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転職先を選ぶ基準として、福利厚生を重視している人は少なくありません。
住宅手当があるかどうか。健康診断の補助が手厚いかどうか。社員食堂があるかどうか。

こういった条件を比較して転職先を決めようとしているなら、少し立ち止まった方がいいです。
福利厚生は会社の待遇の一部ですが、転職先の善し悪しを決める主要因ではありません。福利厚生に惹かれて入社した結果、仕事の内容や評価制度に不満が出るケースは少なくありません。
「どの会社が入社するために良い会社か?」という問題を自分の頭の中で「福利厚生が充実している会社は良い会社か?」という問題に置き換えてしまうのです。
困難な問題に直面したとき、私たちはしばしばより簡単な問題に答えてすます。しかも問題を置き換えたことに、たいていは気づいていない。
ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー 上』(早川書房、2012年11月)23ページ
若い人の方が福利厚生を重視してしまうのも無理はありません。
福利厚生で転職先を選ぶ危険性
福利厚生は一部の限られた人の趣味で決まっているだけである可能性があります。
重大な決定は、現在も何千年前と同じように、権力を持つ立場に ある少数の人間の直感と好みで行なわれている。
ーダニエル・カーネマン(マイケル・ルイス『かくて行動経済学は生まれり』(文藝春秋、2017年7月)280ページより)
福利厚生の社内における重要度は会社によって異なりますが、一部の決定権者が自らの権力行使の一貫として、「これがいい!これならみんな喜ぶだろう」という直感と好みで行われているだけだと思われます。
福利厚生は仕事の本質ではない
転職先で毎日8時間以上過ごすのは、福利厚生を使う場所ではなく、仕事をする場所です。
仕事の内容が合わない、評価がされない、将来の見通しが立たない。これらの問題は、住宅手当の有無とは無関係です。
福利厚生が充実していても、仕事で消耗するなら意味がありません。
実際に使えるかどうかは入社前に分からない

福利厚生として書かれていても、現場では使いにくい制度が多くあります。
育児休暇があっても、実際に取得している男性がほぼいない。フレックス制があっても、実態はコアタイムに全員いないといけない。
制度と運用は別です。面接だけでは実態は分かりません。
福利厚生より給与の方が直接影響する
住宅手当が月3万円あっても、給与が同業他社より50万円低ければ、トータルで損です。
福利厚生は見えやすいですが、総報酬で考えると給与・賞与の方がはるかに大きい。
転職先を選ぶ本当の基準
福利厚生より先に確認すべきことがあります。
仕事内容と裁量
毎日何をするのか。自分が主体的に動ける仕事か。指示待ちばかりの仕事か。ここが合わないと、福利厚生がいくら良くても長続きしません。
年収の天井と昇給の仕組み
今の年収より入社時が高くても、3年後・5年後に頭打ちになる会社があります。昇給のルールが明確かどうかを確認してください。
評価の透明性
何をすれば評価されるのか。昇進・昇給の条件が説明できる会社かどうか。面接でこれを質問して、具体的に答えられない会社は要注意です。
キャリアの伸びしろ
その会社で3年後に自分の市場価値は上がるか。積める経験は転職市場で評価されるか。ここが一番大事な問いです。
福利厚生が無視できないケース
福利厚生を軽視しすぎるのも問題です。
育児支援・介護支援・フレックス・リモートワークは、ライフステージによっては仕事を続けられるかどうかに直結します。これらは「あれば嬉しい」ではなく「ないと困る」制度になりえます。
ライフステージに合う制度があるかどうかは確認する価値があります。ただしその場合も、制度の有無だけでなく「実際に使われているか」を確認してください。
外の市場を見てから転職先を判断する
転職先を選ぶ前に、まず外の市場を見てください。
自分の経験でどんな求人に届くのか。年収はどのくらいが相場なのか。ここを確認せずに「福利厚生が良さそう」で転職先を決めると、後で後悔します。
市場価値を確認する方法はこちら。
ビズリーチは転職する気がなくても使える?市場価値確認の使い方
転職エージェントに相談するならこちら。
まとめ:福利厚生は最後に確認するもの
転職先を選ぶ順番は、仕事内容・年収・評価制度・キャリアの可能性が先です。
福利厚生はその後に確認するものです。逆にすると、仕事の本質を見落として入社することになります。
外の求人を先に見てから、比較して選んでください。

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