弁護士の転職と年齢 | 年代に応じた転職事例と限界を考察する

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弁護士が転職する際、若い時期なら選択肢がたくさんある。

年を取れば選択肢は減る。

これは当然です。

では、何歳を超えるとダメなのか?

ダメということはありません。年齢に応じた転職実例があります。

自分の経験と知り合いの弁護士転職の実例をベースに弁護士の転職と年齢について、年齢別ステージごとに書きます。

目次

1 アラサーにもならない20代若手弁護士

弁護士であって20代であれば、転職先の候補は広いといえます。

今現在勤務しているのが法律事務所であれ、企業であれ、色々な企業に転職できます。

20代でも、26歳と29歳では扱われ方がやや異なります。29歳会社員だと、それなりに実務経験が長いです。

とても若い弁護士で法律事務所勤務であれば、インハウスに転職しようとすると、多くの場合は買い叩かれます。

給料が安くなるということです。

そのため、若い弁護士で、最初に勤めた職場が「ここはダメだ…」と思うようなところであれば、次に転職するのは法律事務所の方が企業よりおすすめです。

新人弁護士に法律事務所を就職先としておすすめするのと同じ理由です。

最初にインハウスとして新卒で企業に入って、「法務の実務経験が積めない」と懸念している若手弁護士の方がいれば、法律事務所への転職を早めに検討すべきです。 

司法研修所を出てすぐに会社に入って企業に入るのはもったいないと思います。 

新卒で企業内弁護士(インハウスローヤー)になってはならない | 司法修習生の失敗

2 アラサーと30代弁護士の転職と年齢

アラサー、30代弁護士の転職は、かなり幅広いです。

何歳で弁護士になったのか、インハウスか法律事務所勤務か、企業法務か一般民事か、英語は使うか、専門領域は何か、等々によって人によって色々なバリュエーションがあります。

それだけバリュエーションがあるということは、30代の弁護士ならよほど特殊事情がない限り、転職のオプションはたくさんあります。

一般民事の法律事務所から金融系の企業に転職した弁護士も知り合いにいます。そこからさらに別の有名金融会社に転職していました。

30代でも、後半になってくると自分の得意領域が決まってきます。37歳まで知財ばかりをやっていた人が、いきなりM&Aをやりたい、というのはやや難しいです。37歳までM&Aを多めに取り扱っていたライバルがいるからです。

しかし、30代前半であれば、自分の属する領域を大きく変えることも可能です。

30代後半でも不可能とはいいませんが、30代前半までには専門分野の基礎はできてしまいます。

30代の弁護士転職は、自分のこれまでの職務経験を振り返って「これは今後やりたくない」「こんなのをやりたい」という考えをもって臨むべきです。

私の知り合いでは、30代後半まで法律事務所に勤務していて、そこからインハウスに転職した人がいます。

給料は下がったようですが、年功序列のしっかりした企業にいけばそれなりの給料はもらえます。

また、外資系企業や法務の給料が高い企業にいけば、法律事務所のアソシエイトの給料よりも高くなることもあります。 

一般論で語るのはあまり良くないですが、弁護士の求人情報の給料を見ていると日系企業の給料は外資系より安いという傾向が見受けられます。

3 アラフォーと40代弁護士の転職と年齢

40代になると弁護士の転職は難しくなるか。

40代だと採用する方もどう扱っていいのか困るのか、数は減ると思います。

しかし、40代でも弁護士の転職事例はいくらでもあります。

日系企業から日系企業への転職、日系企業から外資系企業への転職等。

うまくいけば給料もかなりいい。 

ただ、40代になってから法律事務所から会社に転職しようとする場合、企業は「この人はずっと法律事務所にいた人だから、会社の環境に馴染めるだろうか」と心配することがあります。

40代で法律事務所のパートナーであった人で企業に移った例を知っています。法務部長のポジションでした。

40代で法律事務所からインハウスに移る場合、年齢をふまえて必然的にハイポジションになりがちです。

ハイポジションといっても、外資系の1人法務部のポジションはあります。

40代でインハウス転職をしようとする場合、英語かマネジメント経験があった方が有利になることが多いです。

日系企業のインハウスを目指すのであれば、マネジメント経験がないと難しそうです。

40代の弁護士が法律事務所に転職しようとするのであれば、自分の客がいることが重要になります。自分の客がいなければ、コネがあるとか、ボスにとりわけ気に入ってもらうといった特殊事情が必要になるはずです。

4 40代後半、50代の弁護士の転職

40代後半から50代の弁護士の転職は無理かというと、どっこい無理とは限りません。

法律事務所に転職するなら、自分の顧客がいることがますます重要になってきます。

企業ならマネジメント経験が求められます。

とはいえ、小さい法務部で弁護士を募集することがあり、1人法務部であれば、経験や人柄を買われてマネジメント経験が乏しくても転職できるケースがあります。

法務部員が数十人以上いる大規模法務部は日本にはあまり多くありません。

なので、そうした大規模法務部の部長クラスは、転職先があまり実はないそうです。

法務マネージャーとして欲しがられるのは、「プレーヤー兼マネジャー」であることが多く、純粋に法務部マネジメントだけやっていて自分で法律問題には何年も向き合っていない、という人は実は人気がないようです。

有名外資金融系の法務部長がどの会社からも転職先として引き合いがこない例がある、とある転職エージェントからそう聞いたことがあります。

5 弁護士が転職で年齢を考える際には、過去・今・将来を考慮せよ

前記までで書いたことを参考にして、年齢別の弁護士転職はどうなるのかを考え、自分の転職に役立てるのがよいと思います。

過去の自分はどうだったのか、どんな仕事をしてきたのか。

今はどうか。

そしてこれからどうするのか。ありうる弁護士転職とは。

法律事務所の弁護士だけでなく、インハウスローヤーとしてのキャリア開拓の実例は年々増えています。

他者の実例を参考にして考えるのは、自分のよりよい弁護士キャリア構築に役立つはずです。 

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