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法律事務所から企業に転職した理由 | なぜインハウスローヤーか

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法律事務所からインハウスローヤーをなぜ目指したのか

なぜ法律事務所業界を離れたのか?

ネガティブな理由とポジティブな理由があります。

理由はともかく、法律事務所を辞めてインハウスローヤーになってよかったと思っています。

私の知り合いで後悔している人や法律事務所に戻りたいと思っている人は誰もいません。

(2020年3月6日改訂)

1 法律事務所からインハウスローヤーになったネガティブな理由

転職の動機は、ネガティブなものの方が強いです。

(1) 法律事務所の人間関係(ボス、先輩弁護士) 

どうやっても苦手なボス弁、兄弁がいたからです。これはどうしようもなく大きい。

 

能力ボンクラでも自分は優秀だと思っている。何か仕事があれば自分では何も整理せずにまず下っ端に投げ、下っ端の仕事が気に入らないと猛烈な嫌味を言ってくる。クライアントに過大な水増し請求をすることをなんとも思わない。

 

「この人たちと一緒に仕事していくのか・・・」と思うと気が遠くなりました。

 

ただ、法律事務所は、各自が好き勝手に仕事して下っ端をこき使うのが徹底した業界ですので、どの事務所に移っても状況は変わらない、ということは十分あるだろうと思いました。

 

また、人間関係を抜きにしても、法律事務所の仕事のストレスは大きいです。

 

(2) 本当に役に立っているのかという徒労感

法律事務所の弁護士は、独立すれば固定給はなく、クライアントから報酬をもらい続けねばなりません。

個人事業主として客からお金を払ってもらって生活するのです。

「私に支払ってください」という請求書を送り続ける人生は辛いと思いました。

売上を上げることができる弁護士とは、誠実で腕の立つ弁護士では必ずしもありません。

不誠実でいいかげんでも売上は上げられるのです。そして、自分を「強く」見せなければなりません。

世間の人々も企業も、誤った方向に導くような危険な情報の提供者を、真実を伝える人よりも厚遇する。大不況につながったグローバル金融危機が残した教訓の1つは、専門家同士、企業同士の競争がヒートアップした結果、リスクや不確実性に対する集団的無分別が煽られた、ということである。

自信過剰を優遇するような社会的・経済的圧力は、金融関連の予測だけに働くわけではない。他のプロフェッショナルも、専門家たるものは高い自信を示さなければならない、という社会通念に直面している。フィリップ・テトロックによれば、ニュースの解説に招かれるのは最も自信たっぷりの専門家だという。

……自分の無知を率直に認める専門家は、おそらく自信たっぷりな専門家にとってかわられるだろう。なぜなら後者のほうが、顧客の信頼を勝ち取れるからである。

(ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』(早川書房、2012年11月)50ページ)

 

私のボス弁の中には、若くして数億の売上を稼ぐ人がいました。都心一等地の高級住宅に住み、持ち物は高級品ばかりで、車も高級車。クライアントの信頼は厚く、非常に仕事熱心で弁護士業に打ち込んでいました。

 

しかし、そのボス弁の幸せそうな顔を見たことはありませんし、常に仕事に追われて非常に苦しそうに思えました。そのボス弁は離婚もしています。

 

また、弁護士の報酬は高いのですが、それに見合った役立つサービスを提供しているとは思えないのも悩みでした。

儲かる弁護士はそうした悩みもなく高額報酬を請求するのが得意のようですが、私は苦手でした。

 

他人によい影響を与えられる仕事は徒労感が少ないようなのですが、法律事務所の弁護士はそうではないと思いました。

 

ノースカロライナ大学のために数百万ドルの寄付を集める仕事をしている82人を対象とした研究で、「自分の仕事が他の人々の人生によい影響を与えると感じている」といった文章に同意した人たちは、職場で心の疲労を経験することが少ないことがわかりました(エリザベス・ダン=マイケル・ノートン『「幸せをお金で買う」5つの授業 (中経出版)(中経出版、2014年))。

 

▼ 法律事務所を辞めてストレスから解放される 

www.career-rule.com

 

結果として、会社に転職してこの嫌なストレスはかなり吹き飛びました。

その点では大成功でした。

 

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2 インハウスローヤーに転向するポジティブな理由

 よりビジネスに近い現場に行きたい、というのがポジティブな理由です。

 

企業法務弁護士は、「ビジネスに詳しい」と言っていますが、多くの人は全然詳しくありません。会社からの相談が多く、日経新聞を読んでるだけで「ビジネス弁護士」と名乗っている弁護士はたくさんいると思います。

 

企業法務弁護士は、古典的な弁護士像とは異なり、洗練された高収入のビジネスマンのような存在だ、そう思っていました。弁護士になるまでは。

 

しかし、弁護士はあくまで弁護士です。ビジネスマンではありません。メンタルは「自分の腕で稼ぐ」という一匹狼の弁護士的な発想だと思います。

 

また、多くの企業は、法律事務所に依頼する場合、法務問題だけを切り取ってきます。法律事務所の弁護士は、あるビジネスの枝葉をほんの少しかじることしかできません。場合によりますが、本当に少しです。弁護士がクライアントのビジネスの成功に与える影響はごくわずかです。

 

これは弁護士として企業法務に携わってみて残念な点でした。

 

なので、より会社のビジネスの近くで影響を与えられる仕事がしたいと思ったのです。

 

3 法律事務所から企業への転職というマインドセットに苦労する

転職活動をはじめようと思った最初の頃は大変でした。

 

「もう法律事務所は疲れた。企業へ行こうかな」とふわっとした気持ちで考えていたため、具体的な志望企業がありませんでした。

 

真面目に企業への就職・転職を考えたことがありません。

どうしたらよいかもわかりませんでした。

 

とりあえず転職エージェントのところに行きました。

 

しかし、転職エージェントに相談してみると企業に転職すると収入が下がるケースが多く、そのような曖昧な状態で多くの企業の求人票を見ても、「聞いたことない会社だ」とか「給料安い」とだけ考えて、少しも転職に前向きになれませんでした。


ただ、そんな中でも「ここに行けたらいいな」という企業が数社はあるので、少しでも応募をし始めると、数社だけでなく、いろいろ他の企業も見てみようという気になりました。結局20社くらい応募しました。

 

応募のタイミングは重要だと思いますが、まずは思い切って応募してみるというのは重要だと思いました。 

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