仕事のやる気がなくなる職場の特徴とは

仕事 やる気 職場
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「仕事のやる気が出ない。。」

「今日もあの人と顔を合わせるのか。。」

職場に行けばこんな風に思う。やる気を奪う職場があると思います。

やる気がなくなる社員は、好きでやる気がなくなっているわけではない。やる気が出るならやる気を出してバリバリ働きたい。

でもとてもそんなことが思える職場ではない。

給料のために毎日会社に出かけて疲弊し、週末にほっと一息ついたと思ったらすぐに月曜日がやってくる。

そんな多くの人が忌み嫌うやる気を奪う職場とは。

結論を先にいうと、やる気を失わせる職場とは、イマイチなチームだということです。

目次

1 やる気をなくす職場ではチームが最悪

業績を高めるには、企業文化や従業員個々人ではなく、「チーム」に焦点を当てねばなりません。

(マーカス・バッキンガム=アシュリー・グッドール「チームの力が従業員エンゲージメントを高める」ハーバード・ビジネス・レビュー2019年11月号28ページ)

「チーム」とは、〇〇部や△△本部といった組織上の部門ではなく、非公式に柔軟に生み出される複数名の仕事の同僚による業務遂行活動隊とでもいうべき存在です。

これはどの職場でもたくさんあります。同じ部門間、あるいは異なる部門間でちょっとしたチームが知らぬ間に結成されます。すぐ解散する場合もあれば、いつの間にか長期間に及ぶこともあります。

こうしたチームでの働きが各従業員の満足度(エンゲージメント)と生産性にかかわります。

これが大いにやる気にかかわるのです。

仕事でダメチームに所属しているとやる気が激減する。

2 チームでの働きが仕事のやる気に関わる理由

仕事 チーム

やる気を持って働くには、良いチームに属することが大事です。

どうしてチームが重要なのでしょうか。

エンゲージメントと生産性において個人さが生じる最大の原因を突き止めようとし、最も強力な要素が判明した。
それはひとえに、「業務の大部分をチームで行っている」と回答したかどうかだった。

マーカス・バッキンガム=アシュリー・グッドール「チームの力が従業員エンゲージメントを高める」ハーバード・ビジネス・レビュー2019年11月号

「チームで仕事をしている」と答えた回答者グループでは、エンゲージメントの高い従業員の割合が「1人で仕事をしている」と答えた回答者グループの2倍以上だった。

同上

このとおり、チームで仕事をしていると回答した人の方が、1人で仕事をしていると回答した人よりも満足度が高いのです。

同論文の筆者らはこう言います。

  • 職場での生の体験、つまりは一緒に仕事をする同僚と、同僚とのやり取りが何物にも勝る力を持っていた。
  • チームの中にこそ、職場における従業員経験の本質がある。
  • チームでは、自分の担当職務が誰かの担当職務に関わり、メンバー同士で各自の強みを補っているように感じるものだ。左右の肩越しに誰かがのぞき込み、寄り添ってくれる。あなたの信頼を裏切らず、あなたの仕事に対して何らかの反応を示し、あなたの価値観に賛同してくれる。心理的に参っていれば手を差し伸べ、行き詰った時にはアドバイスをくれる。
  • こうしたチーム経験の質こそ、従業員経験が備えるべき質だ。

多くの職場では、他の誰かと関わり合いを持たずに仕事をすることができません。

何らかの協力や相互依存的な関係を持って働いています。

簡単に言ってしまえば、職場内の人づき合いが仕事満足度に大きく影響し、「辞めたい/辞めたくない」と思うことへの決定的な要因となるのです。

これだけ職場のエンゲージメントに関わる要素である「チーム」がもしイマイチなら。

それは個人の仕事のやる気を大いに削いでしまいます。

3 やる気を出して働く唯一の方法

同論文は、やる気がなく嫌々なんとなく出社している社員を「惰性出社従業員」と呼んでいます。

こうした人達のやる気を出す唯一の手法は、これです。

チームの必要性を認識させる

従業員エンゲージメントと生産性を高めたいなら、まずは組織にチームの存在が見えづらい理由を理解し、それがいま、どう変化しているかを確認しよう。そのうえで、チームでの経験向上のために資金やエネルギーを投じなければならない。

