転職キャリアルール

現役企業内弁護士による複数回の転職体験談、おすすめの転職エージェント情報、キャリアパス形成等

パワポを使わないアマゾン式会議をハイクオリティにする文章力向上法とは

アマゾンではパワポは使わず会議冒頭は6ページの文章を全員で黙読することで始まる

Jeff Bezos

一部では有名(?)なこの会議方式。

実は、アマゾン創業者のジェフ・ベゾスの株主向け手紙の中で紹介されています。

そして、この"six page memo"が紹介されているところで、よい文章について入念に書かれています。

本記事では、そのベゾスの言葉を紹介します。

「よい文章」に興味のあるビジネスパーソンには必見の内容です。


1 ジェフ・ベゾスの文章作成についてのまとめ

本記事のまとめは以下のとおりです。

  • アマゾンではパワポを使わず、6ページメモを使う
  • 良い文書は会議を実りあるものにする
  • 良い文書の構成要素はわからない
  • しかし、誰もがよい文書と思うものはある
  • 良い文書は時間をかけて作られるものだ。数日や数時間でできると誤解すべきではない。 

ベゾス・レター:アマゾンに学ぶ14ヵ条の成長原則

 

2 「パワーポイントを使わない」アマゾン式文章術

「アマゾンではパワーポイントをプレゼンで使わない」

We don’t do PowerPoint (or any other slide-oriented) presentations at Amazon.

 

このような断定からベゾスの説明は始まります。

読み手を引き込む書き出しです。


パワーポイント使わないなら、何を使うのか?

それに対する答からベゾスのメモが続きます。

「その代わりに、私たちはストーリー仕立てに構造化された6ページメモを書く」

Instead, we write narratively structured six-page memos.

 
ただのメモではないのです。

「6ページ」の"narratively structured"なメモです。

narrativeとは、describing events or telling a story、「物語」を意味します。


どんな構造なのかは説明されていません。気になりますね。

 

3 アマゾンの会議冒頭は全員で静かに文書を黙読

会議のためにパワポを使わない。6ページのメモ(文書)を使う。

どう使うのか。

ベゾスはこう説明します。

「各会議のはじめに、「学習ホール」であるかのように文書を黙読します。」

We silently read one at the beginning of each meeting in a kind of “study hall.”

 

ただ「読む」わけですね。

 

 

4 アマゾン式会議のポイントの誤解?ベゾスの言いたいこと

以下のポイントが「アマゾン式会議らしいぞ」と説明されることをよく聞きます。

 

(ポイント)

  • アマゾンではパワポを使わない
  • アマゾンではパワポの代わりに文章を書いて会議をする
  • アマゾンでは会議冒頭で文章を全員で黙読してから議論に移る

 

ちょっと待った!

ジェフ・ベゾスは、この株主への手紙の中で、その後に「良いメモ/悪いメモ」について熱く説明しています。

アマゾン式会議を志向するならば、「良いメモ」とは何か、を考えるべきです。


会議の冒頭という大事な時間を使うのですから、「きちんと伝わる文章」であることが重要です。

あなたの職場でアマゾン式会議は実施できますか?

文書だけできちんと自分のアイデアを他人に伝わるように説明できますか?

 


5 パワポを使わなければ何でもいいわけではない

アマゾンではパワポを使わずに6ページメモを使う。

そう言ったはいいものの、それをやれば直ちに超すごい仕事環境になるわけではありません。

ダメな文書を読まされたら、「何が言いたいの?意味がわからない」となります。


ベゾスも、文書の出来不出来は大きなばらつきがあると言います。

 

「驚くべきことではないが、メモの質は非常に様々だ」

Not surprisingly, the quality of these memos varies widely.


まず、よいメモについて言及しています。

 

「中には、天使が歌うような明確性を持つものがある。それは非常に優れていて思慮に富んでおり、会議をハイクオリティな議論の場に仕立て上げてくれる。」

Some have the clarity of angels singing. They are brilliant and thoughtful and set up the meeting for high-quality discussion.

 
よい文書の特徴として、最初に明確さ(clarity)を挙げてますね。

やはりわかりやすくないとダメなんです。

 

よい文書であれば、その後の会議も実りあるものにある。アマゾン式会議をやろうと思ったら、この文書の重要性をよくよく考慮すべきです。

アマゾン式ではなくても、メールを乱発する現代では文書作成力はもっと重視されるべきです。

 

「一方で、そのようなよいメモの対極に位置するものもある。」

Sometimes they come in at the other end of the spectrum.


このようなメモは、言いたいことが不明確で、会議が弾まない、という結論をもたらしそうです。

 


6 アマゾンのジェフ・ベゾスが考える「よい文書」とは?

