法務部はエリート?うざいだけのつまらない仕事?

法務部 役割 仕事
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法務部とはどんな仕事をしていて、どんな役割を担っているのか。

契約書を読んだり、会社が法律を遵守できるようにする役目を果たすことが多くの会社では期待されています。

疑問なのは、法務部が必要なのか?ということです。

あまり必要とされていない部署の仕事はつまらないものになりがちです。

必要もないのに勝手に自部署で「仕事」と称して余計な作業をするからです。

私は、法務部を置く価値は乏しく、むしろない方がよいのではないのかとよく思っています。

会社にとって価値がある法務部とはどんな法務部なのか。

目次

1 法務部はエリートと勘違いして周囲をダメにしがち

法務部の良くないところは、法律や契約に関する業務を一部独り占めにしてしまうことです。

法律や契約は、本来会社全体のもの、社員全員のものです。法律の知識があろうがなかろうが法律はみんなに等しく適用されます。

刑法235条を知らなくても、他人の物を盗めば窃盗罪が成立します。

それなのに、法務部があると法律のことは法務部のものだと誤解されてしまいます。

法務部以外はそう思う。誰だって小難しい法律のことなんか考えたくない。

法務部もそう思う。法律関係は我々の仕事だと。

法務部があると、社員にとって業務上の法律問題が他人事になってしまいます。

「あいつら(法務部)が考えることだ。俺には関係ない。」というわけです。

実際そうはいきません。

管理部門でも採用や人事研修は、人事部の担当だけがやればいいかもしれませんが、法律は全部署に関わります。

独占禁止法を知らずに競合他社と話したり、下請法を知らずに外注先と契約したりするのは極めて危険です。

法務部がいるとこうした危険な状態を解決できるのか?

法務部が果たす役割は、タバコを吸いたくてたまらない不良中学生にとっての学校の先生くらいなものです。

先生がどう言おうが喫煙を止めることはできません。

かえって、「先公うぜえ」と反感を買って余計に喫煙をするかもしれません。

法務部の存在は、「法律は法務部のもの、法務部以外のものではない」という極端な常識を信じるのを助長していまいます。

さらに良くないことに、法務部もこの考えを助長します。法務部員がこの常識を信じているからです。

(1)  約書審査は法務部の仕事であるという常識

契約も同じです。

「契約書審査は法務部の仕事である」ということは常識のように考えられています。

この常識は間違いです。

法務部が存在しない会社は契約できないことになるのでしょうか。

日本では、法務部がない会社が多数派というかほとんどです。

コンビニで何か買ったり、スマホで有料アプリを購入したりするのは契約のはずですが、法務部員や弁護士でない人は契約できないのでしょうか。

まさかそんなことはありません。

マンションを借りたり、家を買ったりするといった大きな契約であっても法務部ではない人が自ら契約しています。

誰にとっても契約は自分のものであり、法務部のものではありません。

日々締結されている膨大な契約の数からいって、法務部のものという考えは現実に反しています。

会社の業務であっても同じです。

法務部の契約レビューを必須とするのは良くない。

何が良くないか?