マーカス・バッキンガム=アシュリー・グッドール「チームの力が従業員エンゲージメントを高める」ハーバード・ビジネス・レビュー2019年11月号

職場において「チーム」がいかに重要なのか理解する必要があるということです。

4 最悪のチームの5つの要素

チームを良くするための5つのポイントが前記論文で示されています。

これもまた別の使い方をすると、この5つが「最悪のチーム」の要素を示していることになります。


(1) リーダーが信頼されていない

業績の優れたチームと芳しくないチームを分ける最大の要因はリーダーへの信頼度です。

信頼されていないチームのメンバーがやる気がないのは容易に想像ができます。

そしてポイントは、リーダーはそこそこの信頼されているのでは良いチームとしては不十分すぎるということです。

「まあまあ信頼されている」程度のリーダーのいる職場ではメンバーのやる気はあまり上がりません。

①「チームリーダーを信頼している」に強く同意するメンバー

②「チームリーダーを信頼している」に同意しないメンバー

調査では、①のメンバーは、高エンゲージメント従業員と見なされる割合が②の8倍に達したそうです。

リーダーへの信頼は疑う余地のないほど深いものでなければならない。単に「チームリーダーを信頼している」に同意しただけでは、「リーダーをまったく信用していない」と回答した者とエンゲージメントの水準がほぼ同程度だった。信頼が効果を発揮するには、全幅の信頼でなければならない。

