業界ビジネスを理解する究極の勉強法 | ウォーレン・バフェットのやり方

業界 ビジネス 勉強 有価証券報告書
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ある業界のビジネス・ビジネスモデルを知りたい。

業界研究をしたい。

どうやってその業界のことを勉強するのが一番いいのか?

本記事はこのように考えている人向けの記事です。

  • ビジネスパーソンがとある業界について知りたい
  • 投資家がある業界の儲けの構造について知りたい
  • 学生が就活の業界研究をしたい

こうした人達向けです。

ビジネスと投資を極めたウォーレン・バフェットがこの質問に回答していたので、紹介します。

バフェットが勧める究極の業界ビジネス勉強法を知って活用し、業界通・ビジネス通になりましょう。

この記事にたどり着いたならば、業界地図やらウェブのまとめをさらっと見るような誰でもやっている定着率の低い学習法を脱却して世界最高峰の学習法を身につけるチャンス。

目次

1 業界に属する上場企業の有価証券報告書が最高のビジネス学習素材

最初に結論です。

知りたいと思っている業界に属する上場企業の有価証券報告書を読む

これがバフェットの教えから得られる日本における究極の業界ビジネス学習法です。

バフェットは実際にはなんと言っているのか次の項目で紹介します。

2 ウォーレン・バフェットの保険ビジネス勉強法

「ウォーレン・バフェットの会社」であるバークシャー・ハサウェイの1999年の年次総会で、バフェットは株主から以下のような質問を受けました。

保険について学ぶよい素材を提供してもらえないでしょうか?

バークシャー・ハサウェイは保険ビジネスを一大事業としています。

バークシャーは、長年保険事業を続けて巨額の利益をあげています。

保険ビジネスがなければバフェットは今のような世界的大富豪になれなかったかもしれません。

バフェットの保険に対する思い入れも並大抵のものではありません。

この質問に対するバフェットの回答は以下のとおりです。

(1) おすすめの本はない

保険ビジネスを学ぶためのよい本は思い当たりません。

……大学で保険の講義を一回受けたかもしれませんが、その時のことは全く覚えていません。教科書が何だったのか、何も覚えていません。私にとって何の価値もないものでした。
だから私は保険に関する知識はまったくありませんでした。私の家族の誰も保険業をやっていませんでした。

I can’t think of a good book that I’ve read on the subject.

I guess I took one course in school on insurance. I don’t remember a thing from it. I have no idea what the text book was or anything. It had no value to me.
So I never really had any background in insurance. My — you know, nobody in the family was in the insurance business.

Afternoon Session – 1999 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)

(2) 会社の出す報告書(年次報告書)がおすすめ

バフェットは、本や教科書で保険を学んでいないとしたら何で学んだのでしょうか。

会社が株主向けに出す報告書を使って学んだと言います。

私自身が保険について学んだのは、たくさんのレポートを読むことによってでした。

my own education about insurance came from just reading lots of, lots of reports.

Afternoon Session – 1999 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)

保険について学ぶのに、企業のレポートを読んだ。

これがバフェットの保険ビジネス勉強法です。

バフェットは、自分が当時企業の開示報告書を読んで学んだときのことを次のように述べています。

とにかくたくさん読みました。リンカーン(注 バフェットが当時住んでいた地域であるネブラスカ州リンカーンのこと)の保険局に行って、convention reportsや審査報告書を読みあさったものです。

小さなテーブルが置いてあって、私は何度も何度も、報告書をくださいと局員に頼みました。彼らは他にすることがなかったから、いつも喜んでやってくれました。

私はそのようにして、この分野を学びました。そして、そのようにして学んだことが、たまたま生産的な分野であったのです。今はそれに近いやり方がベストだと思っています。

I would just do a lot of reading. I used to go down to the Department of Insurance in Lincoln and go through the convention reports and the examination reports.

I’d — they’d give me some little table someplace and I’d keep asking them — (laughs) — for these reports and they’d have to go way down in the bottom of the Capitol to get them out for me. But they didn’t have much else to do so they were always happy to do it.

And that’s the way I learned about it. And it happened to be a productive field to learn about it that way. And I really think that something akin to that is the best way now.

Afternoon Session – 1999 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)

このとおり報告書を読みまくるのがthe best wayだとバフェットは言っています。

3 日本の会社の業界について学ぶなら「有価証券報告書」を読む

バフェットの言うレポートは、アメリカであれば10-Kと呼ばれる法定開示資料が主なものです。

日本で読むべき報告書はどれか。

日本では、有価証券報告書がこれに該当します。

有価証券報告書は、金融商品取引法に基づいて開示すべきとされる会社についての資料です。上場会社は基本的に1年に1回発行して公開されており、誰でもインターネット上で読むことができます。

EDINETが正式なウェブサイトですが、EDINETをわざわざ経由する必要はなく、「トヨタ 有価証券報告書」等検索すればトヨタの会社ウェブサイトのIRページにすぐ飛べます。

有価証券報告書こそが、日本の上場会社について手に入る最も堅く信頼できる情報を豊富に含んだ文書であり、上場会社の情報を知りたいならこれを一番信用すべきです。

会社は有価証券報告書に虚偽記載をしたら法律上罪に問われます。市場を欺く重罪というわけです。

4 ライバル企業のも読む、過去のものも読む

ある業界のビジネスについて知りたければ有価証券報告書を読むのがよいのはわかりました。

では、どう読むべきか。

バフェットは2つヒントをくれています。

(1) 当該業界の複数の企業の有価証券報告書を読む

ある業界の1社の有価証券報告書を読むだけでなく、数社の有価証券報告書を読みましょう。

もし私が、保険業界について何も知らずにゼロから始めるとして何か専門知識を身につけたいと思ったら、おそらく手当たり次第に損害保険会社の報告書を全部読むでしょう。

I would say that if I started the day fresh and I didn’t know anything about the insurance industry to speak of, and I wanted to develop some expertise, I would probably read the reports of every property-casualty company around.