法務部ではない担当者が契約書を読まなくなります。無責任になる。

自分の担当のビジネスであっても契約書に何が書かれているか知ろうともしない。

愚かな法務部員はこう文句を言います。「あの人達、全然契約書を読まない」

自分達の部門が契約書レビューしますよと宣伝したら、法務部以外の人達が読まなくなるのは当たり前です。

これは会社組織の契約書リテラシーのレベルを下げます。

全然契約書を読みもしない他部署から契約書レビューを押し付けられるのは楽しくありません。

(2) 法務部がなくて何がいけないのか

法務部がなければ、事業部門は自ら契約書を読み、法律問題を自分事として捉えます。

よくいる法務部員は「それはリーガルリスクがある」と警鐘を鳴らしそうです。

しかし、法務部があるからといって事前予防がしっかりできるとは限りません。

「法律は他人事」の考えが行き渡った会社では、法務部以外の人の法律問題に対する感度が鈍くなります。

日常の問題は把握されにくくなります。

また法務部の考える「法務部ならなんとかできる」というのは思い上がりです。

法務部員は陵南高校の仙道ではありません。いるからといってなんとかしてくれるわけでもないのです。

仙道がいてもインターハイにはいけなかった。ましてやそこらの法務部員に全能の力があるわけはない。

法務部で漏れなく法律問題を発見・対処できるなんて夢物語は存在しません。

契約書も同じです。

「契約書は、将来起きうることを想像することが重要」

こうとある社内研修で法務部員が契約講座で営業に対して説明していました。

実際のところ、そんな想像をするのは難しい。将来何が起こるかなんてわからない。

将来起こりうるすべてのことを想定した契約書は書けない

伊藤元重『ビジネス・エコノミクス』(日経BP、第2版、2021年9月)374ページ

そして、それを契約書に文言として書き込むのも難しい。

しかし、自信家な法務部員や弁護士はこう考えていません。

「私ならできる」と考えています。

そうした自信過剰な人が契約書レビューと称して何をしているかといえば、自分の趣味で契約書にあれこれコメントするだけです。

契約書をどう読むか、どう書くかは、かなり趣味の部分が大きい。

2 法務部はうざい存在であるべきか

法務部のありかたとして、大きく以下2つの方向性があります。

  • 厳しい法務部。会社内では「うるさいお目付け役だ」と怖がられます。
  • やさしい協力的な法務部。会社内では「法務部に相談してみよう」とよく相談してもらえます。

(1) 厳しくうざい法務部

いずれも問題ありですが、1つ目のスパルタ法務部の問題を見てみましょう。

厳しい法務部は、会社内で「法律の他人事化病」を進展させます。

会社内では、法律があるから守らなければならない、という発想ではなく、ウチの法務部がうるさいからこれはやめよう、という発想になる。

法務部が力があると、法務部に「これでよろしいでしょうか」と相談して、法務部がよいと返事をすれば、あたかも王様から許可状をもらったかのようにメールや発言が保存されることになります。

「法務部が問題ないといったから法律上の問題はない」ということが理由として通用するようになるのです。

あのうるさい法の番人がいいといったから問題ないという言い訳がまかり通ります。

そんなことがあるわけがない。どこかの法務部がいいと言ったかどうかは法律の読み方とは関係がない。

「100円以下のものは、盗んでもまあ問題ないです」と法務部が発言したとしたら、これを聞いたボケ社員は「100円以下のものを盗んでメルカリで売る事業を開始する。法律上問題ないことは法務部に確認済み。」なんていう資料を平気で作ります。

スパルタ法務部は、会社内の法律他人事化を進めてしまうので良くない。

しかし、「それはダメだ」と強制的に止めることができるので、スパルタ法務部は実は悪くないことばかりではありません。

もっと悪いのは実は事業部に協力的な善人面法務部です。

(2) やさしい人気者法務部

杓子定規に法律を振り回さず、事業部に寄り添って柔軟に対応してくれる頼もしいビジネスパートナーとしての法務部。相談には快く応じてくれて社内でも信頼されている。

こんな法務部の方が価値がありそうですよね。

私もそう思っていました。

しかし、これは誤りです。

やさしい人気者法務部もまた「法律の他人事化」を進行させます。

法務部以外の事業部は、何か法律問題っぽいことがあれば、とりあえず法務部にぶん投げるようになります。自分では考えない。

法務部はそれを嫌な顔せず引き受ける。

面倒くさそうなことをお願いして引き受けてくれれば人気者になっておかしくありません。

社員に人気があることは会社組織にとって価値があることにはなりません。

これはいわゆる「魚を釣ってあげる」だけの行為です。

お腹を減らしている人に何をしてあげるか?

①魚を釣ってあげる

②魚の釣り方を教える

自分で釣り方を習得せねば、自分で食べて行けるようにならないからだめな指導者だという有名なたとえです。

やさしい人気者法務部も同じです。

「腹減ったー。魚くれよお」と事業部が言ってきたら、「はい、釣ってあげますよ」とすぐに釣ってあげる。

「ありがとう!」と喜ばれる。

釣りの技術を習得して、毎日頑張って魚を釣ってあげてよろこんでもらえる。なんて充実感だろう。と法務部員も思います。

この結果、事業部門はますます魚釣りができなくなり、それによってさらに法務部への魚釣り依頼が増えます。

事業部門のスキルが衰えれば衰えるほど、法務部人気は高まるのです。

会社全体でみたら由々しき事態です。

このような法務部に「魚を釣ってあげるな」といえば、猛反発が起きます。

事業部「魚を釣るのは法務部の仕事だろ!俺たちは忙しいんだ!」

法務部「そのとおりです。魚釣りの仕事こそ我々の使命です!事業部から信頼されています!」

事業部は新しい業務を追加でやりたくない、法務部はこれまでやってきた自分の仕事の価値を否定されたくない。

しかし、契約書は事業において社外との取引をまとめた書面であってビジネスの内容そのものであり、法務部というよりも事業部の担当者がきちんと理解しておかねばなりません。法律も前述したとおり法務部以外にも当然関わりがあり、法務部だけが知っておけばいいというものではありません。

