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経理の職務経歴書で一番まずいのは、担当業務をただ並べることです。
月次決算、年次決算、税務、固定資産、債権債務、請求書処理、会計ソフト入力。
それだけ書いても、採用側には「どこまで任せられる人なのか」が見えません。
経理転職で見られるのは、業務名ではなく、任された範囲です。
月次決算の補助なのか、主担当なのか。年次決算に入ったのか、決算整理までなのか。税務申告は外部任せなのか、自分で資料を作ったのか。監査法人対応をしたのか。経営陣に数字を説明したのか。
ここを書かないと、「経理経験者」と言っても薄く見えます。
会計事務所経験者も同じです。
記帳、月次監査、決算申告、顧問先対応と書くだけでは、事業会社の経理採用には刺さりにくい。事業会社側が知りたい言葉へ変換してください。
経理の職務経歴書で見るべきところ
業務名ではなく、担当範囲。
担当範囲だけでなく、責任の重さ。
責任の重さだけでなく、改善したこと。
改善したことだけでなく、次に任せられる仕事。
| 書きがちな表現 | 弱い理由 | 書き換える方向 |
|---|---|---|
| 月次決算を担当 | 補助か主担当か分からない | 締め処理、勘定科目、社内調整、上司確認前の責任範囲を書く |
| 年次決算を経験 | どの決算整理に入ったか不明 | 引当金、固定資産、税効果、消費税、監査対応など具体化する |
| 会計事務所で顧問先対応 | 事業会社経理で何に近いか見えにくい | 試算表説明、資料回収、経営者対応、資金繰り相談などに分解する |
| 業務改善を実施 | 何をどう改善したか分からない | 締め日数、ミス削減、Excel整備、会計ソフト運用など結果まで書く |
経理の職務経歴書は、求人を見る前に一度整えてください。自分の経験がどの求人で評価されるかが変わります。

1 経理の職務経歴書は「担当業務一覧」では弱い
経理経験者の職務経歴書でよくあるのが、業務一覧です。
- 仕訳入力
- 請求書処理
- 月次決算
- 年次決算
- 税務申告補助
- 監査対応
これだけでは弱いです。
採用側は、業務名を見たいのではありません。
その業務を、どの立場で、どこまで、どの規模で、どれくらい正確に回していたのかを見ています。
月次決算と書いてあっても、仕訳を入れていただけなのか、締め全体を見ていたのかで評価は違います。
年次決算と書いてあっても、資料を集めただけなのか、決算整理仕訳を切ったのか、税理士や監査法人とやり取りしたのかで違います。
経理の職務経歴書では、担当業務ではなく、担当範囲を書いてください。
2 月次決算経験は、どこまで締めたかを書く
月次決算は、経理転職でかなり見られます。
ただし、「月次決算を担当」と書くだけでは足りません。
見るべきなのは、どこまで締めたかです。
- 売上計上
- 仕入・買掛金
- 売掛金・入金消込
- 経費精算
- 固定資産
- 前払費用・未払費用
- 勘定科目残高の確認
- 試算表の作成
- 差異分析
- 部門への確認
どれを担当したのか。補助なのか、主担当なのか。締め日程に責任を持ったのか。
ここまで書くと、採用側は入社後の任せ方を想像できます。
「月次決算経験あり」は便利な言葉ですが、便利すぎて何も伝わらないことがあります。
経理の職務経歴書では、月次決算を分解してください。
3 年次決算経験は、決算整理と外部対応まで書く
年次決算は、経理経験の深さを見る材料になります。
ただし、ここも「年次決算を経験」と書くだけでは足りません。
年次決算では、どの決算整理に関わったかを書いてください。
- 固定資産の減価償却
- 棚卸資産
- 引当金
- 税金計算資料
- 消費税
- 法人税申告資料
- 勘定科目内訳明細
- 決算書作成補助
