転職キャリアルール

現役企業内弁護士による複数回の転職体験談、おすすめの転職エージェント情報、キャリアパス形成等

弁護士の勤務先として法律事務所と会社の違い マイケルペイジ

www.michaelpage.co.jp

 

上記のような記事がありました。参考になる記事ですが、違うと思う部分もあります。

「若手弁護士にとって」という限定をつけてみてみましょう。

 

(2019年10月27日改訂)

 

 

1 法律事務所と会社 概要

 

① 法律事務所

法律事務所に勤務する弁護士のスケジュールは比較的イレギュラーで、その日の裁判や打ち合わせなどによって調整します。また顧客からの突然の相談にも対応する必要があるでしょう。さらに、休日は平日に取って土日に業務が入るというパターンもあります。

 

 これは否定できません。法律事務所の方がイレギュラーです。

 

② 会社

企業内弁護士には、法務知識のなかでも、特に一般企業法務の知識が求められます。

これも否定できません。

 

また法務関係だけではなく、M&AやIT、マネジメントなどについて着手することもあるのです。

M&Aは法務分野に入れていいと思います。ITの構築がどうとか、マネジメントというのも会社ならではです。

 

さらに外資系企業などでは英語力が求められることから、英検の合格やTOEIC800点程度のスコアを持っていると重宝されます。

英語力が重宝されるのは外資系企業に限りません。日系企業で法務部があるのは大企業が多いです。大企業は海外展開をしているところが多いです。法務は海外展開に関与して英語が必要になる機会は多いと思います。

 

企業内弁護士は企業に雇用される従業員であるため、スケジュールは就業規則や労働基準法に則ったものとなります。毎日の勤務時間は平均10時間以内、平日に勤務して土日休みといったケースが多いです。

これも否定できません。

 

 

2 それぞれのメリット・デメリット

(1) A 法律事務所のメリット

・自由な時間に働ける
組織の規定にとらわれずに自由に働けることがメリットと思える方もいるでしょう。

明示的なルールは法律事務所にはないですが、ボス弁次第です。若手弁護士はそんなに自由なんでしょうか。

また、ボス弁でもクライアント次第でもあり、そんなに自由ではありません。

 

「先生、ゴールデンウィーク直前の今日にライバル企業から内容証明が届きました。1週間以内に回答しろと書いてあります。なんとかしてください。」

 

とクライアントから対応依頼があってGWが全て潰れたことがあります。

 

「1週間以内なんか相手が勝手に決めたことです。GWはしっかり遊んでそれから考えましょう」

といえる弁護士は少ない気がします。

 

・高めの年収が期待できる
法律事務所の弁護士は報酬を自分自身で決めることができ、弁護士としての能力があれば多少高額の報酬を設定しても顧客はつきます。

会社員より法律事務所勤務の方が一般的に収入が高くなるのはそうだと思います。これが一番の違いかもしれません。会社員と違って弁護士の収入は青天井です。現実的に限度はありますが、才覚次第です。

ただ、このブログを読んでいる若手弁護士には報酬設定は難しい芸当です。自分自身で報酬を決められる、それも高額報酬を設定できる人は転職はあまり考えないでしょう。

 

(1) B 法律事務所のデメリット

・雑務が多い
法律事務所に勤務する場合、事業にまつわる各種雑務を自分自身でこなす必要があります。たとえば請求書の取り扱いや経理業務、そのほか各種の書類や伝票なども扱わなければならないのです。

これは、そうなのか・・・?

私の勤務先法律事務所や他の法律事務所の話を聞く限り、事務員・秘書を雇っている法律事務所は、雑務は弁護士の仕事にしていないと思います。

若手弁護士に経理作業は依頼しないでしょう。

 

法律事務所の雑務が多いとすれば、クライアントから面倒な作業を押しつけられるという点です。

ボスからすればそれで報酬を稼げるのですが、あまりどうしようもないのを押しつけられると若手弁護士は擦り減ります。

 

・依頼者を守るために矢面に立つため精神的負担が大きい
弁護士は、依頼者となる被告の立場に立って業務を進めます。そのため、原告はもちろん、ひいては社会や国家に対して矢面に立たなければならないため、精神的負担の大きな仕事です。

