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新人弁護士には最初の就職先は法律事務所が企業よりもおすすめ

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司法試験合格後、就職先として企業か法律事務所のどちらか迷っている人へ。

法律事務所への就職をおすすめします。

勉強してきたことが活かせますし、法律実務家として力を付けられるのは企業より法律事務所の方だと思います。

企業は法律事務所に就職した後でも転職できます。

 

他方で、「迷わず企業」という人は企業への就職で問題ありません。

 

(2019年11月3日改訂)

 

 

1 法務実務能力が身につくのは圧倒的に法律事務所である

企業と法律事務所、学んできた法律知識を活用して仕事ができるのは、法律事務所です。知識の実務への適用を活かせるのも法律事務所です。

 

なぜか。

 

法律事務所の方が、法的知識のアウトプットに対するストレス、プレッシャーが圧倒的に大きいからです。

 

法律事務所の弁護士は、クライアントから対価をもらうには何らかの法的な(それっぽいものを含めて)アウトプットを示さなければなりません。自分の知見を切り売りするのです。よっぽど鈍感な人でなければ、これはけっこう苦しいことです。

「私はこんなことをやりましたので〇〇円支払ってください」と請求しなければならないのです。

 

イソ弁、アソシエイト弁護士は、そうしたプレッシャーのかかるボス弁、パートナー弁護士の下で働きます。ストレスを日々感じている人の下で働けば、必然ストレスフルな就業環境になります。

 

ストレスを感じているだけで力が付くわけではありません。しかし、リサーチをするにも文章を書くにも、このプレッシャーが大きな明暗を分けます。

クライアントから意味不明な質問をされ、答えがないとわかっていても、誰にも質問できません。何とか回答を作らないといけないのです。この「誰にも聞けない・自分でどうにかするしかない」というのがキーです。パートナー弁護士に聞いてもわからないので、自分で一次的に処理しなければならないのです。

 

ストレスがかかると、リサーチも真剣・入念に行います。文章を書くにも、論理的におかしくないかなどしっかりチェックします。これを継続的に続けていくと、続けていない人との差は歴然となります。

文章をきちんと推敲する人習慣が付いている人と、「推敲?何それ?」という人は分かれるんだなあといくつかの職場で働いて気がつきました。

 

法律事務所でもこうした経験が積めるかどうかは、事務所(というよりもボス弁、兄弁)によりますので注意が必要です。

 

これに対して、会社は違います。定期的な給料をもらうので、業務への対価性が乏しいのです。在籍しているだけで給料が出ます。

 

わからないことがあると、自分で調査や整理もせずにすぐに顧問弁護士に質問します。「顧問料の範囲内だから」ということでどうしようもない質問も簡単にします。この簡単な「答え」へのアクセスが問題発見能力や解決能力の成長を阻害しています。企業法務部員は、自分の成長のタネを外部法律事務所に投げてしまっているのです。

 

簡単に言って、法律事務所に比べると企業の法務部はぬるま湯です。

 

 

会計士の業界も同じらしく、監査法人から日系大企業に転職した会計士が、こう評してました。

「(大企業は監査法人に比べて)ぬるま湯だよね」

 

そして、こうも言っていました。

「いつも勉強してた。業務に必要だから。今は全く必要ないから勉強する気は起きない。」

 

法律事務所と企業法務部、所属している当人たちは自覚がないと思いますが、法的問題解決能力の差は日々開いていきます。

 

 

2 法律事務所で勤務してこそ「弁護士」としての希少性が発揮される

新卒で弁護士になって最初に企業に入ると、その人は一般的な「弁護士」の範疇には入りません。ただのサラリーマンです。

法律事務所という謎の専門家集団の中で働いていた、ということが重要なのです。

 

 

3 法律事務所から企業へは転職しやすいが、企業から法律事務所へは転職しにくい

上記2のとおり、法律事務所勤務経験というのは企業からすると珍しい(いわゆる「弁護士先生」を雇用できる機会)といえます。また、上記1のとおり、法務部員に比べると外部法律事務所の弁護士の方が法務実務の処理能力は高いです。

「先生」といって高い報酬を支払っていた身分のお方を会社員の給料で使えるというお得感があります。

 

法律事務所の仕事で、企業就業経験が役に立つかというと、役には立ちますがなくても問題ありません。

それよりも結局法律事務所業務を高いレベルでできるかどうかが重要であり、企業での経験はほとんど活きません。

 

「会社の内部のことを知っており、クライアントの真のニーズを理解した・・・」といったありがちな企業勤務経験者のアピールがありますが、ほとんど意味がありません。

 

1社か2社で経験したくらいでクライアントの真のニーズがわかるようになるはずがないのです。

 

また、企業のゆるやなか環境に慣れてから法律事務所に移籍するのは正直言ってしんどいです。

 

私の周辺の法律事務所からインハウスローヤーになった人は声をそろえて「法律事務所には戻れない」と言っています。私もそう思います。

 

 

4 有識者(法律事務所・企業両方の経験者)は語る「まず法律事務所に行くべきだ」

最近、複数の「法律事務所→インハウス」転身をした弁護士に質問しました。 

最初は法律事務所に行くべきとの意見です。

 

にゃんがー 新人弁護士は、法律事務所と会社、どちらに就職するのがよいですか。
有識者 法律事務所です。
にゃんがー なぜですか。
有識者 弁護士としての基礎的な力が身につけられるからです。
弁護士業界には、徒弟制度のような発想があり、最初の2,3年はよい「師匠」のような人について仕事を覚えるのがいい。
にゃんがー 最初から会社法務部に就職するのはどうですか。
司法修習を経て弁護士資格を持っています。
有識者 会社に入ると「リーガル」人材にはなれません。
にゃんがー それはどうしてですか。
有識者 会社に入れば先輩も上司もサラリーマンです。
サラリーマンとして育てられ、リーガルというよりサラリーマンになってしまいます。

 

 

司法修習生も法務専門の転職エージェントに相談できるので、就活で悩んでいる人は相談してみましょう。

 

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