにも難しい。できっこない。

そんな難しい問題に直面した管理職はどうするか?

心理的なテクニックを内面で知らずに行います。問題を置き換えてしまうのです。

難しい質問に対してすぐには満足な答が出せないとき、システム1はもとの質問に関連する簡単な質問を見つけて、それに答えるからである。このように代わりの質問に答える操作を「置き換え(substitution)」と呼ぶ。

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー 上』(早川書房、2012年11月)145ページ

部下の行動をどう評価すべきか、という難しい問題に答えられない上司は、「あの部下は良い部下か」と問題を置き換えてしまうのです。

この置き換えは、元の問題に答えないということになるため、全く適切ではない感情ヒューリスティックですが、評価の場面においても生じてしまっているのです。

感情ヒューリスティックとは、「熟考や論理的思考をほとんど行わずに、好きか嫌いかだけに基づいて判断や決断を下すこと」です(ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー 上』(早川書房、2012年11月)23ページ)。

問題が難しすぎて、スキルを総動員してもよい解決が思い浮かばないときにも、直感は働く。そしてすぐに答えを出してくるが、しかしそれは、もともとの問題に対する答ではない。あの投資責任者が直面した問題、すなわち「私はフォード株を買うべきか」は難しい。だが、もとの問題と関係はあるがより簡単な質問「私はフォードのクルマが好きか」になら、すぐに答は出せる。そしてこの答が選択を決めた。これが、近道探しをする直感的なヒューリスティクスの本質である。困難な問題に直面したとき、私たちはしばしばより簡単な問題に答えてすます。

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー 上』(早川書房、2012年11月)23ページ

「部下の行動をどう評価すべきか」という具体的で難しい問題を、「あの部下は良い部下か」という抽象的な人物判断に置き換える。

「あの部下は良い部下か」の方が抽象的で難しい評価のようにも思えますが、そうではありません。

人は抽象的にざっくり考える方が得意です。人に文章を書かせれば、具体的な事実をそのまま書いてくださいと指示しても、できる人はほとんどいません。人は必ず抽象的に要約する。

他人の喧嘩の現場を目撃した人は、「Aさんは、Bさんと正対した状態で、左腕と左足をBさんの方にやや前に出したボクシングのファイティングポーズのような姿勢から右足を後方に引くと同時に右腕を肩の高さくらいで肘を自分の身体後方に曲げてからグーの手で時速30km程度の早さで右腕を伸ばしてBさんの顔面左頬に右手拳を当てました」とは言いません。

単に「AさんがBさんを殴っていました」というでしょう。

抽象的に要約した方がはるかに楽です。

人は細かいことを詳細に考えるよりも、直感的に「こんな感じ」と考える方が楽で得意です。

「こういう部下だ」とレッテルを貼る

上司は人事評価システムを入力している際に、部下の行動を判断しているつもりですが、実際には「部下はこういう人だ」という自分が過去に部下に貼ったレッテルを多いに活用します。

上司は、部下の行動だけを見るなんてことはしません。

部下の行動を見て、「あの人はああいう人なんだ」と自動的に分類します。

何か仕事で形式的なミスを1~2回見つけて、それが自分にとって印象的なものであれば、そのミスをした部下のことを「雑に仕事をする人」と決めつけます。

決めつけ色眼鏡を上司はかけるのです。

この決めつけ色眼鏡を外させるのは容易なことではありません。

上司はその決めつけ色眼鏡で常に部下を見ます。

青いレンズの眼鏡をかけていれば世の中はすべて青みがかって見えますが、上司は自分が色眼鏡をかけていることに気づいていません。

「あの部下はいつも青みがかった服を着ているな」と思うようになるわけです。

「あの部下はこういう人だ」と思うと、その人の置かれた状況や行動を正しく理解できなくなります。

人は根本的な帰属の誤りをしてしまうからです。

根本的な帰属の誤りとは、「周囲の状況よりも、人のいつもの気質のほうの関連性を過剰に評価してしまうという誤り」のことです(リチャード・E・ニスベット『世界で最も美しい問題解決法 賢く生きるための行動経済学、正しく判断するための統計学』(青土社、2018年1月)175ページ)。

部下に対する偏った見方は日々強化されていく

ああいう人なんだ、という部下への見方が定着すると、その見方は日々ますます強化されていきます。

上司の頭の中で確証バイアスが機能するからです。

確証バイアスとは、仮説を裏付けるような証拠を探し、仮説を覆すかもしれないような証拠に目を向けようとしない傾向のことです(リチャード・E・ニスベット『世界で最も美しい問題解決法 賢く生きるための行動経済学、正しく判断するための統計学』(青土社、2018年1月)190ページ)。