マーカス・バッキンガム=アシュリー・グッドール「チームの力が従業員エンゲージメントを高める」ハーバード・ビジネス・レビュー2019年11月号

「疑う余地のないほど深い」信頼。

リーダーに要求される信頼水準はかなり高く、大変なレベルです。

単に「チームリーダーを信頼している」では、「まったく信用していない」とほぼ変わらないのです。

多くの職場では低気力で働く社員がたくさんいるでしょう。

ではどうしたらいいのか。

メンバーのやる気が出るには、メンバーが次の2点で満足する必要があります。

①メンバーは、仕事上で自分に期待されていることを明確に理解している

②メンバーは、仕事で毎日強みを発揮するチャンスがある

つまり、メンバーが上記①と②について、アンケートを受けて次のように答える環境を作るのが最高のリーダーなのです。

はい。いずれもそのとおりです。

私は①仕事上で自分が期待されていることが何かよくわかっています。

また、②私の強みとなる仕事をする機会を与えられています。

これは納得です。

「上司の言ってることよくわかんないんだよな。一体何すればいいの?」と愚痴る人も会社員には多いでしょう。この逆の環境が大事なのです。 

「私の長所を理解したうえで、長所を発揮できる仕事を与えてほしい」というのがメンバー全員の本質的な要求であり、高業績チームを支える基盤なのだ。

マーカス・バッキンガム=アシュリー・グッドール「チームの力が従業員エンゲージメントを高める」ハーバード・ビジネス・レビュー2019年11月号

上司は、目についた部下の短所をとりあえず指摘するなんてことを雑にやっていてはいけません。

やる気が激減します。


(2) チーム内でお互いの目配りがない

自分以外のチームメンバーの様子は一切知らない。

困っていても自分には関係ない。

これは良いチームでしょうか。悪いチームでしょうか。

悪いチームだという人がほとんどのはずです。

良いチームたらんとするならば、メンバーの放ったらかしは厳禁です。

放ったらかしにされていれば大事にされていないと感じて仕事への熱意は下がってしまいます。

では目配りを感じさられるようにするにはどうしたらいいのでしょう。

リーダーと各メンバーが対話するちょっとした場を頻繁に設けるとメンバーのエンゲージメントが向上します。

ちょっとした対話で何を話せばいいのか。 

リーダーは以下2つのシンプルな問いかけするといい。

  1. 「あなたの今週の優先業務は何ですか」
  2. 「私に手助けできることはありますか」

そうして、メンバー一人ひとりが実力を発揮するために必要な目配りを確実に受け取れるようにする。

こうしたやりとりがない職場ではメンバーは徐々にやる気がなくなっていくかもしれない。

各メンバーを活気付けるポイントと未来に焦点を当て、欠点の是正ではなく強みに基づいて対話するのである。

よいチームでは、こうした対話が頻繁に行われなければいけません。

データには、対話の頻度が重要だということがはっきりと表れている。

対話の頻繁性を考えると、チームの大きさ(何人くらいで構成すべきか)は重要な要素です。

チームの大小も仕事のやる気に関わります。

私は大きすぎるチームは嫌です。 

エンゲージメントを高める主な原動力が、対話の場と目配りであることを踏まえると、「目の届く範囲」をいかに定めるかが重要だ。従業員のエンゲージメントを高めるスパン・オブ・コントロールは、リーダーが年間を通して毎週、メンバー一人ひとりと一対一で対話できる範囲でなくてはならないことが調査で明らかになっている。

階層の増減や組織改編によって、こうして頻繁に目配りできなくなれば、最終的にはエンゲージメントの低下、燃え尽き、離職につながる。


(3) ともに学ぶことがない

共同で学習する機会のないチームはイケてない。

従業員を個別に「チームビルディング」研修に送り込んで学ばせても効果は乏しいです。研修と実際のチームの環境はかけ離れているからです。

ではどうしたらいいのか?

前記論文ではここの部分の提言は弱かったです。IT企業のシスコで実施している「チームで学ぶトレーニングが好評」と紹介しているだけだからです。

その紹介部分を善解すると、このように説明しています。

「エンゲージメント・レベルについて話し合い、メンバー相互の理解を深め、どう成長するかを話し合い、考えるスタイルのトレーニングがうまくいっている。」


(4) 出社強制

新型コロナ感染症が流行する前の調査でもすでに在宅勤務者の方が高エンゲージメント従業員の割合が高かった。

従業員のエンゲージメントを高めるには、毎日の出勤を義務づけるべきではないことが明らかだった。

エンゲージメントで重要なのは「どこで働くか」ではなく、「誰と一緒に働くか」である。

ウィズコロナの世界では、在宅勤務はかなり普及しており、オフィスよりも在宅勤務を好む従業員が多いことは実証されているといえます。

「とりあえず出社しろ」という職場でやる気が出ないのは、不合理なためしょうがない。


(5) いつでも集中を求められる(他の活動は一切できない)

仕事のエンゲージメントを高めるには、その当該仕事を1つだけ専念してやるよりも、サブの業務や仕事を持つ方がよい。

調査では、ギグワークのほうが従来通りの業務よりもエンゲージメントが高いことがわかっている。

エンゲージメントが最も高い就労形態は、「別々の会社で正社員の職とパートタイムの職に一つずつ就いている」だった。

正社員の職では安定性と福利厚生を手に入れ、ギグワークのようなパートタイムでは副収入のほか、心から楽しいと感じる仕事をする機会と自由を手に入れられるというわけだ。

あらゆる仕事をギグワークのようにすべきなのだ。従業員が自分の仕事をコントロールできる裁量を増やし、好きな仕事をコントロールできる裁量を増やし、好きな仕事をする機会をもっと与えるということだ。言うならば、2つの世界のいいとこ取りである。

日本大企業で悪名高い「働かないおじさん」。

毎日出社してずっとオフィスにいるが仕事は何もしない。

何もすることはないが、他のことはできない。

避難されるが本人達も楽しくはないという最悪の環境です。

仕事には繁忙期もあれば閑散期もあり、状況に応じてあれをやったらこれをやったり柔軟性があった方がいい。

悪いチームというのは、こうした柔軟性がありません。

日本で、他社で2つ目の仕事を手に入れるのは難しいですが、そこまでやる必要はありません。

組織図上に記載されている定着した「ホームチーム」で安定した職に就きつつ、同じ組織の中でもう一つ「副業」を得て、機動的なチームに参加する機会を途切れることなく手に入れる。こうしたチームに対して従業員が持ち込める最大の価値は、それぞれが独自に持ち合わせている素晴らしい強み、一味違う強みである。

