転職面接の順番は後の方を狙え

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(2021年8月11日改訂)

人気の企業へはたくさんのライバルが応募します。30人とか50人とか。もっとか。

その中で面接を受けるのなら、「いつ」面接を受けるのが有利なのでしょうか。

1番目か、30番目か、あるいは15番目か。

答えは、「できるだけ後半」です。

面接官の心理を読むならば後の方を狙うべきです。

目次

1 後の候補者の方が高い評価を受ける

採用面接の受ける順番で合否の確率は変わるのか?

変わるそうです。

コロンビア大学ビジネススクール教授のアダム・ガリンスキーさんが、それを調べています。

アメリカの名門プリンストン大学の記録を調べたところ、最後に受けた人が採用されていたことが多かった。

ガリンスキーは、プリンストン大学の雇用記録を閲覧する許可を取った後、過去五年間に実施された面接のいくつかを無作為に拾っていきました。そして、そのほとんどで、最後に面接を受けた人が採用されていたということが分かったのです。

(ゴールドスタイン=マーティン=チャルディーニ『影響力の武器 実践編[第二版]:「イエス! 」を引き出す60の秘訣』(誠信書房、第2版、2019年12月)38ページ)

プリンストン大学だけそうだったのではないか?

そう思って他でも調査されたところ、同じような結果であったそうです。

好奇心をそそられたガリンスキーは、さらに調査範囲を広げましたが、結果は同じでした。

(同上)

他にも、音楽コンテストやアイドルオーディションでも同じような結果が見られた。

2 過去よりもその場の感情の方が強く影響する | 即時性バイアス

面接官は、どうやって採用する人を選んでいるのか?

多くの人は、「印象」で決めています。論理では決めていません。

他の応募者よりも強い印象、それも良い印象を面接官に与えた人が有利です。

人気の応募先であれば、面接に呼ばれた応募者であるライバルは自分と同じくらい優秀です。

面接で優秀かどうかなんてわかりっこありません。そうすると、ちょっとした印象で差が付いてしまうのです。

その印象を考慮すると「いつ」面接を受けたほうがいいか。

このような些細な点が及ぼす心理的影響が差を分けます。

有利なのは後の方です。

なぜなら、「人間は意思決定に際して、過去の感情よりもその場の感情に強く影響される」という即時性バイアスが面接官の脳内で作用するからです(アルバート=ラズロ・バラバシ『ザ・ファーミュラ 科学が解き明かした成功の普遍的法則』(光文社、2019年)108ページ) 

要するに、1週間前に面接したかなり好印象だった応募者よりも、ついさっき面接した好印象の応募者の方が有利なわけです。

登場順が早いと、その人に対する審査員の記憶が色あせていく

( ゴールドスタイン=マーティン=チャルディーニ『影響力の武器 実践編[第二版]:「イエス! 」を引き出す60の秘訣』(誠信書房、第2版、2019年12月)38ページ)

しかし、登場の機会が後の方が有利になる理由はこれだけではないようです。

なんと、参加者を1人ずつ逐一評価する場合でも、「最後に登場する人に優位性がある」のです(同上)。

3 意思決定の際に働く最後効果を転職面接で働かせる

あるビジネス書に書かれていた、事業における問題。

「採用面接で最後に面接した人の印象が良かった。その人を採用するのでよいのか?」

それに対するアドバイスはこう。

面接では最初と最後の人に対する評価が甘くなりがち!

正しい補正を行い最適な人材を採用しよう

(斎藤広達『ビジネス力養成講座 入門編』38ページ)

最初と最後に面接した人の評価は甘くなるそうです。

なぜか。

最初と最後の印象はほかより断然強い。意思決定の世界では、この傾向を最初効果(Primacy effect)と最後効果(recency effect)と呼びます。人間が無意識のうちに陥るワナですから、意識的に補正しない限り、適切な意思決定ができません。

(同上・39ページ)

これは人間の認識の癖とも言えるものです。

この本では、採用担当者に「意識的に補正」しろと言っています。

つまり、最初と最後の応募者は、有利だから、意図的に減点しろと勧めているわけです。

それくらい最初と最後は有利なのです。

転職面接で応募するのであれば、この最後効果を使わない手はありません。

最初効果はどうした?