Afternoon Session – 1999 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)

複数の同じ業界の会社の有価証券報告書を読むことで、共通している点と違っている点が浮き彫りになり、業界の特徴を掴むことができます。

(2) 過去の有価証券報告書も読む

現在の有価証券報告書を読むだけでなく、過去の有価証券報告書も読みましょう。

過去のレポートも読みます。最高のマニュアルを手に入れて読むと思います。

I would go back some time and I would probably get the best manuals and look at them.

Afternoon Session – 1999 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)

過去から現在の会社の有価証券報告書を読むことで、どの会社も売上が右肩上がりならば、成長業界だとわかります。

どの会社も売上が伸びていないならば、業界が停滞している可能性があります。

停滞業界の中で売上を伸ばしている会社があれば、業界内の革命児のような存在かもしれません。

その業界は設備投資額が大きくて多くの有形固定資産を持つ会社が多いのか、資産はあまり要らない業界なのか。

利益率は高いか、従業員数は多いか。

多くのことが有価証券報告書を丹念に読むことによってわかります。

5 業界地図等のまとめを読むのでは「自分の考え」が得られない

業界知識を身につけようと思うなら、『業界地図』や『よ~くわかる』と言った本が思い浮かびます。

著:東洋経済新報社, 編集:東洋経済新報社
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業界内の主要企業が概要とともにリストアップされ、図も豊富で読みやすいです。

こうした本ではなぜいけないのでしょうか。

ダメということはなく、最初の手掛かりとしては悪くないと思います。

業界にどんな企業がいるかわからなければ有価証券報告書も探せません。

しかし、こうしたまとめ本は知識を定着させるのには向いていません。

自分の知識が身につかないからです。

まとめ本をよく読むのと、有価証券報告書を自力で読むのとでは、しっかり読んだ後の効果が違います。

自分で有価証券報告書を考えながら読むと、自分なりのアイデアが思い浮かび、他人に説明できるようになります。

まとめ本はそうした深い知識が手に入りません。

まとめ本はどこかの一次情報を寄せ集めた二次情報掲載本です。

一次情報である有価証券報告書を読んで自分で考えるほうが深くて良い知識が手に入ります。

『業界地図』の方が、自分より詳しそうな人がまとめた本で、知識のない自分が難しそうな一次情報を有価証券報告書から読み取るよりよいと思うかもしれません。

しかし、良い学習とはそういうものではありません。

自分の考えて自分なりの考えを形成するのが重要です。

考えることを他人に頼っても何も得られません。

バフェットも自立して考えることをアドバイスしています。

自分の意見に賛同してくれる人を探し回ってはダメです。自分の言っていることをわかってくれる人を探してもダメです。自分で考えなければならないのです。そうしていれば、やがて何か見えてくるはずです。

you can’t look around for people to agree with you. You can’t look around for people to even know what you’re talking about. You know, you have to think for yourself. And if you do, you’ll find things.

Afternoon Session – 1999 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)

6 有価証券報告書が難しすぎる人はどうすればいいか

有価証券報告書を読んでみた。

素晴らしい行動力です。

でも難しすぎて何を言っているかわからない。。

そう思う人はたくさんいるはずです。

有価証券報告書という宝を上手に活用するにはどうしたらいいのか?

(1) 有価証券報告書は軽々と読めるものではないと知る | 心構え

有価証券報告書はそんなに簡単にすいすい読めるものではありません。

バフェットの右腕であるチャーリー・マンガーもそう言っています。

マンガー

比較的シンプルなビジネスであっても、本当に理解しようとすると、簡単にはいきません。アニュアルレポートを読むには時間がかかるということです。

バフェット

そのとおりです。私たちが本当に興味のあるビジネスでは、ある程度飛ばすべきところと読むべきところが分かっていても、平均してレポートに45分とか1時間とかかかると思います。

CHARLIE MUNGER: What I find is that it takes a long time to read the annual report even if it’s a comparatively simple business, because if you really are trying to understand it, it’s not a bit easy.

WARREN BUFFETT: Yeah. I would say that, on average, in a business we’re really interested in, even though we know what to skip, to some extent, and what to read, I mean, it’s going to be 45 minutes or an hour on a report.

Morning Session – 1996 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)

バフェットほどのレポート大好きな株式投資の神様が読んでも45分や1時間といった時間がかかります。

簡単にササっと読めるものだと思って読んではいけません。

それではしっかりした知識が身につかないのです。

「なんとなく短時間にそれらしい知識を手に入れよう」と思うなら、有価証券報告書なんて読む必要はありません。

多くの人はそれに時間を割きません。軽くなんとなくネットや本を読んだりして、何も知らないのに知った気になって知ったかぶりになって終わりです。

これが多数派です。

ツイッター上でも知ったかぶりは多い。

現実社会でもそう。大企業も特にそう。

こうした多数派にならないようにしよう、というのが本記事のメッセージでもあります。

(2) 会計を勉強せよ

有価証券報告書を読むには、知識ゼロでも読める部分はありますが、会計知識があった方が断然有利です。

「会計、、何それ?」という人は簿記3級から会計の勉強をすべきです。

会計はビジネス言語です。会計を学んで有価証券報告書を読み進めればビジネスパーソンとしての知識が手に入り、仕事や転職で有効活用できます。

▼初心者の会計の学び方についての過去記事

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