やさしい法務部はそうした現実を無視し、自分達の満足感だけを優先してしまいます。

「頭のいいエリートの私が至らない事業部さんたちの問題を解決してあげているのだ」と。

みんなの人気者を意識してあれこれやってあげる法務部員は、自分の仕事にやりがいを感じ、仕事がつまらないとは思わないかもしれません。

しかし、「自分は良い仕事をしている」と自己満足に浸っても、その自己満足をもたらす自分の仕事が組織にとってよいものかどうかはわかりません。

能天気に「自分はみんなの役に立っている」とだけ感じられればいい人はこうした人気者法務部を目指すべきです。

3 法務部は偉そう

法務部の罪は、前述したとおり、法務部以外の人達の法務無関心化を促進してしまうことです。

これは罪深い。

それでいてなぜか偉そうである。

(1) 自己中心的である

法務部が法務他人事化を進めてしまうのは、法務問題についての発想が自己中心的だからです。

  • 「契約書は法務部がやるべき業務だろう」
  • 「法律問題は法務部がやって当然」

「法務部だから」という理由にならない理由をあげて、そもそも法務部とはこういうことをやるべきだという思い込みに基づいて業務のありかた、法務部の役割を画定してしまっています。

上記の書籍は、「法務部員とは」という常識がよく現れた書籍です。

以下が目次ですが、見事に「法務部とは、こういう業務をするものである」という思い込みが凝縮されています。

第1章 法務部の1年
1 法務部の仕事 -日常業務は堅実に、揉め事あれば迅速に
2 法務部の仕事の理念 -「法律の地雷」を踏ませない
3 法務部員が持つべき力 -法務部員は常識人であれ!

第2章 法務部の4~6月
1 4~6月の主な仕事 -年度はじめ早々にやってくる繁忙期
2 新法への対応 -4月は新法の施行時期
3 決算・株主総会 -会社法にきちんと従う
4 取締役・取締役会 -株主総会後の重要な業務
5 監査役 -職務を理解し協力する
6 株式 -出資者は権利を持っている
7 新入社員研修 -会社に慣れた頃に注意喚起を

第3章 法務部の7~9月
1 7~9月の主な仕事 -新経営陣は法務部に何を求めるか
2 契約審査 -後で揉めないための約束をしておく
3 情報管理 -他社の漏洩事例を反面教師にする
4 異常事態対応 -自然災害や不祥事が起きたら

第4章 法務部の10~12月
1 10~12月の主な仕事 -取引先の倒産に要注意
2 ハラスメント -法務部は通報の受付窓口
3 コンプライアンス -不正の原因究明と再発防止の徹底を
4 債権管理・回収 -貸倒れは年末に起きる
5 裁判対応 -クレームが訴訟に発展することもある

第5章 法務部の1~3月
1 1~3月の主な仕事 -来年度を見据えて動き出す
2 規程類の見直し -来期に備えた再チェック
3 新規ビジネス -春からの業務拡大に潜むリスク
4 企業買収 -企業買収すべきか否かを精査する
5 雇用契約と労務管理 -雇用契約の締結は必須

「法務部ってこういう仕事するところだよね」という思い込みを帰納的に集めたらこうなった、という感じの内容です。

(2) 自己の売り込み

「法務はこういう仕事をするべきだ」という発想は、弁護士等が自分の売り込みをするのに都合がいい。

弁護士はそうやって顧客から仕事を取る。「私に任せてください」。

そして、社内で評価を高めたい法務部も積極的にそうした常識を使う。「法務部の役割だ」。

本来だれがやるべきかは関係ない。自分の売り込みが大事。

(3) 無駄を増やす

契約書を事業部が自ら読めば、法務部に回さなくても済む。

しかし、法務部の契約書レビューを経るとなれば、法務部レビューの社内手続きが増える。

契約書に限らず、法務部が社内決済手続き等に加わる。

関係者が増えれば手間がかかり、時間もかかる。

その余計な手続き、本当に必要ですか?

