年収で嫉妬すれば簡単に惨めな人生を過ごせる

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(2021年8月12日)

他人を羨む気持ちは誰にでもある。

  • 有名大企業や外資系企業に勤務する同期の友人の年収が圧倒的に高い。
  • 同僚が先に出世した。給料も大幅に上がったに違いない。
  • 金持ちの家に生まれてたらなあ。
  • 帰国子女は英語で苦労しなくて羨ましい。

しかし、他人を羨むことは自分の人生の質向上につながりません。むしろ自分の人生にマイナスになる考えです。

自分の人生に集中してこそ幸せに近づけます。

目次

1 儲ける他人を羨むのは大罪

他人を羨むのはやめるべきです。

誰かが自分よりも速く儲けていることを気にするのは、大罪です。

誰かをうらやむことは、本当につまらない、どうやっても楽しむことのできない唯一の罪です。

痛みは大きく、少しも楽しくない。

そんな道を進む必要があるのでしょうか。

(チャーリー・マンガーの発言。マイケル・バトニック『ビッグミステイク レジェンド投資家の大失敗に学ぶ』(日経BP、2019年9月)172ページ)

これは、ウォーレン・バフェットの60年来のビジネスパートナーとして知られ、自身は弁護士から投資家に転身して大成功した(資産20億ドルを築き上げた)チャーリー・マンガーが、自らが会長を務める会社の株主総会開会で述べた言葉です。

他人を羨んでも仕方ありません。自分には何の見返りもないんです。

働いている人であれば、他の人は仕事内容や自分の経験等を含めて違う環境におかれているのですから、他人をとやかく言ってもしょうがありません。

自分と他人は違います。
物理的に全く違う。脳、目、鼻、耳、一切の身体が少しも同じではありません。
考えや思考を共有することも無理です。映画「パシフィック・リム」では思考を共有して巨大ロボットを操縦してましたが、現実には難しい。

他人を羨むということは、他人の人生を真似たいと思う心の表れなのです。
そのような不可能なことは考えるべきではありません。

不可能事を追い求めることは狂気の沙汰である。

マルクス・アウレリウス「自省録」 (講談社学術文庫)83ページ)

ローマ帝国の五賢帝の一人、「哲人皇帝」マルクス・アウレリウス・アントニヌスはこう言います。
そして、以下のようにも述べています。

だが、かかる行動を愚劣な人間がとらぬということは不可能なことである。

知らず知らずのうちに不可能を追い求めてしまう心理に注意を払わねばなりません。

2 他人への嫉妬・羨望は人間を惨めにする

人は、物事を何かと比較して物事を判断します。

自分が経済的に勝ち組か負け組か、他者との経済力で判断するわけです。

年収や資産です。

この比較は、自分に惨めさをもたらすものにもなり得ます。

相対性は人生における決断を助けてくれる。

けれども、わたしたちをとんでもなく惨めな気持ちにさせることもある。なぜだろう? 嫉妬やひがみは、自分と他人の境遇を比べるところから生じるからだ。

モーセの十戒で、“隣人の家、畑、男女の奴隷、牛、ろばなど、隣人のものを一切欲しがってはならない”(『聖書 新共同訳』)と戒めたのも、それなりの理由があったわけだ。わたしたちが生まれつき比較するようにできていることを考えると、十戒のなかでもこの戒めに従うのがいちばんむずかしいかもしれない。

(ダン・アリエリー『予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2013年8月)46ページ)

他人の経済力を羨むな、というのは聖書にも書かれる戒めの一つです。

嫉妬・羨望にはとりわけ注意せよとチャーリー・マンガーは言います。

羨望と嫉妬は、十戒に含まれていただろうか。子どもを育てたことがあるなら、あるいは、法律事務所や投資銀行、大学の経営に携わったことがあるなら、羨望の怖さを知っているのではないだろうか。バフェットが「世界を動かしているのは欲望ではなく羨望だ」と言うのを私は何度も耳にした。

(デビッド・クラーク『マンガーの投資術 バークシャー・ハザウェイ副会長チャーリー・マンガーの珠玉の言葉 富の追求、ビジネス、処世について 』(日経BP社、2017年)254ページ)

人は、他人を羨んで行動に駆り立てられるのです。

恐ろしい感情です。

3 他人との給料比較で自分を痛めつける

自分の年収が、自分と同レベルの人より低い。

これは強く意識すると強烈に嫌な気持ちになります。

このことを示すある話を紹介します。

マンガーが語った「投資銀行」に近い業種で非常に給料が高い会社の経営者が、給料と従業員の嫉妬について悩みを語る話が『予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』に紹介されています。

数年前の話だが、あるとき大手の投資会社の経営幹部のひとりと会談した。いろいろ話しているうちに、その人は、このあいだひとりの社員が給料のことで文句を言いにきてねと語りだした。
「わが社に来て何年だね」と、幹部は若い社員に尋ねたそうだ。
「3年になります。大学を出てすぐ入社しました」
「では入社したとき、3年後の年俸はどのくらいだと考えていたのかね?」
「10万ドルは欲しいと思っていました」
幹部は社員の顔をまじまじとながめた。
「だが、きみのいまの年俸は30万ドル近いじゃないか。それで何が不服なのかね」
「ええ、ただ……」若い社員は口ごもった。「デスクが近い同僚ふたりが、働きぶりはぼくとたいして変わらないのに、31万ドルもらっているんです」

幹部はやれやれと首を横に振るしかなかった。

ある社員は、新卒で会社に入って「3年後には年収1000万円になったらいいな」と思っていた。

そして3年後。

なんとびっくり、その社員の年収は約3000万円になった。

当の本人は大喜びか?

いや、喜んでいない。むしろ不満があるらしい。

なぜか?

それは、同僚の給料が約3100万円だから。

3000万円もらってても不幸せとは実に不幸せな状況です。

『マンガーの投資術』の著者であるデビッド・クラークは、マンガーの言葉についてこう補足しています。

羨望と嫉妬だけは完膚なきまでに人間を惨めにする

4 自分の人生に集中することが成功への唯一の道

世界長者番付で長年上位3位の常連であり、「アメリカで最も愛される投資家」「オマハの賢人」として知られるウォーレン・バフェットは、自分の人生に集中することについてこう言います。

(バフェットの)父は、他人からの評価ではなく、自分の内なるスコアカードを大事にする人だった。

また、自らが成功したビジネスマンであり、様々な分野から「よりよい人生」が何かを説いたロルフ・ドベリも同じようにいいます。

私はあなたに、まったく別の「成功の定義」をご紹介しようと思う。少なくとも2000年前から存在している定義で、おまけにこの定義における成功は、社会の評価に左右されることも、通俗的なランキングの対象になることもない。
その定義とは「内なる成功こそが、真の成功」だというものだ。
「内なる成功」というのは、心の充実や平静さを手に入れることだ。平静な心を保つのは、幸福な人生を送るためのもっとも有効な手段のひとつであり、同時に西洋思想では理想とされる心の状態でもある。

(ロルフ・ドベリ『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』(サンマーク出版、2019年)411ページ) 

5 幸せになりたいなら今すぐやりたい仕事をやりなさい

では「内なる成功」を手に入れるために就くべき職業は何か。

それについてもウォーレン・バフェットはアドバイスしています。

「大好きな仕事に就きなさい。自分の履歴書の見栄えがよくなると考えて好きでもない仕事を選び続けるのは正気ではない」
(” I urge you to work in jobs that you love. I think you are out of your mind if you keep taking jobs that you don’t like because you think it will look good in your resume.)