これは、通常の職務設計やキャリアパス設計の方法とは異なるが、エンゲージメントを最も高める可能性を秘めている。

上記の示唆からすると、今はやりの副業をしたり、会社内で他部署とのサブ業務を増やして働き方の柔軟性を高めることがよいということになるでしょう。

5 最悪のチームで働いてはならない

あなたが今働いている職場は、前記で紹介した以下の「最悪な職場の5要素」をどれくらい満たしていますか?

  1. リーダーが信頼されていない
  2. チーム内でお互いの目配りがない
  3. ともに学ぶことがない
  4. 出社強制
  5. いつでも集中を求められる(他の活動は一切できない)

それぞれ程度も当然ありますが、これらの多くがあてはまり、仕事にやる気が出ないのであれば、大問題です。

やる気が出ないで仕事するのはそれ自体がきついですし、学ぶ意欲も出ませんのでスキルを身につけるという観点でも-です。

こうした悪いチームから良いチームに移ることがもしできたら。

その場合には大いなるストレス軽減が期待できるでしょう。ただストレスが減るだけでなく、そのストレスはやりがいを伴う心地よい疲れに変わる可能性を秘めています。

人間関係のストレスがあまりなく、「よし、やるぞ!」と仕事で感じられたらどれだけいいことか。

6 最悪のチームにいてやる気が出ないなら

今のチームが良くない。

これはゆゆしき事態だ。

どうしたらいいのか。

今の職場のチームを改善する。

それが無理なら転職するしかありません。

(1) 職場を良くする

職場環境を改善するには。

① チームリーダーシップを発揮する。チームビルディングをする。

リーダーシップを発揮するには、部長や課長といった部下持ちでなくてもかまいません。他の人とチームを構成する際に、「全幅の信頼」を置いてもらえる存在を目指しましょう。

② 上司をマネジメントする

上司を「全幅の信頼」をおける存在にするよう日々行動してみましょう。

上司を良い上司に仕立てるということです。

週に1回の対話の場を設ける、その場で「私の今週の優先業務はこれです」と「上司に手助けしてもらいたいことはこれです」と言いましょう。

「仕事上で自分が期待されていることを明確にしたいです。私の強みとなる仕事をする機会を得たいです」と言えるようにしましょう。上司とその理解を共通化しましょう。

これはかなり困難な大事業ですので、時間をかけてやりましょう。

上記①と②に根気よく取り組んである程度成果が上げられるようになったら、立派なリーダーの資質を有していることになります。

上司との関係改善については以下の記事が参考になります。


(2) 転職する

ダメ会社を良くするのはそんな簡単にはできません。

上司かあるいは自分が都合よく異動になるとも限りませんし、ブラック気質な企業だと人の入れ替わりがあってもチームはひどいままです。

今いる会社に希望が持てななら転職を検討することを強くおすすめします。

私は転職で辛い職場ややる気が出ない職場から脱出に成功してきたと思っており、職場が嫌に思っている人に対しては心から転職することを勧めたいと思っています。

転職をする際には、「よいチーム」に入れそうか見極めましょう。

そうすると、面接の際には、「チーム」についての質問をすることになります。

「どんな会社ですか?」とか「どんな従業員研修がありますか?」と質問するよりも具体的で他の応募者がしない視点でよい質問ができるはずです。

今一緒に働いている上司や同僚がちょっと、、という理由で転職を考えることは罪でもなんでもありません。

自分の持てる時間や労力をより良い環境で使おうというのは極めて健全で合理的な考え方です。

「逃げる」なんて表現する必要はありません。自分が働く場所を厳選し、自らキャリアを切り開いていくのだと考えるべきです。

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