必要なのは、必要だと思い込んでるからじゃないんですかね。

(4) コストがかかる

法務部を置けばコストがかかります。

法務部員の人件費が当然かかります。

給料以外にも、商事法務が読みたいとか、AI契約書レビューを使ってみたいとか、海外ロースクルールに留学させろとかあれこれ言ってきます。

法務部員と外部法律事務所との間で仲が良くなると、「外部弁護士先生様に失礼があってはならない」ということで、報酬交渉もろくにせず、かえって法務部があることで外部法律事務所を使う費用が高くなることも考えられます。

前記(3)の社内で発生する部署間の調整手続きもまたコストです。

(5) コストの見返りは?

法務部にコストがかかるのはしょうがない。

どの部署だってコストはかかっています。

問題なのは、かけたコストの見返りがあるか?ということです。

法務部以外の人達の無責任化を推し進める法務部はかえって害なのではないかと考えてしまいます。

4 困った法務部員

実は問題な法務部に所属する法務部員にも問題が隠れています。

(1) 意識高い系の困ったエリート法務部員。好きな言葉は「キャリアパス」

法律系のキャリアに関するメディアのインタビュー等で積極的に発信するタイプの法務部員がいます。

法律を知っているだけではダメ、事業を深く理解してビジネスセンスを磨く必要がある、法務は会社には欠かせない役割を担っている、これから法務の役割は日本でますます重要になっていく。

こんなようなことを語って、CLOとかよくわからん役職について、法務とは何かを熱く語り、エリートである自分が後輩法務にキャリアパスを示してあげようという人達です。

極めて自己中心的です。

このタイプの人達は「私は優秀」と思い込みたい願望が強い。

願望を補強するために確証バイアスをフルに使って、いかに法務が重要か論証するための材料集めに余念がありません。

自己否定になるような法務不要論は無視するか全力で潰しにかかります。

(2) 勉強に余念がない法務君

お勉強が好き、お気に入りの学者の新しい基本書が出ると思うとテンションが上がる、というタイプのオタク系法務部員もいます。

この人達は、自分の勉強が会社に役立つと信じている。

自分の世界に浸り、自分の仕事が組織の中でどのような役割を果たしているかは見えていません。

(3) 知識はないが勉強もしない。存在無価値の法務部員

大企業の法務部に新卒で入社したタイプの法務部員で多く見られます。

新卒で法務部に入った。法学部出身だとしても知識は皆無に等しい。

じゃあ勉強するかといえば、仕事が忙しいので勉強する時間はない。

忙しい仕事というのは雑用である。

会社内で本来必要もないのにその部、その人が存在するので発生する無駄な作業をやって日々を過ごしている。

でも法務部といういかにも法律ができそうな部にいるので、他部署からは専門性があると言われ、自分でも専門家だと思うようになる。

傲慢無能大企業社員はこうやって養成されます。

また、1人法務の会社でも問題が生じます。

その1人法務部員の法務スキルが乏しいとしても、誰もチェックする人はいません。

その会社の法務問題を独占し、自分の思うがままに「こうすべきだ」と判断します。

これは危ない。

法律問題の調査の仕方や文書作成方法、問題への対処法について誰からも教わる機会がないまま、法律問題について社内で指導する身になってしまい、自分のやりたいとおり頑張って忙しくしていると「自分はできる」「有能だ」「役に立っている」と勘違いが止まらなくなります。

会社法務部はこれがこわいので、私は司法修習生は会社ではなく最初に法律事務所に入ることを勧めています。

5 価値のある法務部とは

普通の法務部は価値がないのではないか。なぜなら会社内で法律問題を法務部が独占してしまって法律問題の他人事化を生じさせてしまうから。

これが典型的な法務部の問題点として前述してきました。

こうした問題意識を持つと、法務部の仕事をつまらないと感じるのも無理もありません。

自分のやっている日々の”仕事”は意味がない。こう感じながら毎日長時間事務作業に明け暮れて楽しいわけがない。

(1) こうであれば法務部には価値がある

それでは、どうすれば法務部は会社内で価値ある存在となれるのでしょうか。

会社内で「法律問題の自分事化」をはかることができれば、その法務部には価値があるのではないでしょうか。

法務部がない会社が「法務部を設置しよう」と思うのは、会社が法律問題に対処したいと考えているからにほかなりません。

その設置意図にかなえば、価値があります。

よくある法務部は、法務部が社内の法律問題を独占してしまい、法務部以外の無関心化が進んでしまうことから、かえって会社全体の法律問題対応レベルが下がってしまうおそれがあります。これが問題です。

