なぜ給料が安いのか。
答えは、会社員であればシンプルです。
給料が安いポジションに就いているからです。
給料は、直接的にはポジションで決まります。
流しそうめん台のどこにポジショニングするかで、どれくらいそうめんが食べられるかが決まるのと同じです。
たくさんそうめんが食べたいなら、流しそうめんで取るべき最高の位置はどこか。
できるだけ上流です。
そして、上流にいても放出されるそうめんの量が少なければ、あまり食べられません。
儲かっていない会社で部長になっても給料が安いのは、そういうことです。
給料は、業界 × 会社 × 役職 × 職種の掛け合わせで決まります。
これを考えることこそが、給料アップの戦略決定です。
実力とか、経歴とか、英語とか、市場価値とかは副次的要素です。
後で考えましょう。
高い給料をもらいたいのであれば、まず考えるべきことは、金に近いポジションかどうかです。
※この記事には広告リンクが含まれます。ただし、転職サービスへの登録を無条件にすすめる記事ではありません。給料が安い理由を、努力論ではなくポジション論で整理します。
給料はポジションで決まる
ポジションは様々な要素で決まります。
ここでは、職種、役職、会社、業界に分けて説明します。
ポジションは、これらの掛け合わせで決まるのです。
小さい単位から見ていきましょう。
職種
経理とか営業とか法務とかエンジニアとかです。
職種によっては、ヒラであっても高給のポジションはあります。
たとえば、ある著名外資系企業の20代リーガルカウンセル、つまり弁護士が、部下なしでかなり高い給料をもらっていたという話を聞いたことがあります。
これは役職が高いからではありません。
会社、職種、業界が強いからです。
同じ「法務」でも、社内の契約チェック係のような扱いなのか、グローバルM&Aや英文契約を扱う専門職なのかで、給料の付き方は変わります。
職種は大事です。
ただし、「花形職種っぽいもの」に行けばいいという単純な話でもありません。
その職種が、どの業界・会社・役職と組み合わさっているかが重要です。
役職
役職は会社内のランクの高低です。
社長が一番高く、新卒底辺が一番安い。
流しそうめんの例でいえば、最上流が社長。
新卒底辺が一番下の位置取りです。
転職の時は、職種だけでなく役職も考えましょう。
年収アップを狙うのであれば、転職の際に役職が上がる方がいいです。
現職場では課長になるのに20年かかる。
しかし、10年勤続した後に他社に転職したら課長になれる。
そういうのであれば、大いに検討の余地があります。
役職を上げることは、流しそうめん台の上流に移動することです。
ただし、流れてくるそうめんが少ない台で上流に移っても、限界はあります。
会社
これはわかりやすい。
給料が高い会社か、そうでない会社か。
つまり、流しそうめんをするときに、たくさんそうめんが流されるそうめん台であるか、そうでないかということです。
ひとくちに「経理課長」といっても、会社ごとに給料は全然違います。
商社といっても、大手総合商社と零細商社では給料に雲泥の差があります。
法務でも、外資系大手のリーガルと、儲かっていない会社の管理部門では給与レンジが違います。
会社選びを間違えると、いくら頑張っても給料は上がりにくいです。
会社が高い給料を出す設計になっていないからです。
業界
業界も大きなポイントです。
18世紀のイギリスの経済学者、哲学者、倫理学者であるアダム・スミスは以下のように述べています。

どの社会、どの地域にも、労働の賃金と資本の利益には、業種ごとに相場になっている通常で平均的な水準がある。
アダム・スミス、山岡洋一訳『国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)』
業種ごとに賃金相場は決まっているのです。
儲かっていない業界では、従業員にもうけが回ってこず、給料も構造的に安いままです。
儲かっていない業界というのは、どうやっても流しそうめんに回せるそうめんの量が少ないのです。
他方で、金融、IT、コンサル、製薬、外資系の一部などは、年収が高くなりやすい場面があります。
儲かっていない業界は、「うう、全然そうめんを流せない。ごめん、みんな。。」となります。
他方で、儲かっている業界は「そうめんが今年も大量にあるから大盤振る舞いするぞ!」となる。
どちらの業界で流しそうめんを食べる方がいいかは一目瞭然です。
儲かっている業界なら、一番下流にいてもそこそこそうめんにありつけます。
高年収の職業や業界については、以下の記事でも書いています。
会社に愚痴を言っても給料は上がらない
会社によって、従業員にもたらされる利益は違います。
儲かっている会社は、高い給料を払いやすい。
儲かっていない会社は、高い給料を払いたくても払えない。
これは身も蓋もない話ですが、かなり重要です。
儲かっていない会社で「なんで給料が安いのか」と愚痴を言っても、どうしようもないことがあります。
現実を省みない無意味な文句です。
もちろん、ブラック企業の搾取を我慢しろという話ではありません。
