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転職エージェントとは | 正しい選び方・使い方

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転職エージェントは費用無料で何をしてくれるのか

「転職しようと思うけど、転職エージェントは使った方がいいのかな」

 

このように考える人向けの転職エージェントの説明記事です。

 

「転職エージェントは無料なので積極的に活用すべき。しかし、頼りすぎず注意して相談する」というのが私のおすすめです。

 

(2020年2月23日改訂) 

 

1 【なぜ無料】転職エージェントのビジネスモデル・ピンハネ

人材紹介会社、転職エージェント

 

転職エージェントは、人を採用したい企業に希望者を紹介する人です。

人材紹介会社です。

 

人を企業に紹介して、入社すると企業から成功報酬としてお金をもらいます。

人材紹介会社の利用は常に無料で、そこからどんなに条件の良い転職先が得られたとしても、サービスの利用料として1円もお金を負担する必要はありません。
これは、職業紹介事業者は求職者から報酬を受け取ってはいけないと、法律に定められているからなのです。
(和多田保『ブランディング転職術 (「自分」というオンリーワンの商品を高く売ろう!)』(スダンダーズ・プレス、2019年6月)31ページ)


どのくらい人材紹介会社は儲かるのか。

 

かなり儲かります。

年収の30~40%くらいを紹介料として企業から徴収するのです。

 

転職エージェント経由で採用が確定した際、転職希望者(求職者)の初年度の賞与や諸手当を含む年収の一定割合を紹介手数料として支払う。その紹介手数料は、業界の慣習から年俸の35%が相場だ。

(「高額案件で稼ぐ転職紹介会社の舞台裏」東洋経済2019年9月28日号43ページ) 

 

人材紹介会社で上場企業であるMS-Japanの有価証券報告書では次のようにビジネスモデルの説明がされています。

 

当社の主な事業である人材紹介事業は、転職を希望する求職者が当社に登録を行い、当社のカウンセリングを通じて転職先を紹介する一方で、採用企業側に対しては必要な人材のニーズを当社がくみ取り、当社の登録者を紹介することで双方のニーズをマッチングするものです。

 

なお、当社に登録された求職者の採用が決定し、求職者が内定を承諾し、入社した場合に、当社は採用企業側より手数料を得る成功報酬型を採用しております。

 

私が見たことのある転職エージェントと採用者との契約では、通常の報酬は年収の35%でしたが、30%に減額されていました。

 

2 転職エージェントは分業型と両面型とがある

転職エージェント(人材紹介会社)は、その求人紹介の仕方で、「分業型」と「両面型」とで分けることができます。

分業型・両面型というのは、JACリクルートメントが使っている言葉です。

 

(1) 分業型転職エージェントは大手で多いスタイル

分業型転職エージェント

企業と転職希望者ごとに担当者を分けるのが「分業型」のビジネスモデルであるというのがJACリクルートメントのウェブサイトでの説明です。

分業型では、転職エージェント(人材紹介会社)の組織の中で次のとおり役割分担がされています。

 

企業担当:クライアントたる企業に営業し、「採用したい」という要望を取ってきます。

求職者担当:求職者の相談に乗り、当該会社の手持ちの求人情報を紹介します。

 

分業型は、基本的に大手人材会社が採っているスタイルです。リクルートエージェントやdodaなどです。

大手はスタッフが多いため、分業させることが可能になるのです。

 

①分業型スタイルのメリット

求人数が多くなることです。企業担当者は、求職者との面談をせずに営業に専念できるため、たくさんの企業から求人情報を集めることができます。

また、求職者担当は、転職相談に専念できるため、全般的に相談スキルが高めです。

転職初心者には分業型の大手転職エージェントは相談しやすいです。

全員が全員相談しやすいわけではないですが(私が相談したリクルートエージェントの1人目はよくなかった)、交代もしてもらえるので大手は使い勝手がいいです。 

www.career-rule.com

 