そうではなく、会社全体の法律問題対応レベルをあげればいい。

「法律問題は法務部がなんとかする」という意識ではなく、「法律問題は会社の問題であり、これに関与している自分が責任をもって取り組まねばならない」という意識を社員に広く持たせることができたらいい。

魚を釣ってあげる法務部ではなく、各自が魚を釣れるような状態を作る法務部の方がいい。

魚釣りを教えてもいいけれども、法務部が教えるのではなく、各部署内で自発的に上司や先輩が部下・後輩に積極的に魚釣りを教えるような会社であればもっといい。

そうした社内環境を設計し、日々その環境が継続・強化されるように目を見張る。

こうした会社内のコンプライアンス環境を作り上げて維持する方が、会社の法律問題対応レベルは間違いなく高くなるはずです。

こんな体制・環境を創出・維持する法務パーソンは、一法務部員としてではなく、経営レベルの高い価値があるといえます。会社全体に波及する仕事をやっているからです。

(2) 多数派法務部員の常識のせいで価値創造が進まない

しかし、上記のような価値ある法務パーソンが出てくる可能性は極めて低いように思います。

まず、「法務部とはこうあるべきだ」というべき論の常識は極めて強固です。

リーガルが強い米系会社の方が、法務部はあれこれ権限を持っており、私の「価値ある法務部」とは逆の価値観を持っています。

「法務のプレゼンスはもっと高くなるべきだ」という主張する意識高い系法務人材がこれから法律問題独占型法務部を強化して続けていくはずです。

その結果法務部の見せかけの価値は上がりそうです。

そうやって法務機能が肥大化すれば、法務部の現実的なコスパは下がると思います。真面目で良心的な法務部員はやりがいを感じなくなってしまっても無理はありません。

ただ、残念ながら、私の考える「価値ある法務部モデル」は受け入れられることはなさそうです。

法務部ではない経営陣にその価値を理解してもらえないからです。

自分で動かず、汗をかかず、法務部以外に法律問題に自ら対処させて「これがあるべき姿です」と経営陣に説明する法務部長が会社内で評価されるのは難しい。

「評価される」「高い給料をもらえる」には、見せかけの方が重要だからです。

こう思うと、法務の仕事ってむなしいなと思えてきます。

やりがいのある法務部はどこかにあるのだろうか。

6 つまらない法務部で働かないためには

惰性で日々の契約書を見る等の価値のあまりない作業をただするだけの退屈な法務部に入ってしまい、それが嫌ならどうすべきか。

「ぬるま湯でいいわぁ」という人はいい。そうでなくて退屈環境が嫌な人もいます。

そんな無意味法務部が嫌な人は、その場に留まって改革をするか、出ていくしかない。

改革は、成功する法務部を想像することができません。とても難しい。

私ならとっとと出ていきます。

出ていくとした場合、社内で異動するか、社外に転職するかです。

転職が嫌で今の会社がよく、やりたい仕事があるなら社内異動を狙った方がいい。

しかし、私は会社に愛着はあまりなく、法務以外にスキルはないため、転職を狙うほかありません。

「今の法務部マジつまらん」と思うなら、転職を検討することを強くお勧めします。

私は国内大企業法務部を辞めて転職してよかったです。低スキルな法務部員が「私達は専門家です」と偉そうにしている環境が耐えられなかったからです。

働く法務部の環境は転職で選べます。

たとえば、外資系企業なら1人法務部があります。1人なら法務部の仕事を決められます。他部署との調整という大変な仕事はありますが、法務部内の常識というのは存在しません。

法務部の雰囲気は会社によってかなり違います。

国内企業か、外資系か、人数は何人くらいか、外部法律事務所をどの程度使うのか、その法務部の日常業務は何か、こうした要素を考えていくと、自社との違いが見えてきます。

つまらない法務部は辞めてよりエキサイティングな法務部に転職しましょう。

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