ただ、構造的に給料が安い会社にいるなら、文句を言うより場所を変えた方が早いことがあります。
会社の中で少し上流に行く努力をするのか。
そもそも大量にそうめんが流れている台へ移るのか。
年収アップを考えるなら、ここを分けて考える必要があります。
給料の高い仕事・安い仕事のパターン
ポジション要素の掛け合わせパターンを見てみましょう。

全部を細かく分類する必要はありません。
大事なのは、業界、会社、役職、職種のうち、どれが強くてどれが弱いかを見ることです。
儲かる業界 × 高年収企業 × ハイポジション × 花形職種
これは最強です。
儲かる業界、高年収企業、ハイポジション、花形職種。
ゴールドマン・サックスの社長みたいなものです。
普通の会社員がいきなりここに行けるわけではありません。
でも、この形を理解するのは重要です。
高年収の仕事は、どこか一つの要素だけで決まっているわけではありません。
業界、会社、役職、職種が重なっているから高いのです。
儲かる会社のヒラ
役職が低くても、業界・会社・職種が強ければ給料は高くなります。
外資系金融、IT、製薬、コンサル、専門職の一部では、若手や非管理職でもかなり高い年収になることがあります。
「自分は管理職ではないから高年収は無理」と考えるのは早いです。
役職が低くても、場所がよければ給料は高くなることがあります。
お山の大将でも給料は低い
逆に、儲からない業界の冴えない企業で役職が高くても、給料はあまり高くならないことがあります。
「部長」や「役員」でも、給料が全然低い人はいます。
肩書だけで判断してはいけません。
どの業界の、どの会社の、どの役職なのか。
ここまで見なければ、年収は見えません。
職種が弱いと全体が弱くなる
超儲かる企業であっても、花形には程遠い職種だと、給料増は期待しにくいことがあります。
一般職だと給料は安い。
同じ会社でも、職種によって給与レンジは違います。
高年収企業にいるから安心、という話ではありません。
どの職種でその会社にいるのかが大事です。
年収を上げたいなら業界・会社・役職・職種の組み合わせを考える
年収を上げたい。
その時に考えるべきなのは、業界、会社、役職、職種の4要素のどれをどう変えるかです。
たとえば、今の職場で出世するのは役職を上げるということです。
今の職場で他の職種にチェンジすることもありえます。
現職場の会社と業界がよければ、それを転職で捨てていいのか考える必要があります。
役職を上げていくことを狙った方がいいかもしれません。
反対に、今の会社の業界がイマイチなら、出世しても給料がそれほど上がらないのは社内を見ていれば分かります。
年収アップには、業界を変えるのが一番手っ取り早いことがあります。
アダム・スミスのアドバイスです。
すなわち、流しそうめんをたくさん食べたいなら、そうめんをたくさん流してくれる台に移るべきです。
そうめんが全然流れてこない台で、下流からちょっと上流に行っても、それほど多くはありつけません。
人がたくさんいたら、上流に移動するのも難しい。
高い給料がほしいと思うなら、まずはこうした直接的な要素を考えるべきです。
自分の経験で、どの業界・会社・役職・職種を狙えるのかを見たいなら、外の求人を見るしかありません。
今すぐ転職する気がなくても、自分の職務経歴にどんなスカウトが来るかを見るだけならできます。
外の給与レンジを知りたい人は、ビズリーチでスカウト・市場価値を確認してください。
実力や経歴は年収の説明には回りくどい
よく言われる以下の要素は、間接的なものです。
- 実力
- 能力
- 地頭
- 魅力
- 学歴
- 英語
- 経験
これらはこのように言われます。
- 実力をつければ年収が上がる
- 能力があれば高い年収を望める
- 人望があれば上に行ける
- 学歴は偉くなるのに重要だ
- 英語ができると高年収にありつける
- いい経験を積み重ねることが大事だ
さらに細かいと、こんな「年収1000万円到達のために私がやったこと」みたいなアドバイスもあります。
- メールは即レス
- 誰よりも早く出社
- 誰にでも挨拶
- 社内規程をチェック
- 筋トレ
- 根回しをしっかり
これらの要因は、年収アップと因果関係が乏しいです。
ポジションを考える前にこうした要素を考えるのは、年収の説明においては回りくどい間接的な説明です。
どれくらい間接的か。
たとえば、関東で「明日雨降るかな?」と聞かれたとします。
これに対して以下のように答えるようなものです。
- 「西日本は今日雨降ってるよ」
- 「今は梅雨の季節だからね」
- 「傘持ってる人をよく見かけたよ」
そうではなく、直接的にこう答えればいいのです。
「天気予報で明日は雨予報で降水確率80%だよ」
会社員が高い給料をもらえるかどうかは、実力があるかどうかだけではなく、高い給料がもらえるポジションにいるかどうかで決まります。
どの池に飛び込むべきかは、どれくらいうまく泳げるかより重要です。
ーウォーレン・バフェット
(what pond you jumped in was probably more important than how well you could swim.)