どういう文書がいい文書なのでしょうか。

ベゾスの説明を一言でいうと、「みんながよい文書と思うのがよい文書」ということになりそうです。

ベゾスは、「逆立ち」を例にとって説明しています。

 

「逆立ちを例にすると、それが高水準のものかどうかは一見してすぐにわかる。あなたがしようとしまいと、よくできた逆立ちに必要な要素を説明するのは難しくありません。」

In the handstand example, it’s pretty straightforward to recognize high standards.
It wouldn’t be difficult to lay out in detail the requirements of a well-executed handstand, and then you’re either doing it or you’re not.

 
よい文章/悪い文章も逆立ちと同じように、簡単にわかるのでしょうか。

 

「ライティングサンプルは、逆立ちとは全く違う。」

The writing example is very different.


逆だった。

ハイクオリティーの逆立ちは「こうあるべき」というの簡単、高品質の文章とはこういうものを持っていると説明するのは困難というのがベゾスの意見。

 

「偉大なメモと平均的なメモの違いは、非常にあいまいだ。偉大なメモの必須の構成要素を書き並べることは極めて難しい。」

The difference between a great memo and an average one is much squishier. It would be extremely hard to write down the detailed requirements that make up a great memo.

 
そうなのか。どういうのがよい文書がわからなければ訓練できないではないか。

しかし、ベゾスの説明はここで終わらない。

「そうであっても、読者は偉大なメモに対しては同じように反応することが多いと考えている。読者は見ればわかるのだ。」

Nevertheless, I find that much of the time, readers react to great memos very similarly. They know it when they see it.

 


「良い文章とはこういう要素を持っている」という説明は難しいけれども、良い文書に触れればみんな同じように「これはいい文書だ」とわかるというのです。

 

「簡単に説明できないとしても、よい文書の基準は存在するのだ。」

The standard is there, and it is real, even if it’s not easily describable.

 説明はできないが、よい文書ならしめる基準はある、とのこと。

 

7 いい文章が簡単に短期間で書けると思うな、時間をかけろ

ベゾスの考えをふまえて、よい文書作成のための心構えを最後に説明しています。

必見。

「わかったことはこうだ」

Here’s what we’ve figured out.

 

「多くの場合、メモの出来が悪いのは、書き手が「高水準」を理解できていないからではない。」

Often, when a memo isn’t great, it’s not the writer’s inability to recognize the high standard,

 

「”スコープ”について誤解しているのだ。
彼らは、高水準について誤解し、6ページメモが1日か2日、または数時間で書けると勘違いしている。本来なら1週間かそれ以上かけるべきものであるにもかかわらずだ!」

but instead a wrong expectation on scope:
they mistakenly believe a high-standards, six-page memo can be written in one or two days or even a few hours, when really it might take a week or more!


ここは力が入ってますね。

「短時間で簡単に良い文書が書けると思うな!」と強く主張しています。

 

「彼らは完璧な逆立ちをわずか2週間で完成させようとしているが、私たちはそんな彼らを正しく導いてあげられていない」

They’re trying to perfect a handstand in just two weeks, and we’re not coaching them right.

 
短期間で軽々しく文章を作成してはいけない。

どうすればいいのか?人にはどう教えたらいいのか。

「偉大なメモは、何度も書き直され、仕事を向上させようと頼まれる同僚と共有され、数日間時間をあけてから新鮮な頭脳で再度修正される。」

The great memos are written and re-written,
shared with colleagues who are asked to improve the work, set aside for a couple of days, and then edited again with a fresh mind.

 
ここが一番具体的な手法を示しています。

よくある文書作成法です。ベゾスもこれが王道だと思っているわけですね。

 

最後に重要な教訓で終わります。

「これらは1日や2日では完了しない。キーポイントは、「スコープ」を教えることで結果を改善することができるということだ。それはつまり、偉大な文書は1週間かそれ以上の時間をかけるべきだということである。」

They simply can’t be done in a day or two.
The key point here is that you can improve results through the simple act of teaching scope – that a great memo probably should take a week or more.

 


8 ベゾスの言葉

アマゾンを創業して、その成長によって世界一の資産家になったジェフ・ベゾス。

ウォーレン・バフェットからは「最高の経営者」として絶賛されています。

そのウォーレン・バフェットの60年来の右腕のチャーリー・マンガーからも「恐ろしく頭が切れる」と評されています。

 

そんなベゾスは、株主への手紙を公表しています。そのベゾスの言葉に興味がある人はぜひこちらを読んで世界最高峰のビジネスマンの考えに触れてみてください。 

ベゾス・レター:アマゾンに学ぶ14ヵ条の成長原則

ベゾス・レター:アマゾンに学ぶ14ヵ条の成長原則

 

 思考レベルを上げられるはずです。