 

②分業型スタイルのデメリット

求職者担当が企業相手を直接していないため、その企業について詳しくない、というのがデメリットです。

普段は直接やりとりしていないため、しょうがないですが、そのため相手(企業)の足元を見た押し込み決定力は両面型より弱いといえます。

 

(2) 両面型転職エージェントは中小で多いスタイル

両面型転職エージェント

「企業の人材ニーズのヒアリングと、転職希望者に対する転職サポートの両方を一人のコンサルタントが行う」のが「両面型」のビジネスモデルです(JACリクルートメントウェブサイト)。

 

両面型では、転職エージェントは自ら企業に営業し、求職者の相手もします。

主に中小の転職エージェントが採るスタイルです。JACリクルートメントは大手でありながら両面型を取る人材紹介会社です。

 

①両面型スタイルのメリット

企業に営業して自ら依頼案件を取ってきた人が求職者と直接やりとりします。そのため、企業と求職者双方を知っているため、マッチング力が高いです。

それゆえ、JACリクルートメントは「他社よりも決定力が高い」と説明しています。 

www.career-rule.com

 

このように「うまくいけば内定がとりやすい」というのが両面型の良いところです。

「双方のニーズを深く理解した上でご紹介するため、より満足度が高いサービスの提供が可能」JACリクルートメントウェブサイト)であるというのが強みです。

 

これがさらに高まると、掘り出し物を限られた人だけに紹介してくれるという絶好の機会に巡り合える可能性があります。

特定のポジションに深く食い込んでいるエージェントは、その会社だけの案件をもっていることもあります。

それに、複数のエージェントが同じ企業の求人案件をもっているということもありますが、エージェントによってその会社に対する浸透度が違い、「入りやすさ」に影響することもあります。他のエージェントは人事部員面接からなのに、ある特定のエージェントから応募したらいきなり社長面接(最終)から始まった、というのはよくある話です。

(高野秀敏『失敗しない! 転職の技術』(高橋書店、2013年))

 

②両面型のデメリット

両面型転職エージェントは、求人情報数が少ないです。

数少ないスタッフで、転職相談に乗ったり、面接の手配をしたりしながら営業もしなければいけないため、どうしても求人数が少なくなります。

JACリクルートメントは、大手で両面型担当者をたくさん揃えるとともに、高年収案件に絞るという戦略を取ることでこのデメリットに対応しています。

www.career-rule.com

 

また、「売ってなんぼ」という感じの営業感を全面に出した担当者が多く、相談がしにくいことが多いです。

両面型の方が相談する際には気をつけねばなりません。 

 

(3) 転職エージェントは分業型と両面型をうまく使い分ける

以上をふまえると、以下のような作戦でいいとこどりがよいです。

  • 分業型(大手)でたくさんの求人情報を手に入れて転職可能性を広げる
  • ここぞという応募案件は信頼できる両面型(中小)にお願いして内定確率を高める
  • 両面型(中小)にないところは分業型(大手)から応募する

 

3 転職エージェントのメリット・デメリットからすると依頼した方がいいことが多い

転職エージェント起用のメリットとデメリットを比較すると、依頼した方がトータルで勝ると思っています。
長所・短所は次のとおりです。


(1) メリット

転職エージェントに相談した場合のメリットを見てみましょう。

 

① 求人情報が得られる

転職エージェントは、求人情報を企業から集めています。そのため、求職者が転職エージェントのところにいけば一網打尽で求人情報が手に入ります。

人材紹介会社は企業から求人情報をもらって求職者を入社させねば売上がゼロになってしまいます。売上を上げるべく、転職エージェントはせっせと求人情報を仕込むのです。 

超売り手市場の中、候補者が集まりやすいということで、転職エージェンに依頼する採用が増えている。

(「高額案件で稼ぐ転職紹介会社の舞台裏」東洋経済2019年9月28日号43ページ)