本ブログでは、アルバート=ラズロ・バラバシさんが「面接はできるだけ後のほうに受けるべきだ」として、音楽コンクールでも後の方が評価が高くなることを強調していますので、最初よりも最後の方を面接順として狙うことを推奨します。

4 面接官は後半になると慣れてくる

転職面接の面接官はそんなに面接に慣れた人ばかりではありません。

そんな人が面接官をやると、最初の方はうまくいきません。

慣れた人(慣れたと思っている人)であっても時間があけば勘が鈍ります。

よくわからないうちに面接が終わってしまって評価どころでない人もいるはずです。

面接が終わって「あれ聞けばよかったな」と反省の1つもするでしょう。

そんな面接官でも2人、3人、5人、10人と面接を繰り返せば、だんだん慣れてきて余裕が出てきます。余裕がある状態の方が評価はいいでしょう。

なぜなら最初の頃は、「面接って何すればなんかよくわからなかったな」という感じで終わっているからです。

細かなところを評価するところまで気が回りません。

しかし、応募者の方はそれでは困るのです。

面接で差をつけるのは、小さな印象の差です。

細かい点にまで気づいてくれないと、このブログを読み込んで身につけた面接心理テクニックが効果を発揮しないではないですか。 

選考プロセスも終わりに近づけば、面接する側もいろいろと学ぶ。最後の志願者とその前の志願者が面接にうまく答える可能性は、さほど変わらないはずだ。だが、それまでの経験によって知識を得た面接官の質問は良くなっていく。

(アルバート=ラズロ・バラバシ『ザ・ファーミュラ 科学が解き明かした成功の普遍的法則』(光文社、2019年)114ページ)

5 後の方が評価基準が緩む

音楽コンクールで、審査員が最初のピアニストに最高点を付けるか?

答えはノー。

なぜか。

さらに素晴らしい演奏を聴いた時に、それ以上の点数をつけられなくなってしまうからだ。コンクールが進むにつれ、審査員はその課題曲を聴く耳が肥えるだけでなく、うまく評価できるようになる。気に入った演奏に対して気前のいい点数を出すようになり、あとになるほど評価の基準も緩む

(アルバート=ラズロ・バラバシ『ザ・ファーミュラ 科学が解き明かした成功の普遍的法則』(光文社、2019年)108ページ)

最初の方の候補者は厳しく評価されがちです。

なぜでしょうか。

理由その①は、「最初のほうの参加者に高い点数を与えてしまうと、その後もっと良いパフォーマンスがあった場合、評価に差をつける余地がなくなってしまうことを心配する」から。

理由その②は、「早い段階で、採点者は参加者を完璧なパフォーマーのイメージと比べがち」だから。

(以上理由①および②は、ゴールドスタイン=マーティン=チャルディーニ『影響力の武器 実践編[第二版]:「イエス! 」を引き出す60の秘訣』(誠信書房、第2版、2019年12月)38ページより)

転職面接でも後の方が基準が緩む。 

(フィギュアスケートでは)滑走順があとになればなるほど、得点は上がっていく。後半に登場する選手のほうが―いつも必ず、奇跡のように―演技がうまいように見える。運命を決めるのは、やはり演技を披露する順番なのだ(同上・109ページ)。

6 先の方が有利になる例外的な場合

どんな場面でも後の方が有利になるわけではありません。

採用企業が採用を急いでいて、基準に合う最初の候補者を採用するつもりならば、先の方が有利です。

まさに早い者勝ち。

また、「応募者が二人だけという状況では、先に登場したほうが高評価を得やすいということを示唆する証拠もあ」る(ゴールドスタイン=マーティン=チャルディーニ『影響力の武器 実践編[第二版]:「イエス! 」を引き出す60の秘訣』(誠信書房、第2版、2019年12月)40ページ)。

2人で優劣を競う場面なら、先に登場してアピールして評価者の心象を先に独占した方が有利になることもある、ということです。

7 面接の順番という小さな狙いが大きな成功を呼び込む

面接の順番を後の方にするのは、転職エージェントがよほどのせっかちでない限りある程度実現可能でしょう。

大した労力はかかりません。

しかし、その小さな工夫で採用内定という大きな見返りが得られる可能性が上がるのならば、これを試さない手はありません。

次回、誰かと競い合う状況になったときには、選考プロセスの終わりのほうで登場できるようお膳立てをすると、普段以上に有利な状況に立てるかもしれません。

競争相手が三人以上の場合、もしあなたがトリを務めるなら、昇進や新規顧客を勝ち取れる見込みが高まるでしょう。

(ゴールドスタイン=マーティン=チャルディーニ『影響力の武器 実践編[第二版]:「イエス! 」を引き出す60の秘訣』(誠信書房、第2版、2019年12月)38ページ)

▼面接の心理をより詳しく

ぜひ転職エージェントと協力して後の方の順番で面接を受けましょう。

ヒーローは遅れて登場すべきなのです。

私が過去相談した転職エージェントの中には「なるべく後に応募したい」と申し出たところそれに応じてくれた転職エージェントもいました。

せっかちで理解力のない転職エージェントなら「なんでですか?早く応募した方がいいですよ」と対応してくれないことも十分ありえます。

転職エージェント選びは慎重に。

▼おすすめ転職エージェントはこちら

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