勉強しないサラリーマンは年収が上がらない?【なぜ差がつくのか】

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金稼ぎに関連するスキルを身につければ、収入が上がる可能性が上がるのが道理です。

多くの仕事では、スキルを上げるには、仕事をただするだけでなく、勉強をするのが効果的です。

目の前にある作業をこなすだけで得られるスキルは限定的です。

スキルの差が賃金格差を生むのは経済学でも明らかです。

一代で超大金持ちになったウォーレン・バフェットやビル・ゲイツはスーパー勉強家ビジネスマンです。

一流の経営者は生まれつくのではなくつくられる。彼らは決して学ぶことをやめない。

(スティーブ・シュワルツマン『ブラックストーン・ウェイ PEファンドの王者が語る投資のすべて』(翔泳社、2020年)364ページ)

私は勉強をして司法試験に合格して弁護士資格を取りました。英語も学生の頃から勉強を続けています。どちらも仕事に大変役立っています。そもそも弁護士資格がなければ就けない仕事もあります。

また、弁護士になったからといって法律がなんでもわかるようになるわけではありません。司法試験合格後に、労働法、知財に関する法律、独占禁止法といったメジャーな法律から「こんな法律あるのか」と思える法律を都度勉強しています。これらは業務遂行をして稼ぐために必要な勉強です。

また、会計や税金の勉強はビジネスの理解には役立っていると実感しています。

他人に差をつけるビジネスパーソンになるためには勉強が有効な手段です。

目次

1 年収を上げるにはスキルが必要だと経済学は教えてくれる

Dining Hall, Harvard Business School

多くの人が働いています。

ではなぜ働く人によって年収が違うのか?

違いが生じる原因がわかれば、年収が高い側に所属するために大いなる助けになります。

労働市場における賃金格差は、ミクロ経済学の守備範囲です。経済学という手堅い学問分野の学者が研究しているのです。

この研究の結果を知って自分の年収アップに役立てましょう。

(1) 給料の差を生み出す3つの要因 

アセモグル/レイブソン/リスト ミクロ経済学

労働者間に賃金格差を生み出す労働市場の重要な要因は以下3つであるとされます(『アセモグル/レイブソン/リスト ミクロ経済学』(東洋経済新報社、2020年4月)423ページ)。

  1. 人的資本の違い
  2. 補償賃金
  3. 労働市場での差別

本記事では、上記1.の「人的資本の違い」を取り上げます。

上記2.の「補償賃金」とは、危険であったり不快であったりする仕事の給料はやや高めに設定されているということを意味します。本ブログの対象からは外れる内容です。 

上記3.の「労働市場での差別」とは、雇用主が白人を黒人より重視する、といった内容です。これも本記事では取り上げません。 

(2) 人的資本が年収の差を生み出す

人的資本とは、生産物あるいは経済的価値を生み出す労働者の技能の蓄積のことをいいます。

つまり、人的資本とは、労働者が持っているスキルのことです。

賃金格差がある理由の1つは、個人の技能には差があるために、生産性に違いが生じることである。

(『アセモグル/レイブソン/リスト ミクロ経済学』(東洋経済新報社、2020年4月)424ページ)

簡単に言って、高スキル人材の方が高い給料にありつけるということです。

スキルがあった方が儲かるのはなんとなくそんな感じがする、というのではなく経済学の教科書に書いてあります。 

人的資本の違いが、賃金格差をもたらす。

(同上)

また、著名経済学者であるN・グレゴリー・マンキューも自らの経済学の教科書の中で同じように人的資本がある労働者の方が多く稼いでいると述べています。

驚くことではないが、平均してみると、多くの人的資本を持つ労働者は、少ない人的資本を持つ労働者よりも多く稼いでいる。たとえば、 アメリカでは大卒者は高卒資格だけの労働者の2倍近く稼いでいる。このような大きな格差は、世界中の多くの国で観察される。

(N・グレゴリー・マンキュー『マンキュー経済学I ミクロ編(第4版)』(東洋経済新報社、2019年9月))

(3) 人的資本を高めるには勉強だ

どうしたら人的資本を向上させられるのか?