Afternoon Session – 1997 Berkshire Hathaway Annual Meeting
実力を否定しているわけではありません。
泳げる方がいいに決まっています。
でも、干上がった池で上手に泳いでもしょうがない。
まず、どの池に飛び込むかです。
シンプルに考えるのが年収アップへの第一歩
会社員なら、年収アップするにはどうするか。
まず考えるべきなのは「どう給料の高いポジションに就くか」です。
挨拶をしっかりする。
外見に気を付ける。
専門性を磨く。
英語力を付ける。
これらは間接的な答えです。
自分の今の状況を考慮して、現職場で給料アップを狙うのか、転職して狙うのかを考えるのです。
現職場で狙う場合に必要なものは何か。
転職で給料増を狙う場合に必要なものは何か。
より給料の高い業界、業界内の給料の高い企業、上位の役職、他の職種はどうなのか。
その掛け合わせはどうすべきか。
ここを考えてから、初めて「英語が必要」とか「社内人脈作りが必要」とかになってきます。
社内人脈を作るために、飲み会で偉い人にゴマをするべきだ、という細かい戦術を考えるのもその後です。
大きな枠組みからスタートすれば、方向性を外しません。
「年収アップに英語が必要だ!」からスタートして、自分の年収アッププランに英語が全く必要ないのであれば、それは壮大な勘違いです。
人生の貴重な時間を無駄にします。
まずシンプルに、直接的に問いに答える必要があります。
高い給料をもらうには、給料の高いポジションに就く。
どの要素のあるポジションを狙うのか。
これを考えてから、派生的に個別の事柄を考えるべきです。
社内で出世する方が早いなら、転職よりも出世優先です。
それが難しいなら、転職を考えるべきです。
転職すべきか残るべきかは、以下の記事でも書いています。
外の給与レンジを見ないと判断できない
給料が安いのかどうかは、今の会社の中だけを見ても分かりません。
社内で「うちはこんなもの」と言われても、それは社内の常識です。
外では違うかもしれません。
同じ職種でも、業界、会社、役職が変われば年収は変わります。
だから、求人票を見る。
スカウトを見る。
自分の職務経歴が外でどう評価されるかを見る。
それを見てから、今の会社に残るか、転職するかを考えればいいです。
今すぐ転職する気がなくても、外の給与レンジは見ておくべきです。
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給料が安いなら、そうめんが流れている場所を見ろ
会社員の給料が安い理由は、努力不足だけではありません。
給料が安いポジションにいるからです。
業界、会社、役職、職種。
この掛け合わせで年収はかなり決まります。
実力、英語、学歴、経験、即レス、挨拶、筋トレ。
全部やってもいいです。
でも、そうめんが流れてこない台にいるなら、あまり食べられません。
高い給料をもらいたいなら、給料の高いポジションに就く。
これが最初です。
社内で上流に行くのか。
別のそうめん台に移るのか。
まずそこを考えるべきです。
今の給料が安いと感じるなら、外の求人とスカウトを見てください。
外を見て、それでも今の会社がいいなら残ればいい。
外の方が給料の高いポジションがあるなら、転職を考えればいい。
文句を言う前に、流れているそうめんの量を見ましょう。

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[…] 給料が安い仕事 | 給料は流しそうめんのように決まるで書いた通り、給料の安い・高いは、その給料がもらえるポジションで決まるからです。 […]