- 監査法人対応
- 税理士対応
上場企業、上場準備企業、中小企業、会計事務所では、同じ年次決算でも意味が変わります。
だから、会社規模、会計基準、関与範囲、外部対応を書いてください。
「年次決算補助」とだけ書くと、弱く見えます。
補助でも、何の補助かまで書けば評価されます。
4 会計事務所経験は、事業会社経理の言葉に変換する
会計事務所や税理士法人の経験は、経理転職で使えます。
ただし、会計事務所の言葉をそのまま出すと、事業会社側に伝わりにくいことがあります。
たとえば、こうです。
| 会計事務所での表現 | 事業会社経理向けの見せ方 |
|---|---|
| 記帳代行 | 仕訳処理、証憑確認、勘定科目判断、月次資料作成 |
| 月次監査 | 月次試算表の確認、残高確認、異常値チェック、経営者への報告 |
| 顧問先対応 | 資料回収、数字説明、社外関係者との調整、改善提案 |
| 決算申告 | 年次決算、決算整理、税務調整、申告資料作成 |
| 資金繰り相談 | 資金繰り表、金融機関対応補助、経営管理資料の作成 |
嘘を書く必要はありません。
ただし、会計事務所の内側でしか通じない言葉で止めると、事業会社の採用担当には伝わりません。
会計事務所から事業会社経理へ移る人は、こちらの記事も確認してください。
会計事務所から事業会社経理へ転職できる?求人を見る前に整理すること
5 改善経験は、数字か仕組みで書く
経理の職務経歴書で強いのは、改善経験です。
ただし、「業務改善をしました」だけでは弱いです。
何を変えたのかを書いてください。
- 月次締めを何営業日短縮したか
- Excel管理をどう整理したか
- 会計ソフトやワークフローをどう運用したか
- 請求書処理のミスをどう減らしたか
- 資料回収の遅れをどう改善したか
- 属人化していた業務をどう引き継げる形にしたか
経理は、ただ正確に処理するだけでは評価が伸びにくいです。
正確に処理したうえで、締めを早くする。ミスを減らす。確認しやすくする。数字を使って意思決定しやすくする。
そこまで書けると、職務経歴書の見え方が変わります。
小さな改善でも構いません。
「自分が担当した範囲で、何を良くしたか」を書いてください。
6 経理の自己PRは、真面目さだけで終わらせない
経理の自己PRで多いのが、真面目さ、正確性、責任感です。
もちろん大事です。
でも、それだけでは埋もれます。
経理の自己PRでは、次のどれかに寄せてください。
- 締めを守る力
- ミスを見つける力
- 数字の違和感に気づく力
- 他部門から資料を回収する調整力
- 税理士・監査法人・顧問先と話す力
- 業務を仕組みにする力
- 数字を説明する力
「正確に処理できます」だけでは、経理なら当たり前に見られます。
どう正確にしたのか。どの場面で責任を持ったのか。誰と調整したのか。
そこまで書いて、自己PRになります。
7 未経験・経験浅めの経理は、補助業務を軽く書かない
経理経験が浅い人ほど、補助業務を軽く書きがちです。
それはもったいないです。
請求書処理、入金消込、経費精算、仕訳入力、証憑確認。これらも、書き方次第で経験として見せられます。
見るべきなのは、処理量、正確性、確認範囲、改善点です。
- 月何件処理したか
- どの勘定科目を扱ったか
- どの部署とやり取りしたか
- ミス防止のために何をしたか
- 締め日にどう間に合わせたか
補助だから書けない、ではありません。
補助でも、経理の流れを理解していることが伝われば評価されます。
ただし、背伸びはしないでください。
やっていない年次決算を、やったように書くのは危険です。面接で壊れます。
8 職務経歴書を整えたら、求人ごとに見せ方を変える
経理の職務経歴書は、一度作って終わりではありません。
求人によって、見せ方を変えてください。