人的資本の違いを生む主たる原因は、教育だ。

よい教育は、稼ぐ力に関わるということです。

大学で学ぶあなたやクラスメイトの誰もが、将来の仕事に役立つ知識を増やそうと努力している。数学は問題解決能力を高め、論理的思考能力を鍛える。経済学は行動の帰結を見極める能力を高める。国語の学習は、自分の考えをうまく伝えるのに役立つ。こうしたスキルのすべて、そして他のスキルも、市場竸争の中で多くの財やサービスの生産に必要となる。

ブラックストーンの創業者スティーブ・シュワルツマンは、重要な資産である情報を蓄積せよと言っています。

情報はビジネスにおいてもっとも重要な資産だ。知識が増えれば増えるほど、より多くの視点をもてるようになり、競合より先にパターンや異常を発見する可能性が高くなる。新しいインプットに対して常に心を開いておこう。これは人にも経験にも知識にも言える。

(スティーブ・シュワルツマン『ブラックストーン・ウェイ PEファンドの王者が語る投資のすべて』(翔泳社、2020年)365ページ)

社会人になってから過去の学生時代に戻ることはできません。

自分で自分を教育する勉強が重要です。

学び直しと生産性は一定の相関関係がある。経済協力開発機構(OECD)のデータをみると、仕事に関する再教育へ参加する人の割合が高い国ほど時間あたり労働生産性が高い。参加率が50%を超えるデンマークやスウェーデンなど北欧は生産性も上位だ。

(2021/06/06 日本経済新聞朝刊)

私は「学び直し」という言葉は不適切だと思っています。

勉強は学生時代にやるべきである、という意図が込められているからです。

今勉強するのに「直し」なんていう必要はありません。 

また、学生として学校で学ぶ内容を押し付けられるより自分で決めた方がいい。

学校は、自分のやりたくないことを強制されますが、独学ならやりたいことをやりたいだけやればいいのです。はるかに効率的で、効果的です。

現代はネット講座を受講することもできます。英語ならたくさんの音声が手に入ります。

そして読書での勉強の重要性は依然高いです。

2 知的な人は良い判断ができる

知的能力が高ければ、重要なスキルを持つ素養があることになります。

その重要なスキルとは、判断力です。

一般的な知的能力が高い人ほどよい判断を下す可能性が高い。そう考えてよいもっともな理由として、知的能力がほぼすべての分野でよい判断との相関性が高いことが挙げられる。他の条件がみな同じであれば、知的能力が高いほど学問的業績のみならず仕事の実績も高い傾向にある。

ダニエル・カーネマン=オリヴィエ・シボニー=キャス・R・サンスティーン『NOISE〔下〕組織はなぜ判断を誤るのか?』(早川書房、2021年12月)53ページ

知的能力が高い人ほど、良い判断を下す。

仕事で良い判断ができる人とそうでない人に差が出るのは明らかでしょう。

その結果「知的能力が高いほど……仕事の実績も高い」という傾向が出てくるのです。

アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスは、会社員の最上層である経営層の高い給料をこう説明しています。

経営層は、何に対して給料をもらっているのだろう?……数少ない優れた 判断をすることに対してだ。リーダーの仕事は毎日何千もの決定を下すことではない。

『Invent & Wander──ジェフ・ベゾス Collected Writings』

3 金持ちは頭が良いという相関関係

知的能力が高い人は金持ちであるという相関関係があります。良い判断を下してきた結果です。

知的能力と実績の関係をさらに雄弁に物語る調査がある。2013年にフォーチュン500にランクされる企業のCEOと424人のアメリカの富豪(保有資産で見て最上位0.0001一%)を対象に行った調査では、予想通り、彼らハイパーエリートたちの知的能力がきわめて高いことが確かめられた。

ダニエル・カーネマン=オリヴィエ・シボニー=キャス・R・サンスティーン『NOISE〔下〕組織はなぜ判断を誤るのか?』(早川書房、2021年12月)53ページ

アメリカのトップクラスの会社CEOと最上位層のお金持ちは、知的能力が高かった。

一般人と金持ちエリートの差は、知的能力に現れていたのです。

ざっくり学歴にも現れています。

アメリカの成人で大学を卒業した人は全体の三分の一であるのに対し、富豪の88%は無事卒業していたのである。

同上

さらに重要な点。

「知的能力は一定以上あればそれで十分。賢い人の中でさらに最上に賢くなる必要はない」という考えは誤りだということです。

ハイパーエリート層の中でもさらに最上位の超ハイパーエリートと普通のハイパーエリートとの間でも知的能力には差があるのです。

ハイパーエリート集団の中でも、教育水準が高く知的能力が高いほど報酬が多く(CEOの場合)、純資産額が多かった(富豪の場合)