これは、何か刑事弁護の場面に限定しているんでしょうか。民事が中心の弁護士の仕事を全く理解していないコメントです。

若手弁護士の一番の精神的負担は、パートナー弁護士を含めた対人関係であり、収入等の将来の見通しがこれに続く気がします。

 

 

(2) A 会社のメリット

・一定の規則のもとに就業できる
企業内弁護士は企業の就業規則に基づいて、決まった勤務時間で業務を行うことができます。そのためワークライフバランスが取りやすくなるほか、社会保険や有休、各種手当など企業の福利厚生の恩恵を受けることもできます。

ワークライフバランス。

これがインハウス最大のメリットでしょう。

福利厚生は、それほど重視するべき事柄ではありません。給料が高ければ手当はゼロでも問題ないのです。収入に収斂されるべきものです。

  

・年収が安定する
企業に雇用されていれば毎月基本給は確実に得られますから、年収が安定することもメリットです。また法律事務所に勤務するときと比べて雑務が減りますから、業務量との対比で効率よく収入を得られると考える向きもあります。

これはどちらも同意します。

会社の方が収入は安定します。

そして、若手弁護士の場合、会社の方が法律事務所より時給が上がることは十分ありえます。

 

・自分のスキルを上げられる
企業に勤めることによって、経営およびビジネスに関わる業務やプロジェクトに参加することもあります。そのため、企業の組織人としてのスキルもアップさせることができ、仕事に広がりが生まれるのです。

これは、あまり同意できません。

私はこうしたメリットがあると思って法律事務所から会社に転職しました。 

www.career-rule.com

 

 

しかし、法務は法務です。法務部にいる人達は、あまりビジネスに興味がない管理部門の人達です。

ビジネスパーソンとして生きていきたいから法律事務所から企業へ移る、というのは面接できれいごとを言うのにはよいのですが、実際はそうはなりにくいというのは知っておいてよいと思います。

 

(2) B 会社のデメリット

・仕事が単調になりがち

企業内弁護士はその企業の専属となるため、仕事内容についてだいたい似たようなものを請け負うことが多いです。仕事のバリエーションが少ないということは、多種多様な仕事に携わりたい人にとってはデメリットです。

これはありえます。また、法務の知識経験を伸ばすことは会社ではけっこう難しいと思います。法務業務ではなく、どうしようもないサラリーマン業務に激しく時間を取られるのです。

日系大企業の大法務部の人達は、ほとんどが「いてもいなくても同じ」であり、「いなくなっても代わりはすぐ見つかる」仕事をやっています。

 

企業が直面する難しい法律問題はどうするか?

外部の法律事務所に丸投げです。法務部は、事業部門に対して「四大に依頼しました」と報告すればおしまいです。

 

それだけで安定したそこそこの給料がもらえるのですから、安定志向の人には日系大企業の法務は激しくおすすめです。

 

・年収が抑えられることが多い
企業内弁護士は企業に雇用されて給与を受け取ることになるため、年収はその企業の給与規定、基準によります。

これはしょうがないですね。安定の裏返しです。日系大企業は給与テーブルがあるので、「私は司法試験に合格した弁護士有資格者だ!」と威張っても給料は他の社員と同じ、という企業は多いと思います。

そうでもない企業もあるので、そこはエージェントと相談しましょう。

 

 

3 どんな人が向いているのか

(1) 法律事務所の弁護士

・独立に向けて働きたい
・さまざまな案件を扱うため、好奇心旺盛で新しいことに幅広く興味が持てる
・実績を積んで法律の知識を深めたい

これら3つはそのとおりだと思います。

独立のための経験は会社では積めません。「インハウスの経験を積んで独自のバックグラウンドを持った弁護士に……」なんて考えない方がいいです。

法律事務所の弁護士して経験を積みたいなら法律事務所でがんばるべきです。

 

さまざまな案件、というのも法律事務所がいいです。

 

法律の知識を深めたい、というのも法律事務所がいいです。

 

 

(2) 企業内弁護士

・ワークライフバランスを確保したい
・安定して仕事を続けたい
・多方面へのキャリアアップをしたい

 

1つ目と2つ目はそのとおりだと思います。

3つ目の「多方面」というのは何を指すのかよくわかりませんね。

 

 

****** 

www.career-rule.com

  

houmuwork.hatenablog.com