事業会社経理へ応募するなら、月次決算、年次決算、社内調整、改善経験を前に出します。
会計事務所や税理士法人へ応募するなら、顧問先対応、税務申告、担当社数、業種、申告件数を前に出します。
IPO準備企業なら、未整備な業務を整えた経験、改善経験、部門調整、数字を説明する力を見せます。
管理職候補なら、メンバー育成、締め管理、業務分担、マネジメントを書きます。
同じ職務経歴でも、求人ごとに刺さる場所は違います。
求人票に合わせて嘘を書くのではありません。
自分の経験の中から、相手が見る部分を前に出すだけです。
9 転職エージェントには、完成版ではなく材料を持っていく
経理の職務経歴書を一人で完璧に仕上げようとすると、止まります。
最初から完成版を作る必要はありません。
まず材料を出してください。
- 担当した業務
- 月次・年次の関与範囲
- 会社規模
- 会計ソフト
- 処理件数
- 社内外の調整先
- 改善したこと
- 次にやりたい業務
この材料があれば、転職エージェントとの面談でも話が早くなります。
経理・財務の転職エージェント全体の使い分けは、こちらで整理しています。
経理・財務の転職エージェントおすすめ3選|会計事務所・事業会社・IPO準備で選び方は変わる
事業会社の経理・財務で上げたいなら、職務経歴書を整えたうえで、ツインプロやMS-Japanに相談してください。
10 スカウトで見られる職務経歴は、さらに雑にできない
ビズリーチのようなスカウト型サービスを使うなら、職務経歴はさらに雑にできません。
登録して終わりではありません。
企業やヘッドハンターは、職務経歴を見て声をかけます。
月次決算、年次決算、税務、開示、管理会計、資金繰り、改善経験、マネジメント経験。
ここが薄いと、スカウトの中身も薄くなります。
ビズリーチは、応募する場所というより、職務経歴を置いて外からどう見られるかを確認する場所です。
使い方はこちらで整理しています。
11 FAQ
Q. 経理の職務経歴書には何を書けばいいですか?
担当業務名だけでなく、担当範囲を書いてください。月次決算なら、どの勘定科目、どの締め処理、どの社内調整まで担当したか。年次決算なら、決算整理、税務資料、監査対応まで書くと伝わりやすくなります。
Q. 経理の職務経歴書で月次決算はどう書くべきですか?
「月次決算を担当」だけでは弱いです。売上、買掛金、売掛金、固定資産、未払費用、試算表、差異分析、部門確認など、どこまで締めたかを書いてください。
Q. 年次決算の経験が浅い場合はどう書けばいいですか?
年次決算補助でも、何を補助したかを書いてください。固定資産、棚卸、税務資料、勘定科目内訳、監査法人対応など、関わった範囲を具体化すれば経験として見せられます。
Q. 会計事務所経験は職務経歴書でどう見せればいいですか?
記帳、月次監査、決算申告、顧問先対応をそのまま並べるだけでは弱いです。試算表確認、経営者への数字説明、資料回収、決算整理、税務調整など、事業会社経理に近い言葉へ変換してください。
Q. 経理の自己PRでは何を伝えるべきですか?
真面目さや正確性だけで終わらせないでください。締めを守る力、数字の違和感に気づく力、他部門との調整力、業務改善、数字を説明する力まで具体的に書くべきです。
12 まとめ
経理の職務経歴書は、業務一覧ではありません。
採用側に「この人には何を任せられるか」を伝える書類です。
月次決算なら、どこまで締めたか。
年次決算なら、どの決算整理に入ったか。
会計事務所経験なら、事業会社経理の言葉に変換できているか。
改善経験なら、何をどう良くしたか。
自己PRなら、真面目さではなく、数字を扱う力、調整する力、仕組みにする力まで書けているか。
ここを整えるだけで、転職エージェントとの面談も、求人紹介も、スカウトの見え方も変わります。
経理転職では、求人を見る前に職務経歴書を整えてください。