ダニエル・カーネマン=オリヴィエ・シボニー=キャス・R・サンスティーン『NOISE〔下〕組織はなぜ判断を誤るのか?』(早川書房、2021年12月)53ページ

つまり、知的能力は身につければ身につけるほどよく、「この程度知的ならこれ以上は不要」ということはないのです。学び続けることが重要だということです。

後述するビル・ゲイツもウォーレン・バフェットも年を取ってからもひたすら学び続けています。

4 世界一の金持ちビジネスパーソンは学習マシーン

大人になってからも独学を続けて金持ちになったスーパービジネスパーソンを紹介します。

ウォーレン・バフェットとビル・ゲイツです。

(1) ウォーレン・バフェットは世界最高の学習マシン

ウォーレン・バフェットは、著名投資家として知られており、世界の金持ちランキングの常連です。過去にはビル・ゲイツを抑えて世界1位になったこともあります。

バフェットは、家が特別金持ちだったというわけではなく、1代で約10兆円もの資産を築きました。

どのようにしてそのような世界的資産家になったのか。

ポイントとなるのは勉強です。

バフェットの60年来のビジネスパートナーであるチャリティー・マンガーは、バフェットをこう評しています。

バフェットは地上で最高の学習マシンだ。……彼の投資術は65歳になってから格段に向上した。若いころからずっと見てきたが、もしも、ある程度のところで学ぶことをやめていたなら、これほどの業績を達成していなかっただろう。

ウォーレン・バフェットは、私が彼に初めて会った日よりも圧倒的に優れた投資家になりました。そしてそれは私も同じです。もし、どの段階でも、手持ちの知識で停止していたら、記録は今よりずっと悪くなっていたでしょう。だから、ゲームに勝つには学習し続けることです。学ぶ過程を好まない人が勉強し続けることはないと思います。
“Warren Buffett has become one hell of a lot better investor since the day I met him, and so have I. If we had been frozen at any given stage, with the knowledge hand we had, the record would have been much worse than it is. So the game is to keep learning, and I don’t think people are going to keep learning who don’t like the learning process.”

Poor Charlie’s Almanack: The Wit and Wisdom of Charles T. Munger Expanded Third Edition、76ページ)

ちなみに、バフェットは現在90歳で、マンガーは97歳です。二人ともまだ現役で楽しく働いています。マンガーも約2000億円の超資産家になったスーパービジネスマンです。

そして、マンガーは読書の重要性についてこう語ります。

私が出会った賢人はいつも読書をしていた―全員だ。バフェットと私がどれほど本を読んできたかを知れば、誰もが驚くだろう。子どもたちが“足の生えた本”と呼ぶほど、私は本を読んできた。

(デビッド・クラーク『マンガーの投資術』(日経BP社、2017年)235ページ)

バフェットが普段どれくらい読書をするかというと、1日に5,6時間読書をするそうです。バフェットが86歳の時に放映されたドキュメンタリー「ウォーレン・バフェット氏になる (字幕版)」では、そのように発言しています。

ウォーレン・バフェット氏になる (字幕版)

ウォーレン・バフェット氏になる (字幕版)

( ↑ おすすめ!)

バフェットは、毎日5紙の新聞を読み、経済紙、無数の会社の財務資料に多くの書籍を読む時間を非常に大事にしています。

バフェットは、それをするのが大好きだからしているのですが、学習こそが重要だと知っているのです。

(2) 誰と話しても常に相手よりも深い知識を持つビル・ゲイツ

長らく世界で一番の金持ちであり続けたビル・ゲイツもスーパー勉強家です。

ネットフリックスのドキュメンタリー「天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する」を見れば、ゲイツがいかに学ぶことに力を入れているかがわかります。

毎日1時間読書に集中する時間をとり、1年に1回、「シンクウィーク(Think Week)」と名付けた期間をとり、学習に集中するといいます。

そんな勉強を続けるゲイツの知識は深く、幅広く、驚くべきことに「誰と話しても相手よりよく知っている」と言われるほどのレベルに達しています。

ビル・ゲイツは、学ぶことについてこう語っています。

  • 「学ぶことに喜びを感じている」
  • 「私が新たなことを学び、自分の理解を試す主な方法はそれでも読書だ」
  • 「それぞれの本が、探索すべき新たな知識の道を開いてくれる」

こうしたゲイツの姿勢が世界一の金持ちビジネスパーソンになった要因といえるでしょう。

そんなビル・ゲイツの読書法を本人がインタビューで答えています。

5 賢くなるためには

本記事では勉強に焦点を当てていますが、賢くなる手段はそれだけではありません。

賢くなるには。

  • 勉強する
  • 運動する
  • よく寝る
  • 良い食事をとる

運動は関係するのか?