上司が、ある部下の些細な形式的ミスを見つける。

上司は、「あの部下は仕事のやり方が雑な人なのだ」という仮説を立てる。

その後、上司はその仮説に合致するような情報を探す。他方で、仮設に合致する情報は見過ごすか、無視する。

上司は、その後部下が形式的なミスをするのを目ざとく見つける(タイポ等)。そして、「ああやっぱり自分の思った通りだ。あの人は雑なんだ」と思う。

そのタイポは、他の人も同じように同じ程度やるようなものであっても気にしません。そうした情報は自分の仮説に合わないので上司は無意識的に捨象します。

また、その部下が他の人ではなかなかできないような精緻な仕事を仕上げたとしても、その事実にはあまり目を向けません。自分が信じたい「雑な仕事をする部下A」という仮説に合わない情報だからです。見たとしても「あれくらいは他の人もできる」「あれをやったからといって雑な人間ということには変わらない」と思い続けます。

人間にとっては、自分の期待や仮説に合致するような情報を探すのが自然であって、たとえ反証のほうが有益な場合であってもその傾向は変わらない。
私達は、自分の考えと合致するような情報に出会うと、通常はそれを批判することなく喜んでそれを受け入れる。その情報について綿密に調べようとするときですら、 Gilovich (1991)の言うように、「それを信じても、いいだろうか」と問いかける。私達はそれを疑わざるを得ない明白な嫌疑がある場合を除いては、肯定的な情報を無批判に受け入れてしまう。もし自分の考えに疑問を投げかけざるを得ないような事実を見つけたときには、私達は随分と違った問いかけをする。「どうしてそれを信じなければいけないのか」と。つまり私達は、そのやっかいな情報を無かったことにすることができないだろうかと考えるのである。

マックス・H. ベイザーマン=ドン・A. ムーア『行動意思決定論―バイアスの罠』(白桃書房、2011年7月)46-47ページ

上司は部下のことを気に入っているかどうかで評価する

上述したことをまとめると。

  • 「実力主義」のためのパフォーマンス評価は誰にとっても難しい。
  • 上司にも難しいが、できると勘ちがいするようになる。
  • 部下を適切に評価できると勘ちがいする上司による部下のパフォーマンス評価は、「その部下が良い部下か」という間違った尺度で行われる。
  • その部下が良い部下かどうかは、上司が貼ったレッテルによって過剰に増幅される。

上司は気に入っている部下のことを高く評価します。

なぜか?

それは、ハロー効果が作用するからです。

ハロー効果とは、ある人について、とても良い(あるいはとても悪い)何かを知っていることが、その人についてのあらゆる種類の判断を色づけるという効果である

リチャード・E・ニスベット『世界で最も美しい問題解決法 賢く生きるための行動経済学、正しく判断するための統計学』(青土社、2018年1月)78ページ

上司が、ある部下について「あいつは見込みがある良い部下だ」と思い込めば、その部下のする仕事内容も良いに違いないと思い込むだけでなく、仕事に対する姿勢や、飲み会等への関与も部署や会社にとって望ましいものだと思い込むのです。

出世につながる評価が付けられる部下は、こう上司に思われている部下でしょう。

上司は自分の評価が正しいと確信している

前記のとおり、上司の評価の適正性を疑わせる事情は山ほどありますが、上司はそんなことには気づいていません。

管理職となり、「人の上」に立って権力を手に入れると、その権力のせいで権力を握る前とは見える世界が変わります。

いざ自分が権力を握れば、自分なら正しくそれを行使できると信じ込む。

実力主義は、実力測定が困難で、評価者の適正が欠けている場合が多いと考えると、年功序列は全くダメとはいえません。

単純な年功序列は維持はできませんが、年功序列には「年齢」でもって客観的に測定するという面があります。

会社員が出世するためにすべきことは

多くの企業が実力主義評価であるとしています

そんな企業で会社員が出世するには?

実力があると認めてもらうしかありません。

認めるのは、上司です。

実力が何かは誰にもよくわかりません。決めるのは上司です。

したがって、上司の気に入ることをやるしかありません。

言ったことを忠実に実行する部下を好む上司なら、自分がすべきと思うことよりも言われたことを忠実にする方が評価されます。

上司に気に入られれば、ハロー効果が働いて、その部下の行動は好意的に見られるようになり、評価が甘くなります。

また、一度気に入られた部下の行動は「優秀な部下のやることだから間違いないだろう」と推定されるようになります。

そして、そんな部下の行動を見てきた上司は、いざ評価をする際には、部下の業務という外部的行動ではなく、自分があの部下のことを気に入っているかということに置き換えて評価します。

多くの会社において、出世は上司に気に入られるかどうかで決まります。

日系企業もそうですし、外資系企業もそうです。

外資系企業の方が上司の主観的裁量が大きく、より上司に媚びを売ることが出世には必要かもしれません。

多くの場合、組織の成功に実際に貢献したというより、人気投票で勝った、あるいは評判が高いといったことが成功と見なされている可能性が高い。

なぜ従業員のパフォーマンスは公平な評価が難しいのか データ主導の組織を構築する重要性 | チームマネジメント|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
出世する しない人 特徴

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