② 企業とのやり取りをやってもらえる

これは大きい。

転職エージェントを使わないと、自分でメールを送ったりして応募しなければなりません。

 

以下のような悩みがなくなります。

  • 履歴書等は郵送で出すのか、メールで出すのか。
  • 他人である自分はどう自己紹介したらいいのか。
  • 面接日程の調整(「その日も都合悪いです。申し訳ありません。」というやりとり)
  • 面談後のお礼
  • 給料交渉
  • 並行して進む複数の応募先企業のプロセス管理や調整
  • 内定辞退


こうした手続きから解放されて自分のやるべきことに集中できるようになります。

 


③ 相談できる

最終的に決めるべきは自分であり、カウンセリングにはそれほど期待してはいけないとは思います。

 

「私は悩み相談室ではない」

 

という転職エージェントもいるかもしれません。

 

しかし、転職について話せる人はそんなに身近にいません。転職活動を日々見ている人と相談できるのは大いなるメリットです。

 

私はけっこう職場の不満とか話してしまいます。


④ 「紹介」という仲介機能がある

企業にダイレクトで応募すると「君は一体誰だね?」から始まります。

人材紹介会社は、「紹介」してくれるのです。この応募前の紹介というワンクッションはポイントが高いです。

企業から当該転職エージェントへの信頼度が高ければ、求職者はその信頼度を活用できます。

この仲介機能は最近注目している人材紹介会社の原始的な強みです。 

www.career-rule.com

 

 

(2) デメリット

人材紹介会社の活用はいいこと尽くめではありません。

 

① 企業が高い紹介料を負担する

採用した人の年収の35%という紹介手数料は安くありません。

 

この手数料を問題視しているのか、企業に直接応募しない態度をダメとみているのか、転職エージェント経由の人材採用をしない会社もあります。

 

また、多くの企業は、応募者直接応募ルートと、転職エージェント経由ルートの2つを並行して採用活動をしています。

こうした企業にとっては、直接応募してきた人を採用すれば紹介手数料が発生せずに済みます。

 


② 企業とのやりとりをコントロールできない

転職エージェントがいいかげんだと、会社とどんなやりとりをしているかわかりません。

求職者が応募先企業への熱く効果的な思いをメールで転職エージェントに伝えても、転職エージェントは企業に対してあっさり「御社への入社を希望しておられます」と1行メールだけ書いて終わらせているかもしれません。

 

私の体験談でいうと、あるエージェントは、応募時の私の応募理由としてメールで「給料アップを望んでおられます」とだけ書いていました。

 

いや、もっとたくさん理由あるよ!と思いました。

その応募先企業は書類落ちでした。

  

③ 応募者のことを真剣に考えず「売り物」としか考えていない可能性がある

転職エージェントの真のクライアントは企業です。

転職エージェントは、いざとなれば応募者よりも企業に有利になるように行動します。

転職エージェントは、会社から報酬を受け取ります。転職希望者からは金をもらわない、もらえないのです。

 

しかも、転職希望者よりも会社の方がリピーターになってくれます。

そうすると、転職エージェントは希望者よりも会社の意向を優先して当然です。

転職希望者との面談では都合のいいことを言っているのは会社に取り入るためである可能性は常にあります。


転職希望者が転職後どうなろうと転職エージェントの儲けには影響しません。

応募希望者が、どこかの企業に入社してしまいさえすれば、報酬が発生するからです。

したがって、「応募希望者が入社するか否か」だけが多額の報酬を受け取れるか否かを分けるのです。

なので、人材紹介業者は、求職者の将来に関心を持つ短期的なインセンティブを持っていません。

 

多少ブラックな企業だろうと転職エージェントは我関せずです。


内定者:この内定出た会社ってブラックじゃないですか?