関係します。脳を鍛えるには運動が最強です。特に有酸素運動。「筋トレが最強のソリューション」とか盲信してはいけません。

運動だけでなく、睡眠と食事も重要です。

こうした日常生活に気をつけるだけで脳は大きく変わるそうです(『脳メンテナンス大全』等)。

著:クリステン・ウィルミア, 著:サラ・トーランド, 翻訳:野中 香方子
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高い知的能力を身につけるには、勉強、運動、睡眠、食事と日常生活が重要になり、総合対応がより効果的です。勉強はするが、運動しない、睡眠不足、食事はジャンキー、では不十分です。

そして、もっと重要なのは、続けることです。

上記の「賢くなる日常生活」を1週間続けるのと、10年間続けるのでは大いに差が出るはずです。

今が20歳でも30歳でも40歳でも50歳でもそれ以上の年でも、今から10年間続けた場合と続けなかった場合を想像してみてください。

以下のAさんとBさんは現時点ではほぼ同じ知的能力を有しています。今後の10年間の過ごし方で以下の差が出たとします。

Aさんの10年間Bさんの10年間
勉強継続
脳を鍛える運動を定期的に実践
質の高い睡眠
健康的な食事
勉強ほとんどしない
運動しない
睡眠は短時間睡眠で不規則
不健康な食事

10年経った後に、金持ちになるための判断能力を身につけられたのはどちらでしょうか。

6 サラリーマンがすべき勉強は何か?

勉強が重要なのはわかった。では何をすればいいのか?

これは人によりますが、多くの人に共通するメジャーな分野をあげてみます。

(1) 英語

英語ができると業務の幅が広がります。また、英語で情報を取れるようになるのも大きいです。

転職の際には英語力があると高めの年収が狙えます。

日系企業の給料は外資系より安いと書いた通り、転職で年収を上げるには外資系企業を候補に入れるべきです。

日系企業では、中小企業よりも大企業の方が給料が高いですが、残念ながら転職中途採用組は日系大企業で出世できない可能性が高い

したがって、若いうちは大企業への転職はおすすめできますが、先があまりありません。

新卒プロパー天国に中途で入ると出世レースで不利です。

どうせなら中途で入っても不利にならない会社に転職した方がいい。

外資系企業の方が中途採用者にフレンドリーであるといえそうです。

外資系企業によっては、外資系企業への転職は英語ができない人でも大丈夫という場合もあります。

しかし、やはり外資系企業への転職を考えるなら、あるいは将来転職がありうると考えて自己研鑽をするのであれば、英語は使えます。

▼英語の勉強をしたいがどうやったらいいかわからない人へ 

(2) 経済学

経済学の教科書では、経済学を学ぶ意義についてこのように説明されています。

経済学を勉強することの便益を考えてみよう。いろいろ考えられるが、最大の便益は、毎日の生活に経済学的思考を適用できるようになることだ。デートの予算や、休暇で訪れる場所、4人のルームメイトと清潔な部屋で暮らす方法など、経済学的思考であなたの意思決定の質は向上するだろう。また退職後の貯蓄をどう投資するか、最良の住宅ローンをどう組むかなど、あなたが重要な決断をするとき、経済学は人生を通してあなたに便益をもたらし続けるだろう。

(『アセモグル/レイブソン/リスト ミクロ経済学』(東洋経済新報社、2020年4月)24ページ)

ここでは前述した「判断能力」に似た概念として「意思決定の質」や「決断」に経済学が関わるとされています。

他の心理学者も「経済学を学ぶと儲かる」と言っています。

より賢い人、(※経済学の)費用便益の規則体系を教えられた人は、あまり賢くなく、規則について教えられていない人よりも、この原則を使う可能性が高い。そうすることで、人はより幸せになっているのか?それほど賢い人は、裕福なのか?実際、そうした人たちの方が裕福だ。

(リチャード・E・ニスベット『世界で最も美しい問題解決法 ―賢く生きるための行動経済学、正しく判断するための統計学―』(青土社、2018年1月)137ページ)

経済学を勉強してよいところは、経済学以外にも経済学の考えを応用できるところにあります。

経済学は本質的に幅が広い分野で、経済学の授業では学んだ論法の原理を専門以外の問題にも活用することを教える。

*心理学者のロビン・ホガースは経済学者について、「彼らの話を聞いて強い印象を受けたのは(中略)経済学の言葉とプロセスが、話題がスポーツ、経済現象、政治学や大学の授業など何であろうと、ほぼすべてのトピックで活用されるということだ」と述べた。

(デイビッド・エプスタイン『RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる』(日経BP、2020年3月)68ページ)

▼経済学の勉強をやってみるには

(3) 会計

バフェットは、ビジネス言語である会計に習熟することを勧めています。 

また、アメリカNBAのダラス・マーベリックスのオーナーとして著名なマーク・キューバンも会計の勉強の重要性を説いています。

(4) 心理学

チャーリー・マンガーは、ロースクールでは心理学を教えるべきと語っており、ビジネスの場での心理学での重要性を説いています。

▼心理学の知識は転職でも使える 

(5) 過去の偉人を知る(伝記を読む)

上記で経済学を勉強すべき学問の一例として挙げていますが、その経済学をよりよく学ぶ方法をチャーリー・マンガーは教えてくれています。

「アダム・スミスと友達になれば、経済学をよりよく学べる」

これがマンガーのアドバイスです。

「著名な故人の中に友人を作る」

どういうことかというと、マンガーはこう説明しています。

著名な故人の中に友達を作るというのは変な話ですが、正しい考えを持った著名な故人と友達になって人生を歩めば、人生においても、教育においても、より良い効果が得られると思います。基本的な概念だけを教えるよりもずっといいと思います。

I think you learn economics better if you make Adam Smith your friend. That sounds funny, making friends among ‘the eminent dead,’ but if you go through life making friends with the eminent dead who had the right ideas, I think it will work better for you in life and work better in education. It’s way better than just giving the basic concepts.

Poor Charlie’s Almanack: The Wit and Wisdom of Charles T. Munger Expanded Third Edition, 23ページ)

著名な故人を友人にする方法として、マンガーは伝記を読むことを勧めています。

どんな本を読むべきかという質問に対して、マンガーは自らが伝記の愛好者であり、「亡くなった著名人のなかに友人を作る」手段を作る手段として伝記を心から勧めると答えた。「彼らは口答えすることもない」とバフェットは冗談交じりに言った。
マンガーはさらに、伝記は驚くべき経験を与えてくれ、読者の知識の幅を広げ、友人の質を高めさえするかもしれないと言った。

(ダニエル・ペコー=コーリー・レン『バフェットとマンガーによる株主総会実況中継 バークシャー・ハサウェイから投資に必要な知恵のすべてを学んだ』(パンローリング、2020年6月)68ページ)

本ブログでおすすめする伝記は、ウォーレン・バフェットの伝記、『スノー・ボール』だ! 

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伝記が大事なのは、伝記を読むことによって「他人から学ぶ」ことができるからです。

他人から学ぶのは最高によい勉強法です。

(6) コミュニケーションスキル

ウォーレン・バフェットは、コミュニケーションスキルを身につけるべきでると若者によくアドバイスをしています。

2020年12月にネブラスカ大学リンカーン校の卒業生に向けたメッセージの中でもコミュニケーションスキルを磨くよう述べています。

コミュニケーション能力を磨くことはとても重要です。 文章が上手に書けるようにならなければなりませんし、会話も上手にできなければなりません。

I would say that’s, what’s very important and that is developing communication skills. I mean, you’ve got to be able to write well, and you’ve got to be able to talk well

-Warren Buffett 

他人に自分の意見を伝えるための勉強として、伝え方コミュニケーション検定という資格があります。

その受講体験記事が「伝え方のスキルを「伝え方コミュニケーション検定」で習得する」です。

また、良いビジネス文章作成技術習得には「パワポを使わないアマゾン式会議をハイクオリティにする文章力向上法とは」にて紹介したアマゾンのジェフ・ベゾスの文章についての考えが参考になります。