エージェント:そうとも限りません。人によります。

 

普通の転職エージェントに登録しても「自分にピタッと合う会社」は絶対に教えてくれません。なぜなら、ほとんどの転職エージェントは短絡的な視点でしか物事を見ておらず、加えて、彼らのビジネスモデル上、1秒でも早く「企業との面接」をするよう勧めてくるのは当然だからです。

(北野唯我『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(ダイヤモンド社、2018年)7ページ)

 

 

4 転職エージェント活用時の注意点

転職エージェントは、その多くが信用できません。

私の体験上、そう思います。私が信用している転職エージェントはごくわずかです。

信用できない理由は以下のとおりです。

 

(1) 転職希望者の事情はわかりっこない

転職エージェントが転職希望者の事情を面接でよく聞いてくれたからといって「この人はわかってくれる」と信じてはいけません。

 

職務経歴書読んだり、面談したりしただけで、転職希望者のことはそんなにわかるようにならないのです。


しかも、転職エージェントは、多数の企業や他の転職希望者を抱えています。1人の希望者だけを特別扱いする余裕はありません。

 

この忙しさ、ゆとりのなさを考えると、リクルートエージェントやdodaは良い方です。大企業で多数の従業員エージェントを抱えていますから、1人当たりの案件数が少なく、余裕があるのです。


余裕があると、応募者の話をよりよく聞くことができます。

なので、私は転職初心者には大手エージェントを勧めています。 

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応募者が現職場の不満を言っても、その立場になったことはなく、その職場のことはわからないので、「そうですよね。大変ですよね。そう言った不満を抱えていらっしゃる方は他にも多くおられます。」といった無難な返答を返されて終わることは多いです。
どんなに熱く不満を語っても効果は薄いです。「うるさい人だな」と思われてしまいますので注意すべきです。

 

(2) 会社内の事情もわかりっこない

かといって、クライアントである会社のことをよく知っているかというと、そうではありません。熱心な人は、会社それ自体を調べていますが、その職場の実際の仕事や人間関係を知るはずもありません。インタビュー等から推察するほかないのです。

 

ある転職エージェントが、とある法律事務所のボスたる弁護士を「面白い奴だ。あそこで働いたらいい経験にある。」と評していました。

 

後日、私の友人からその弁護士の噂を聞きました。超絶パワハラ弁護士だということです。アソシエイトに対する強烈な嫌がらせパワハラ行為を聞き、驚愕しました。パワハラ弁護士も、転職エージェントや外部には人当りがいいのです。

 

5 正しい転職エージェントとの付き合い方

転職エージェントの言うことをなんでも信じてはいけません。

どうすればいいのか。

 

長年にわたる転職活動で考えた転職活用法は以下のとおりです。

 

① 「転職した方がいいですか?」と転職エージェントに聞くべからず

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"Don’t ask the barber whether you need a haircut."

(髪を切った方がよいかを美容師/理容師にたずねてはいけない)

ーウォーレン・バフェット

 

M&Aのアドバイザーが会社社長に「M&Aしましょう」と猛烈にプッシュすることについて皮肉ったバフェットのコメントです。

 

アドバイザーは、クライアントたる企業がM&Aをやって初めて手数料がもらえます。

 

転職エージェントも、応募者が転職して初めて手数料がもらえます。

 

転職エージェントは「転職しましょう!」という動機に溢れています。

 

転職エージェントをあまり信じず重要なことは自分で判断しなければなりません。

 

考えたり、重大な決断をしたりは自分ですべきです。

転職エージェントに頼らない方がいいです。転職エージェントは使うもの、という考えが大事です。


② 複数のエージェントに相談する

このサイトで繰り返しお勧めしています。複数のエージェントに会いましょう。

比較してはじめていいか悪いかが判断できます。

転職情報を得つつ、「この人は比較的信用できる」「この人は全然だめだ」といった自分なりの考えができてくると思います。

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③ 信頼できるエージェントを見つける

たくさんのエージェントと会い、批判的に評価していれば、信頼できるエージェントが登場するはずです。

転職の成功にはこうした出会いも大事です。

 

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