ビジネスパーソンの教養としてワインの造詣があげられることがあります。

ワインに詳しくなるには、ワインスクールに行って勉強するのは効果的です。

業界共通のワインの評価仕方があるので、独学には向いていない分野だと思います。

ワインスクールに行けば色々な方と知り合いになれるので、コミュニケーションの場としてもおすすめです。

ワインスクールがおすすめか知りたい初心者へ。入門知識習得から出会いまで

6 レオナルド・ダ・ヴィンチとアルバート・アインシュタインから勉強を続けるための秘訣を学ぶ

「勉強の重要性はわかっている。しかし…」

こう思う人は多いでしょう。

言いたいことは、「続かない」ということです。

継続は力なり。

続けることが大切なのはわかっている。でも続かない。

勉強を続けるためにはどうしたらよいか?

秘訣を教えましょう。

勉強をするにあたっては、勉強そのものを楽しむようにして「年収アップのため」とか「賢いビジネスパーソンになる」といった目的は忘れましょう。

学ぶこと自体を目的とする
あらゆる知識が役に立つとは限らない。ときには知る喜びのためだけに知識を追い求めよう。レオナルドは『モナリザ』を描くために心臓の弁の仕組みを知る必要はなかったし、『岩窟の聖母』を描くのに山頂に化石がある理由を調べる必要もなかった。しかし純粋な好奇心の赴くままに探求することで、同時代の誰よりも幅広い領域に知識を広げ、そのあいだの結びつきを発見することができた。

これは、レオナルド・ダヴィンチの伝記を書いたウォルター・アイザックソンが『レオナルド・ダ・ヴィンチ 下』の最後でまとめた「レオナルドに学ぶ」のところで書かれたアドバイスの1つです。

学ぶ過程自体を大切にしましょう。「自分は勉強して賢くなっているぞ」と褒めてあげましょう。

バフェットも、自らのドキュメンタリーで、1日5時間も6時間も読書をするのはそれが「好きだから」と話しています。

勉強することについて好奇心を持つのも重要です。

ウォルター・アイザックソンは、好奇心が果たす重要な役割について、アインシュタインの言葉をあげています。

私に特別な才能はない。ただ猛烈に好奇心が旺盛なだけだ。 

あなたも私も好奇心旺盛な子供のように、われわれの生まれ落ちた偉大なる神秘の世界と向き合うことをやめてはならない。

アルバート・アインシュタイン

ウォルター・アイザックソンによるレオナルド評は、生まれながらの天才ではなく、飽くなき好奇心によって独学で知識を身につけた学習の天才です。

凡人には想像もつかないような傑出した才能に恵まれていたわけではない。独学で知識を身につけ、天才への道を自ら切り開いていったのだ。だからレオナルドほどの才能を身につけることはおよそかなわないとしても、彼に学び、少しでも近づく努力はできる。その人生から、われわれは多くを学ぶことができる。

ウォルター・アイザックソン『レオナルド・ダ・ヴィンチ 下』(文藝春秋、2019年3月)

このダヴィンチに関する知識はまさに伝記から学んだことです。

ぜひ伝記を読みましょう。

7 ビジネスパーソンは今こそ勉強

「昔勉強しなかったからもう無理」

なんていう必要はありません。

昔費やした時間は今ではもうただのサンクコスト(埋没費用)であり、気にすべきではありません。

大事なのはこれからです。

勉強や読書の習慣がないと、すぐに1時間や2時間の勉強は難しいです。

少しずつ、1日10分でもよいので、勉強をしましょう。だんだん慣れてきます。無理は禁物ですし、する必要もありません。

学んで身についたことは、それが土台になって他の知識と結びつき、やがて関連性をもったより大きな知識となって返ってきます。

ビル・ゲイツがレオナル・ド・ダヴィンチについて語った動画でその学習による知識の結びつきについてこう語っています。

一つのことを理解すると次のことを理解するのに役立ちます。そして全体として意味を持つようになる。そうやって機能するのが大好きなのです。

It’s amazing how once you figure out one thing, that helps you understand the next thing.  And then, you know, the whole thing makes sense.  I love it when it works that way.

(Bill Gates, Leonardo da Vinci https://www.youtube.com/watch?v=oOUjIcH67y8